「大河ドラマの主役を務めた大物なのに、共演者はもちろん、スタッフにまで『今のよかったよ』と、気遣ってくれるのは天性の資質」

 ピンと張り詰めた空気が漂うドラマの収録現場――。そんな場を和ませてくれる俳優は誰なのか。本誌は、大手広告代理店が、ADなど現場で働くテレビ関係者500人に実施したアンケート結果を入手。「本当に性格がいい有名人」シリーズの第3弾は「男性俳優編」だ。今回も、現場のスタッフたちが実際に見聞きしたエピソードをいくつか紹介しよう。

 栄えある1位は鈴木亮平。2018年のNHK大河ドラマ『西郷(せご)どん』で西郷隆盛役を演じた、いまや日本を代表する俳優だ。スタッフたちによる鈴木評は「とにかく礼儀正しい。下っ端のスタッフが『お願いですから敬語はやめてください』と恐縮するくらい」「以前、仕事をしたとき『今度一緒にご飯行きましょう』と約束。リップサービスかと思っていたら、後日、本当に連れていってくれた」など、プロデューサーからADまでがべた褒めだ。

 続く2位は個性派のムロツヨシ。NHK大河ドラマ『どうする家康』に、クセの強い木下藤吉郎役で出演中だ。「収録が押して現場がピリピリしていたら、大声で励ましてくれた」「私がケータリング担当だったとき『これって○○ちゃんが仕込んだやつ? 美味しい〜。これで1日、乗り切れる』と、わざとまわりに聞こえるように褒めてくれて。あれには涙が出ました」などと、周囲への気遣いが半端ない。

 3位は小泉孝太郎。「父親は元総理で、弟は政治家。日本中に知られていてたいへんだと思うけど、偉そうな態度を見たことがない」「礼儀正しさは業界トップ。『もっとくだけてくれたほうが』と言ったら『ならば、下の名前で呼び合いましょう』と言われた」。ちなみに、小泉とムロは、プライベートで大の仲よし。

 4位は斎藤工。「制作者でもあるので、限られた番組予算を理解して協力してくれる」「斎藤さんがいると、共演者がスムーズに動ける。監督もやる方なので、目のつけどころが違う」と、自ら監督業もこなすだけあって、現場で多くの共感を集めている。

 5位は『どうする家康』で、服部半蔵役を演じている山田孝之。「とっつきにくいイメージがあったけど、収録の合間になにげなく話したことを『それ、おもしろいじゃん』と、演技に取り入れてくれた」。

 6位は木村拓哉。「以前は少しキツいところがあったけど、すっかり丸くなった」「スタッフをちゃんと名前で呼んでくれるのが嬉しい」。4月から始まるフジテレビ系の月9ドラマで、主演を務める。

 7位は工藤阿須加。元プロ野球選手の工藤公康氏を父に持つ彼は、農業にも取り組んでいる。「最近はあまり一緒に仕事をしていなかったのに、ご自分で育てた野菜を送ってくれた」「礼儀正しく謙虚。いつも『教えてください』という姿勢を崩さない」。

 8位は高橋一生。「趣味が多彩でマニアック。その話がまたおもしろい」「山歩きにハマっているという話をしたら『今度、行きましょう』と。楽しみにしてます」。

 9位は中川大志。「地方ロケで、おじさんスタッフとスナックにつき合ってくれた」。

 10位は眞栄田郷敦。「すごくシャイな方なんですが、現場ではスタッフと打ち解けようとして、下働きまで一緒にやってくれる」。

 11位は竹内涼真。「現場でヘマをやらかして先輩に怒られた後、『大丈夫?』と優しく声をかけてくれた。惚れるでしょ。自分、男ですけど」。

 12位は中尾明慶。「結婚生活の悩みを話したところ『大丈夫だよ。俺なんか、毎日、怒られてばっかり』と、自虐ネタで笑わせてくれた」。中尾の妻は、女優の仲里依紗だ。

 13位は大泉洋。「ものすごく子煩悩。ずっと娘さんの話をしている」「スタッフ同士が揉めてピリついたとき『元気があって素敵です!』と。スタジオが笑いに包まれて、収録もスムーズに進んだ」。

 14位は西島秀俊。「西島さんが服を脱ぐシーンがあった日の収録でのこと。事前にダンベルを持ち込んで、筋肉をパンプアップさせていた。プロの姿を見た気がした」。

 15位は福山雅治。「待ち時間に、女性もいたけどエロトークで盛り上がった。ほかの人ならハラスメントだけど、福山さんならセーフです(笑)」。

 16位は相葉雅紀。「何年かぶりに会ったのに『○○ちゃん、元気?』って、下の名前で呼んでくれた。お辞儀もいつも丁寧で素敵です」。

 17位は向井理。「プライベートの話はNGだと思ってたけど、自分が昔、奥さん(国仲涼子)と仕事をしていたのを知ると『お世話になりました』と、丁寧に挨拶された」。

 18位は中村倫也。「スタッフの好みなどを事前にリサーチして、誕生日とか記念日にさりげなくプレゼントを渡していた」。

 19位は福士蒼汰。「ロケで見物客に囲まれて、剥がし(人を退ける)をやっていたら、『大丈夫だから』と嫌な顔ひとつせず、逆に『そんなに遠くから来てくれたの?』と、ファンと交流していた」。

 20位は風間俊介。「ジャニーズの後輩たちのことを『今度〇〇が、番組でご一緒させてもらいます』と挨拶していた」。

 21位は松下洸平。「モニターチェックの際に『どう思いますか?』と聞かれ、『よかったです!』と即答したら、サムアップポーズでウインクされた」。

 22位は生田斗真。「待ち時間に披露してくれる話がおもしろすぎて、みんな興味津々で集まっている」。

 同じく22位の濱田岳。「大物やクセのある俳優さんも、濱田さんがいい感じの中和剤になって、現場がスムーズにまわる」。

 24位は小栗旬。「大河の主演(『鎌倉殿の13人』)をやってから、現場を引っ張っていくという責任感が強くなり、周囲への気遣いがすごい」。

 25位は上川隆也。「受け答えや話し方は紳士そのもの」。

 29位は織田裕二。「共演者にチャラついた若手がいたんですが、彼のプライドも気遣って、スタジオの隅に呼んで『ちゃんとしろ』と説教していた」。

 30位は中井貴一。「スタッフにミスがあり、演出家が激高したとき『そんなに怒ると血圧上がっちゃうよ。そんなときはミキプルーン。マネージャー、持ってきて』と。場が一気に和みました」。

 ある民放のベテランプロデューサーが語る。

「勝新太郎さんや高倉健さんなど、昭和の大スターと呼ばれるような俳優は、クセの強い“変人”ばかりでした。しかし今回、名前が挙がった俳優に共通しているのは『礼儀正しい』『気遣い上手』などです。これは、一般社会でも同じことですよね。

 昔は『クセのある役者じゃないと、おもしろいものは作れない』と、よくいわれましたが、もうそんな時代じゃありません。以前より撮影時間や予算、コンプライアンスなどの制約が格段に増えましたからね。しかも、一度、悪評が立つと、その噂はすぐに業界内に広まります」

 俳優も「現場で愛されてなんぼ」の時代になったというわけだ。