「工事やめて説明にくるべき」川勝知事 リニア県境ボーリング調査で改めてJR東海批判「彼らの示した根拠は崩れている」
JR東海がリニア工事をめぐって、静岡との県境へ向けたボーリング調査を始めたことを川勝平太静岡県知事があらためて批判しました。「工事をやめて説明にくるべき」とJR東海に求めています。
「一方的通告があって21日からボーリングが開始された。このことは極めて遺憾である」
2月28日の会見で、JR東海が始めた「高速長尺先進ボーリング」を批判した川勝知事。このボーリングは、南アルプストンネルの山梨県内の調査を目的に、先端が直径12㎝のロッドを使って静岡との県境近くまで掘り進めるものです。
県境付近には断層帯がある可能性があり、JR東海は県境100m手前からは「特に慎重に実施する」としています。しかし、川勝知事は過去にJR東海が示した資料から「県境250m付近の山梨県側にある断層と静岡県側にある断層帯がつながっていると読み解くことができる」として、JR東海が設定した100mという目安に地下水流出の恐れが低いという根拠を求めました。
「彼らの示した根拠は崩れている、とこちらは見ているから、水資源の保全が図られないのではないかという強い懸念がある。差し当たって工事はやめて、まずは説明にくるべきだ」
川勝知事はこう述べ、3月中旬をめどに開かれる専門部会で、JR東海に説明を求める意向を示しました。