ロングセラー商品「カゴメトマトジュース」シリーズ

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 カゴメ(名古屋市中区)が2月1日、ロングセラー商品「カゴメトマトジュース」の2022年の出荷本数が、過去15年間で最多となったことを公表しました。同社によると、2022年の出荷本数は2008年比で約2.5倍に増加し、メインユーザーの40〜60代に加え、20〜30代の購入率が上昇したということです。なぜここまで出荷本数が増えたのでしょうか。同社の広報担当者に聞きました。

小容量商品の売り上げが伸長

「カゴメトマトジュース」は、1933年に発売された商品。カゴメによると、2016年から「善玉コレステロールを増やす」(リコピン)と表示した、「機能性表示食品」として販売を開始し、2018年には「高めの血圧を下げる」(GABA)の機能性表示を追加しました。

 リコピンは、「カロテノイド」(動植物に含まれる、赤や黄色の色素の総称)の一つで、老化やがんなどの原因となる活性酸素を消去する作用があるといわれています。

 なぜ出荷本数が増えたのでしょうか。担当者は、考えられる要因について「長年、『おいしい』『栄養がある』といった評価をいただいていましたが、機能性表示取得後、リコピンの健康価値をより明確にお伝えできるようになりました。その結果、より健康意識の高いお客さまによる飲用が増え、出荷本数は好調に推移していきました」と説明。

 また、「トマトに含まれる『リコピン』は、生のままで食べるより、ジュースなどの加工品にした方が、約3.8倍吸収率が高まるという研究結果も出ています」と、トマトジュースの特長を強調しています。

 ここ数年で20〜30代の購入率が上昇したことも、出荷本数が過去15年間で最多となった要因の一つだということです。担当者は、若い人の購入が増えた要因を「『お勧めの飲み物』として、SNSを中心に情報発信をしてくださったことが一因だと考えております」と分析しています。

 また、「最近では、当社のカゴメトマトジュースと、ポッカサッポロフード&ビバレッジ(名古屋市中区)さまの『ポッカレモン100』を組み合わせた『トマレモ』という飲み方も好評です」と、お勧めの飲み方を教えてくれました。この飲み方は、カゴメとポッカサッポロフード&ビバレッジが共同で考案し、それぞれの公式SNSでの情報発信のほか、店頭でのレシピやPOP(広告や展示物)などで訴求しているそうです。

 新型コロナウイルスの流行前と流行後とで、商品の売れ行きに変化はあったのでしょうか。担当者は、新型コロナウイルスによるトマトジュースの出荷実績に大きな変化はなかったとしつつ、「2022年は20〜30代の購入率が上がったことで、200ミリリットルの紙容器商品の出荷本数が大きく伸びました」と説明。

 また、「コロナ禍で、お客さまの健康意識がより一層高まる中、『トマトだけ(またはトマトと食塩)』という、トマトジュースのシンプルさに改めて注目いただいております。家庭時間の充実という面では、料理や、他の飲料と割って飲むような割材としてもご支持いただいているようです」とコメントしています。

 ジュースでリコピンを手軽に摂取できるのは、便利です。食事のときや休憩中に飲んでみてはいかがでしょうか。