(写真:アフロ)

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1月26日、約14年ぶりとなる社長交代を発表したトヨタ自動車。現会長の内山田竹志氏(76)の退任に伴い、4月1日から現社長の豊田章男氏(66)が会長に。そして、レクサスとレーシングブランド「GAZOO Racing」のトップを務める佐藤恒治氏(53)が次期社長に就任する。

同日、YouTubeチャンネル「トヨタイムズ」で緊急生配信が行われ、内山田会長を含めた3人が新人事についてコメントを発表した。

‘09年6月に社長に就任して以後、リーマンショックによる過去最大の赤字や大規模なリコール問題、東日本大震災などを乗り越えてきた豊田氏。

危機に陥った際は、「『もっといいクルマ』をつくり、世界の各地域のステークホルダーに愛され、必要とされる『町いちばん』の会社を目指す道」を選択してきたという。成果が出るまで時間はかかったものの、「この13年間で、バトンタッチのための土台はつくれた。私は、そう思っております」と自負した。

その上で、佐藤氏を次期社長に任命した理由を「ひとつは、トヨタの『思想』『技』『所作』を身につけようと、クルマづくりの現場で必死に努力してきた人だからです。(中略)もうひとつは、クルマが大好きだからです」と語った。

いっぽう、佐藤氏はやや緊張した面持ちで「豊田章男社長の『想い』を受け継ぐという大役を拝命し、身の引き締まる思いです」とあいさつ。長くエンジニアとして部品開発などに携わってきたことから、「クルマを創ることが大好きです。だからこそ、『クルマを創り続ける社長』でありたいと思っています」と抱負を語っていた。

報道陣による質疑応答を含めて、およそ1時間半に及んだオンライン記者会見。クロージングのあいさつを担ったのは、新社長となる佐藤氏だった。「最後に、私の決意を申し上げたいと思います」と切り出し、真剣な眼差しで「『クルマ屋にしかつくれないモビリティの未来』に一歩でも近づけるよう、ガムシャラに取り組んでまいります」と締めくくった。

■豊田氏が次期社長に行ったまさかの“ダメ出し”

日本を牽引する大企業の社長交代。今後の事業展開に期待が高まるなか、SNSでは豊田氏が佐藤氏に向けた“あるダメ出し”が注目を集めているのだ。

それは生配信が終了し、「ご視聴ありがとうございました」と表示された画面に切り替わった後のこと。音声を切り忘れていたようで、次のような会話が漏れ聞こえてきたのだった。

豊田氏:「最後は笑顔が欲しかったねぇ〜」
佐藤氏:「はははははは(笑)」
豊田氏:「最後あれを笑顔で言ったらパーフェクトだったねぇ(笑)」
佐藤氏:「緊張した〜!(笑)」
内山田氏:「まぁ、決意って言ったからね」
豊田氏:「決意って言ったからなぁ」
佐藤氏:「ちょっと力入っちゃいました(笑)」
豊田氏:「入ったねぇ〜」

思わぬハプニングだったが、仲の良さが伝わってくる微笑ましいやりとりにTwitterでは感動の声が広がっている。

《こんなやり取り聞いちゃうと、トヨタってやっぱり良い会社なんだなって思います》
《ホントに仲いいんだろうな。経営陣同士でこういう関係作れてるのは良いなww》
《なんて素敵な会社なんだ ますます私のトヨタ愛が深まった》

“好感度爆上がり”のスタートを切ったトヨタ。強い結束力で、どんな新時代を切り拓いていくだろうか。