『海玄（シーゲン）』の「究極の海玄まぐろ丼」 ｜ 食楽web

　“ニッポンの台所”とも呼ばれる築地市場。中央卸市場（場内市場）は2018年に豊洲に移転しましたが、それでも、一般人に開放されている「築地場外市場」は健在。今でもプロの料理人たちが通い食材を買い付けたり、はたまた国内外の観光客が買い物や食べ歩きを楽しんだりと、活気あふれる場所であることに変わりはありません。

　2023年の築地場外市場は1月5日から営業をスタートしているので、遊びに行って、新年からグルメ三昧もいいですよね。そこで、食楽webで実際に食べてきた本当に美味しいお店と料理を厳選してご紹介します。

市場最高峰ともいれる天然本マグロ丼を堪能！

『海玄』の「究極の海玄マグロ丼」（3800円）、山芋のすり流し、まぐろ小鉢、まぐろコラーゲンスープ付き

　築地に遊びに行ったら、「絶対に新鮮で美味しい海鮮料理を堪能したい」という人は多いハズ。そんな方には、とびっきり美味しいマグロが食べられるお店『3（シーゲン）」を推したいと思います。

　ここは、名店にしか卸さないことで知られるマグロ仲卸し「やま幸（ゆき）」が初めて出した直営店。だからメニューは、自慢のさまざまな天然本マグロの部位を味わえる丼ぶりばかりなんです。特にオススメは「究極の海玄マグロ丼」（3800円）です。

部位ごとに異なる美味しさを堪能すべし

　酢飯の上には、大きな天然本マグロの切り身、剥がし身（大トロのスジをはがした部分）、そしてかき身（すき身）の3種類が盛りつけられています。部位ごとにそれぞれ形容しがたいほどの美しい色合いを放っており、見ているだけでクラクラしてきます。

カウンターに座ると、職人さんがマグロをさばく様子も見える（食楽web）

　食べてみると、見た目だけじゃないのがすぐわかります。切り身はプリッとした歯ごたえで濃厚な旨みが広がり、剥がし身はなめらかな食感で口の中でとろけ、そしてすき身のトロンとした甘み＆旨みが脳髄に連打を浴びせてきて…。「今まで食べてたマグロは何だったのか」と思わせられると思います。

築地東通り沿いにあります。看板には「海玄seagen」の文字

　酢飯だって、銀座の高級鮨にも引けを取らないような、マグロの美味しさを引き立てるキリッとした味わい。マグロのまろやかな脂とシャリが口のなかで溶け合い、最高に幸せ。まさに築地場外市場ならではの最高峰のマグロを堪能できますよ。

●SHOP INFO

店名：海玄（シーゲン）

住：東京都中央区築地4-13-8
TEL：03-6260-4808
営：月火金土10:00～15:00（14:30LO）、17:00～20:00（19:30LO）
　　日・祝10:00～15:00（14:30LO）
休：水・木

築地でしか味わえないプロの料理人たちに愛される「和風スパ」

『フォーシーズン』の「和風スパ」920円

　続いてご紹介したいのは、喫茶店『フォーシーズン』の「和風スパ」（
920円）。なんで築地に来てわざわざ喫茶店？ と思う方もいるかもしれませんが、実はこの喫茶店、築地場外市場に買い出しに来るプロの料理人たちに愛され続ける憩いの場であり、この「和風スパ」は築地を代表する名物パスタでもあるのです。

　まず、そのビジュアルに驚くと思います。お皿一面に大量の大葉がわさ～っと載っていて、スパゲティが全然見えないんです。

細切りにした大葉で覆い埋め尽くされている「和風スパ」

　いくらなんでも、大葉多すぎじゃないの？　と一瞬、思うでしょうが、これがイイんです。フォークを差し入れると、下には刻み海苔もわさ～っと登場し、途端に、大葉と海苔の芳しい香りが立ち昇ります。

　さらに、その大葉と海苔をかきわけると、中から細いスパゲティが登場。これは醤油バターで香ばしく味付けされた和風パスタです。

下から細いスパゲティと、キノコやウィンナーが登場

　食べてみると、醤油やバターをまとったスパゲティの旨味に大葉と海苔の爽やかな芳香が覆いかぶさり、実にウマい！ 強い火力でしっかり炒めてあるので、ところどころにスパゲティのカリッとした食感が残っており、この炒め具合がまた美味しいんです。

レトロな喫茶店はいつも大盛況。もちろん喫茶だけでも楽しめます

　イタリアの人には怒られるかもしれませんが、もうアルデンテとか言ってる場合じゃありません。焼きそばならぬ、“焼きパスタ”といった雰囲気で、なんともクセになる味わい。

　味といい、炒め具合といい、具材の組み合わせといい、ありそうでないスパゲティです。どこかレトロで懐かしい感じがするのに、よくよく考えると食べたことがない…。そんな不思議な和風スパをぜひ味わってみてください。

●SHOP INFO

店名：フォーシーズン

住：東京都中央区築地4-14-18　2F
TEL：03-3545-9494
営：7:30～16:00（15:30LO）
休：日・祝

まさに築地ならでは！ 海鮮料理が最高に美味しい蕎麦屋

『長生庵』の「大海老の天ぷら蕎麦」1850円

　最後にご紹介するのは、『蕎麦処 長生庵』です。このお店が築地で大人気の理由は、蕎麦の美味しさもさることながら、その海鮮料理の充実ぶりにあります。

　例えばある日は、「大間産の天然本鮪中トロ赤身刺し」や「大分産のカワハギの肝和え」といった超新鮮なお刺身や「三陸産の牡蠣天」、「北海道産の白子天」といった極上の天ぷらたちがズラリ。まさに、築地のいま最高に旬で美味しい食材を昼間から味わえるのです。

左は「三陸産の牡蠣天」1個400円、右は「あん肝の燻製」500円

　さらに日本酒のラインナップもものすごく多く、それをちびちび楽しめる「あん肝の燻製」や「いたわさ」などの酒肴も豊富に揃います。

　そして、もちろん〆はお蕎麦。自家製の二八蕎麦と甘くないキリッとした醤油味のダシが最高に美味しいのです。とくにオススメは「大海老の天ぷらそば」（1850円）。この海老天もただの海老天じゃありません。

「大海老の天ぷらそば」（1850円）

　かじってみると、衣の中は、身がぎゅうぎゅう詰め！ 食感もプリップリで、海老の甘みもじゅわ～っとにじみ出てきます。その海老天が極上のお出汁を吸って…ああ、もうたまりません。

休日は行列ができることも多いですが、回転は早いです

　そして、自家製蕎麦の上品な香りも最高！　ちなみに、蕎麦×海鮮丼や、本マグロ丼×蕎麦といったセットメニューもいろいろあるので、サクッとランチもOK。築地の昼酒を楽しむなら最高のお店です。

●SHOP INFO

店名：長生庵

住：東京都中央区築地4-14-1
TEL：03-3541-8308
営：月～金7:00-15:00、17:30-21:00
　　土7:00-14:00
休：日・祝・不定休

（撮影・文◎土原亜子）