Twitterが新型コロナに関する「有害な誤報」ポリシーを廃止、新型コロナワクチンの陰謀論がOKに
Twitterは新型コロナウイルスの誤情報が拡散されることを防止するため、独自のポリシーをもってアカウントの凍結や有害コンテンツの削除に取り組んできました。しかし、このポリシーがひっそりと廃止されたことが明らかになり、Twitter上にワクチン関連の陰謀論がまん延する可能性が危惧されています。
Twitter is no longer enforcing its Covid misinformation policy | CNN Business
Musk’s Twitter abandons COVID misinfo policy, shirking “huge responsibility” | Ars Technica
https://arstechnica.com/science/2022/11/musks-twitter-abandons-covid-misinfo-policy-shirking-huge-responsibility/
Twitter ends enforcement of COVID misinformation policy | AP News
https://apnews.com/article/twitter-ends-covid-misinformation-policy-cc232c9ce0f193c505bbc63bf57ecad6
2020年12月、新型コロナウイルスのパンデミックが始まって約1年が経ったタイミングで、Twitterは新型コロナウイルスに関するポリシーを改訂し、新型コロナウイルスワクチンに関する誤情報を削除すると発表しました。
Twitterが新型コロナウイルスワクチンに関する誤情報を削除すると発表 - GIGAZINE
Twitterは2020年1月から2022年9月までの間に、この新型コロナウイルスの誤情報ポリシーに違反したアカウントを1万1000件も凍結し、ポリシーに違反した約10万件のツイートを削除したと発表しています。なお、医療専門家などからもTwitterの新型コロナウイルス誤情報ポリシーは高い評価を受けており、アメリカの公衆衛生局長官であるVivek Murthy氏は、企業が誤情報と戦うための模範例としてTwitterの新型コロナウイルス誤情報ポリシーを挙げて賞賛しています。
しかし、Twitterの新型コロナウイルス誤情報ポリシーページがひっそりと更新され、「2022年11月23日をもって、Twitterは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する誤解を招く情報を取り締まるポリシーを施行しなくなります」と表示されるようになり、ポリシーを廃止したことが明らかになりました。
COVID-19 - Twitter Transparency Center
https://transparency.twitter.com/en/reports/covid19.html#2021-jul-dec
なお、TwitterのマスクCEOは2020年3月に「新型コロナウイルスのパンデミックは馬鹿げている」とツイートしたり、「子どもたちは本質的に新型コロナウイルスの免疫を持っている」と新型コロナウイルスに関する誤情報をツイートしたりしていましたが、その後、新型コロナウイルスのワクチンを支持するツイートを投稿していました。
To be clear, I do support vaccines in general & covid vaccines specifically. The science is unequivocal.
In very rare cases, there is an allergic reaction, but this is easily addressed with an EpiPen.— Elon Musk (@elonmusk) April 7, 2021
CNNは「Twitterは、長らく続いてきた新型コロナウイルスの誤情報拡散防止ポリシーが今後強制されなくなると述べました。これはTwitterを買収したイーロン・マスクが同プラットフォームをどのように変革しようとしているかを示す新たな兆候のひとつです」と報道。
さらに、ポリシー廃止により最終的にTwitterが訴訟や規制の対象になる可能性が高いという指摘や、Twitterに広告を掲出していた大手製薬会社が損害を被ることになるという指摘もあります。
This seems likely to eventually draw litigation and/or regulation and will certainly cost big pharma advertisers. Twitter has a policy, they can enforce it, they have the tools, they just ... choose not to, probably because ultimately it takes expensive people to moderate. https://t.co/zKz8E2tNCi— ml8_ml8 (@ml8_ml8) November 29, 2022
The Guardianの記者であるMarc Burrows氏は「驚くべきことではありません。Twitterは文字通り、新型コロナウイルスの誤情報を取り締まるための専門知識を持ったチームを解雇し、特定の問題に関する2年以上にわたる貴重な組織的知識を放棄しました」と批判。
1) This is quantifiably dangerous
2) It's not surprising. Twitter literally sacked the team that had the expertise to do this and in doing so, gave up over two years of valuable institutional knowledge on this specific issue. https://t.co/czNT8f5WSI— Marc Burrows (@20thcenturymarc) November 29, 2022
また、Twitterが新型コロナウイルス誤情報ポリシーに違反したとして凍結してきたアカウントを、マスク氏が復活させる可能性があるという声もあります。
Twitter's own data shows 11,000 accounts were suspended under the policy and almost 100,000 pieces of content were removed since 2020.
Possibility now of course that Musk will restore many of the suspended/banned accounts.https://t.co/lDyxOxdhkD: pic.twitter.com/vg3lf9IWWF— Donie O'Sullivan (@donie) November 29, 2022
これに対して、「多くの友人や家族が新型コロナウイルスで亡くなるのを見てきた人として、私はファッキューイーロン・マスクと言いたいです。新型コロナウイルスは本物です。これは決してデマではありません。これは何らかの陰謀ではありません。誤情報を信じ込んでしまったり、本物の医療専門家の情報を信じていなかったりしたため、多くの人が死にました」という意見もあります。
As someone who has seen many friends and family die from Covid, I would like to say, FUCK YOU @elonmusk Covid is real. It was never a hoax. It wasn’t some conspiracy. People died from this virus and many more due to misinformation and not believing real medical experts https://t.co/IS2JmQy1oC— Jason Laboy Photography (@JasonLaboyPhoto) November 29, 2022
