【薬剤師監修】薬の服用による副作用が出たときの対処法

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薬には病気を治す作用だけではなく、時には好ましくない副作用と呼ばれる反応が起こることもあります。副作用を防ぐために、薬には用法・用量が決まっています。しかし、薬を飲み過ぎてしまって体調が悪くなってしまった、なんてことを経験した人もいるのではないでしょうか。今回は、そんな副作用発現時の症状について、薬剤師の松田さんに話しを伺いました。

副作用とはどのような症状を指すのか?

編集部

そもそも薬の副作用とはなんのことを指すのですか?

松田さん

好ましくない薬の作用を意味します。例えば、睡眠薬を服用して寝付けるようになったものの、ふらつきが出てしまったり、朝起きにくくなってしまったりする場合があります。この、ふらつきや目覚めの悪さは薬の服用による望ましくない作用、つまり副作用に当たります。

編集部

どういった時に副作用が起こりやすくなるのでしょうか?

松田さん

薬の服用タイミングや、患者さんの服用時の体調、また飲む量が多すぎることで副作用が起こるリスクは高まります。つまり、用法・用量を守らず服用してしまったり、ほかの薬や食べ物との飲み合わせが悪かったりすることで副作用は起こります。ただ、ちゃんと用法・用量を守って服用したとしても、患者さんの体調が優れなかったり、病状の進行によったりして、副作用は起きることがあるのです。

編集部

副作用が出やすい人はどんな人なのでしょうか?

松田さん

お年寄りや小さい子どもは、もともと腎機能や肝機能の低下や未発達により、薬を分解する力が弱いことが多いため、薬による副作用が出やすいと考えられます。そのほかにも、アレルギーを持っている人や、妊婦さんでは免疫力の低下等により、副作用が出やすくなる場合があり、注意が必要です。

副作用の主な症状と対処法について解説

編集部

副作用ではどんな症状が出るのでしょうか?

松田さん

その症状はさまざまですが、代表的なものに、下痢や便秘、吐き気といった消化器症状、眠気、口や喉の渇き感などの中枢神経症状、全身あるいは部分的にぷつぷつと現れる発疹や痒みといった皮膚症状などがあります。

編集部

副作用は薬を飲んでどのくらいで出てきますか?

松田さん

早い場合では、服用後数分以内に現れることがあります。数時間~72時間以内、数週間~1ヶ月以内に現れることもあります。多くは1ヶ月以内に起こるケースがほとんどですので、薬を飲み始めてから1ヶ月間は注意が必要です。

編集部

副作用が出た時の対処法を教えてください。

松田さん

すぐに病院へ行くことが第一ですが、軽い症状であれば、医師や薬剤師に相談の上、自分で対処できるケースもあります。軽い胃症状であれば、コップ半分程度の白湯を飲む、軽い下痢では、バナナやりんごなどのお腹に優しい食べ物をとり、牛乳などの乳製品や刺激の強いものは避ける。下痢の場合は脱水症状を防ぐため、市販のスポーツドリンクやOS-1を服用することもお勧めです。対処しても症状が3日以上続く場合には、早めに病院への受診をお勧めします。

医薬品副作用被害救済制度について

編集部

実際に重大な副作用が起きてしまった場合、救済措置はあるのでしょうか?

松田さん

医薬品副作用被害救済制度というものがあります。薬をちゃんと使っていたのに、副作用により重篤な副作用が起こってしまった際に、医療費や年金として給付を行なってもらえる国の制度です。

編集部

どんな給付をしてもらえるのですか?

松田さん

給付額と請求期間は給付の種類ごとにそれぞれ決められています。

入院が必要な程度の健康被害が生じた場合医療費

医療手当

日常生活に制限が出る程の障害が生じた場合障害年金

障害児養育年金

死亡の場合遺族年金

遺族一時金

葬祭料

編集部

この制度はどうやって利用するのですか?

松田さん

副作用が生じた本人もしくは家族が、PMDA(医薬品医療機器総合機構)に対して直接行うことができます。請求を行う際は、医師の診断書や受診証明書などが必要となりますので準備が必要です。万が一の時に備え、覚えておきましょう。

編集部まとめ

副作用と一言で言っても症状は色々あるんですね。万が一の時に備えて、各症状に対する簡単な対処法は覚えておきたいところです。また、副作用関連について、一度PMDA(医薬品医療機器総合機構)のHPはチェックしておくと良いですね。いざという時、知識があるかないかでできることは大きく変わってきますよね。

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