「目がゴロゴロする」原因はご存知ですか?医師が徹底解説!
目がゴロゴロする時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。
監修医師:
甲斐沼 孟(医師)
著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など多数。
日本外科学会専門医 日本病院総合診療医学会認定医など。
「目がゴロゴロする」症状で考えられる病気と対処法
ほこりなどが眼球に侵入する、あるいはコンタクトレンズやドライアイなどが原因となって、目の中がゴロゴロして、まばたきする度に違和感や異物感を自覚することがあります。
ずっと症状が気になって目頭などを擦ると、炎症やアレルギー反応が引き起こされてより症状が悪化することがあるので注意が必要です。
今回は、「目がゴロゴロする」症状で考えられる病気、対処法や治し方を解説していきます。
目がゴロゴロする症状で考えられる原因と治し方
目がゴロゴロする症状で考えられる原因疾患として、「目の乾燥」が挙げられます。
パソコンなどのモニター画面を長い時間にわたって注視することで目が乾燥しますし、冬場など暖房が効いた室内では目が乾燥しやすいと言われています。
目が乾燥している際には、清潔な手で眼球をきれいな水で洗い流す、あるいは市販の目薬や洗浄液を活用するのもおすすめです。
それでも症状が繰り返す、あるいは目の状態改善が乏しければ、眼科を受診しましょう。
目がゴロゴロして痛い症状で考えられる原因と治し方
目がゴロゴロして痛い症状で原因のひとつとして考えられる疾患として、「逆さまつげ」が挙げられます。
本来であれば、まぶたの外側へ向かって生えているまつげが、内側の眼球側へ向かうことで眼球表面に触れて痛みが生じる可能性がある病気です。
特に症状が強くなければ、経過観察して角膜を保護する点眼薬などを使用します。
目がごろごろして違和感を覚えて、眼球部の痛み症状まで自覚する際には眼科に相談しましょう。
片目だけがゴロゴロする症状で考えられる原因と治し方
片目だけがゴロゴロする症状で考えられる原因疾患として、まぶたの裏側に石が形成される「結膜結石」が挙げられます。
眼瞼部の裏側にカルシウムなどの分泌物が固まって黄色様の結膜結石ができて、結石成分が表面部の角膜組織に当たると目のゴロゴロ感を自覚すると言われています。
治療は症状に応じてステロイド薬や非ステロイド抗炎症薬などが用いられますが、症状が再発する場合が多いので、早期的に眼科を受診することが重要なポイントです。
片目だけがゴロゴロして、充血している症状で考えられる原因と治し方
片目だけがゴロゴロして、目が充血している症状で考えられる原因疾患として、「アレルギー性結膜炎」が挙げられます。
花粉やハウスダスト、動物の毛やコンタクトレンズなどアレルギーの原因となる抗原物質が眼球部に侵入することで目のゴロゴロ感を感じます。
結膜炎には、アレルギー性以外にも細菌性やウイルスによる病気である可能性も考えられるため、自己判断せずに症状が心配であれば眼科を受診して相談しましょう。
まぶたの裏がゴロゴロしてできものがある症状で考えられる原因と治し方
まぶたの裏がゴロゴロしてできものがある症状で考えられる原因疾患として、「ものもらい」が挙げられます。
ものもらいは、瞼の縁や内側にある皮脂腺に黄色ブドウ球菌が感染して眼瞼部の一部が赤く腫れて掻痒感を伴い、まばたきするたびに目の異物感を自覚します。
ものもらいと診断されれば、殺菌効果を有する抗菌薬が含有した目薬や眼軟こう製剤を眼科で処方してもらい、十分な効果が得られない場合には抗菌薬の内服治療が推奨されます。
すぐに病院へ行くべき「目がゴロゴロする」に関する症状
ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。
何かしらかの異物が目に入って取れない、まぶしく感じる状態が続く場合は、眼科へ
普段の生活で特に重大な支障をきたしておらず、多少目の違和感がある程度であればセルフケアで様子を見ることも出来るでしょう。
しかし、目のゴロゴロ感が長く続くのみならず、日常生活において、何かしらかの異物が目に入って取れない(結膜異物あるいは角膜異物)、まぶしく感じる状態が続く場合には長く放置すると症状悪化する懸念がありますので、早急に眼科を受診しましょう。
「目がゴロゴロする」症状が特徴的な病気・疾患
ここではMedical DOC監修医が、「目がゴロゴロする」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
眼瞼炎(がんけんえん)
眼瞼炎が生じる原因としては、眼脂の分泌が過剰となって脂腺が閉塞することで炎症が引き起こされることもありますし、眼瞼部に位置する脂腺や汗腺に細菌感染が合併することで眼瞼炎に発展することも想定されています。
眼瞼炎における治療は、眼瞼部を温かいタオルなどで暖めることで症状の改善が期待できますし、眼瞼部の清潔を保持するために常日頃からまぶたを洗浄することも大切です。
麦粒腫(ものもらい)
ものもらいは、学術的に「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」と呼ばれる眼の疾患であり、主に黄色ブドウ球菌などを代表とする細菌病原体による感染によって引き起こされます。
治療方法は、目の症状が軽度の場合には、抗菌薬成分が含有された目薬を使用します。
仮に、目の腫れが重度である際には、点眼薬に加えて抗生物質など内服する治療を実践します。
結膜炎
結膜炎を引き起こす原因としては、細菌性やウイルス性以外にもアレルギーの原因物質が結膜部分に入りこむことによって眼球部の充血や強い掻痒感を呈するアレルギー性結膜炎が知られています。
アレルギーに関連している抗原要素としては、花粉症やハウスダストが代表的ですが、近年ではコンタクトレンズの汚れ自体が刺激やアレルゲンとなって結膜炎を惹起することも経験されます。
逆さまつげ
逆さまつげは、本来外側に生えているまつげ成分が内側の眼球方向に生えているため、角膜や結膜に直接的に当たって異物感などを引き起こします。
成長するにつれて自然に改善することもあるので、症状が軽度の場合には様子観察することもありますが、成長しても治癒しない場合には眼科で根治的な手術を実践することも考えられます。
ドライアイ
ドライアイになると、角膜組織に必要とされている酸素や栄養成分が不足して、眼精疲労や目の掻痒感、眼球部の充血などをあわせて認められるようになります。
ドライアイによって目がゴロゴロする症状を未然に防ぐためには、まずは普段の生活において目を酷使しないことが重要な観点となります。
パソコン業務を集中して実行している場合には、画面ディスプレイと目の距離をおおむね40cm以上確保する、定期的に休憩時間を設けて遠くの景色を見る、あるいは目を閉じてしっかり休息を持つことが重要です。
「目がゴロゴロする」ときの正しい対処法は?
目がごろごろする際にはコンタクトレンズを着用すると、涙が角膜に十分に行きわたらずに酸素や栄養が不足して眼球部が乾燥することでさらに異物感などの症状を悪化させる懸念がありますので注意しましょう。
マスカラやアイラインなどを始めとするアイメイクに含まれている使用成分が眼球部に入って目がゴロゴロする症状が悪化することもありますので出来る限り控えておきましょう。
ドライアイや眼精疲労に伴う目の症状を自覚している際には、中指と薬指を合わせて、眼球部を囲む骨縁に沿って一周指を滑らせることによって眉間の間のツボを刺激して血行を促進することで症状改善効果が期待できます。
ものもらいなど出来物があって目が充血している際には、基本的には眼帯は必要なく、逆に過剰に眼帯を装着すると眼帯内部で菌が増殖して眼脂が増加することも懸念されているため、どうしても外見などが気になる場合には治療用メガネを付けましょう。
目にゴミや砂などの異物が付着すると、自然と涙が流れて、まばたきを繰り返すうちに、それらの異物が流れ出すことが期待できます。
しばらくしても、異物感や目の痛み症状が続く際には、異物が眼瞼部の裏側に入り込んでいると考えられ、目を無理にこすらずに清潔なガーゼで愛護的にこすって取り除きます。
また、目がごろごろする場合には、瞬きの回数を意識的に増やす、あるいは目を休息させる時間を設ける以外にホットタオルなどの温かいタオルを用いて10分程度目の周囲を温めると血行が促進されて目の症状を改善できる可能性があります。
ドライアイにおすすめの食材として、DHAやEPAが豊富に含まれている青魚や、眼球粘膜に対して抗酸化作用を発揮するビタミン成分を多く含むナッツ類がお勧めです。
日常的なセルフケアを含む応急処置をしても目の症状が収まらない場合には、目の炎症状態を放置すると様々な眼疾患を合併して、深刻な視力障害を呈する恐れもあります。速やかに眼科を検診して目の状態を確認してもらいましょう。
「目がゴロゴロする」症状におすすめの市販目薬は?
ドライアイなどによる目がごろごろする症状を緩和させるために、市販の目薬などを定期的に使用することが効果的であると認識されており、症状を緩和させる市販目薬の一例としては防腐剤不使用の人工涙液などが挙げられます。
これらの市販目薬は、減少した涙成分を補給できるために有効的に働くと考えられており、目安としては1日あたり5回前後点眼しましょう。
また、目がごろごろする際に目を洗浄する場合には、できるだけ水道水ではなく眼球をきれいに洗い流すためにウェルウオッシュやアイボンの洗浄液を用いることをお勧めします。
「目がゴロゴロする」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「目がゴロゴロする」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
目がゴロゴロして違和感があるのは放置しても大丈夫ですか?
甲斐沼 孟(医師)
目が乾燥している可能性があるため症状を放置せずに、目を綺麗に洗う、あるいは乾燥空間にならないように空調の向きや部屋の湿度に注意するように努めましょう。
目に異物感がしてゴロゴロするときはどうすればいいですか?
甲斐沼 孟(医師)
まずは、清潔にして用手的にまぶたを裏返して、異物が確認できて取り除けそうなら優しく除去しましょう。それでも症状が改善しない際には、目を水で繰り返して洗い流す、あるいは市販の洗眼液を購入して活用することもお勧めします。
ずっと片目だけゴロゴロした感じがするのは何が原因でしょうか?
甲斐沼 孟(医師)
片目だけごろごろするのは、結膜結石が考えられます。結膜結石成分が巨大化すると、眼球表面に結石が露出して疼痛症状を自覚することがありますので、心配であれば眼科を受診してください。
コンタクトレンズで目がゴロゴロする原因と対処法を教えてください。
甲斐沼 孟(医師)
コンタクトレンズが汚れているために、目がゴロゴロした違和感を自覚している可能性があります。普段からの不適切なレンズケアなどによってレンズの汚れを招きますので、人工涙液などを用いてレンズに付着しているゴミを洗い流しましょう。
まとめ
目のゴロゴロ感や異物感は誰しもが過去に経験したことのある症状だと思います。
目のゴロゴロ感を自覚した際には、無理に取り除こうと目をごしごしと擦過すると、かえって角膜に傷がついて症状が悪化して合併症を引き起こす危険性もありますので、適切な対処法で改善するように心がけましょう。
今回の記事情報が少しでも参考になれば幸いです。
「目がゴロゴロする」で考えられる病気と特徴
「目がゴロゴロする」から医師が考えられる病気は11個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
眼科の病気
ドライアイものもらい結膜結石
アレルギー性結膜炎逆さまつげ
眼瞼炎結膜異物
角膜異物電気性眼炎、雪眼炎
翼状片麦粒腫(ものもらい)
市販の目薬などで目を洗浄して治るようであれば様子をみても良いかもしれませんが、症状が変わらない場合には一度眼科を受診することをお勧めします。
「目がゴロゴロする」と関連のある症状
「目がゴロゴロする」と関連している、似ている症状は10個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
関連する症状
目が痛いめばちこ目が赤いまぶたの腫れまぶたの裏白いできもの涙が止まらない目の充血目がチカチカする目がかすむ
目が見えにくい
「目がゴロゴロする」他に、これらの症状が見られる際は、「ものもらい」「逆さまつげ」「眼瞼炎」「結膜結石」などの疾患の可能性が考えられます。何かしらの異物が目に入って取れない場合や、まぶしく感じる状態が続く場合は、早めに医療機関へ受診しましょう。
【参考文献】・ものもらい(麦粒腫)の原因・治し方 【医師監修】 ものもらいはうつる?(病院なび)