2022年9月23日に発売されたAppleのノイズキャンセリング機能付きワイヤレスイヤホン「AirPods Pro(第2世代)」は、「探す」機能でping音を鳴らせるスピーカーやストラップ取り付け用のストラップループを新しく搭載しました。この充電ケースのストラップループが、実はアンテナとしても機能していると指摘されています。

CT Teardown: AirPods Pro (2nd Generation)

https://www.lumafield.com/article/virtual-teardown-apple-airpods-pro-2nd-generation

New AirPods Pro charging case lanyard loop doubles as antenna?

https://www.idownloadblog.com/2022/09/27/airpods-pro-lanyard-loop-antenna/

第2世代AirPods Proがどんなイヤホンなのかは以下の記事にまとめられています。

第2世代「AirPods Pro」速攻フォトレビュー、第1世代AirPods Proから何が変わったのか? - GIGAZINE



iPhoneやiPadなど、Apple製品は「探す」機能を使ってデバイスの位置を高い精度で調べることができます。この「探す」機能はBluetoothとiCloudを利用したロケーショントラッキングシステムで、Apple端末同士でネットワークを構築してデバイスのBluetoothビーコンを監視するという仕組み。具体的にどういう仕組みなのかは以下の記事を読むとよくわかります。

Appleが発表したオフラインの端末でも位置を突き止められる「Find My」機能の仕組みとは? - GIGAZINE



このAirPods Proの充電ケースは分解するのが非常に困難ですが、非破壊検査企業のLumafieldが産業用CTスキャナーを使って、第2世代AirPods Proの充電ケースの内部を調査しました。

以下がAirPods Proの第1世代(左)と第2世代(右)のスキャン画像を並べたもの。見比べても中身はほとんど変わっていませんが、イヤホン本体を差し込む充電ポートの底に磁石が追加されているとのこと。また、第2世代はApple Watch用のMagSafe充電器に対応したことで、ケース中央にも磁石が追加されています。



そして、ストラップループ周辺のスキャン画像が以下。よく見ると金属製のストラップループから内部基板に向かってケーブルが伸びているのが見えます。



Lumafieldは、このケーブルは「ストラップループが『探す』機能をサポートするためのアンテナとして機能することを示している」と推測しています。第2世代AirPods Proには座標計測精度が誤差数cmレベルというU1チップが搭載されています。このU1チップによって「探す」機能への対応も強化されたわけですが、さらにストラップループをアンテナにすることで、Bluetoothの送受信感度が高まり、より見つけやすくなると期待できます。

Apple製品関連を扱うブログ・iDBは「この非常にスマートでクールなエンジニアリングを提供してくれたAppleに敬意を表します」とコメントしました。