村上宗隆(写真:AP/アフロ)

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ヤクルト・村上宗隆がスランプから抜け出せない。

日本人最多の56本塁打、令和初の三冠王に向けてメディアの注目が高まっているが、2022年9月29日の広島戦(マツダ)で約1か月ぶりの1試合3三振を喫するなど5打数1安打。53打席ノーアーチとなり、王貞治氏の日本人最多タイ記録に並ぶ55号をマークした13日の巨人戦(神宮)から2週間以上遠ざかっている。

三冠王にも黄信号が

「直球に振り遅れ、変化球にも崩されている。こんなに状態が悪い村上はシーズンを通じて見たことがない。疲労がたまっているでしょうし、本塁打を打ちたいという焦りもあると思います。

原因は複合的だと思いますが、心配なのは今後の短期決戦です。ペナントレースの先にCS、日本シリーズが控えていますが、今の状態では厳しい。何かきっかけをつかまないと、どん底から抜け出せない感じがします」(民放のテレビ関係者)

相手バッテリーのマークが厳しくなっているのは間違いないが、甘い球をファウルや空振りにするなど以前はスタンドに運んでいた球を仕留められない打席が目立つ。体の開きが早くなり、引っ掛けた打球が多いのも気になる。本塁打が出ないだけでなく、安打も出ないことで三冠王も危うくなっている。わずか2週間で打率.337から.317まで下降。2位の中日・大島洋平が打率.314と3厘差で追いかけている。

「もう開き直るしかないと思います」

ホームランバッターが好不調の波が激しいのは決して珍しいことではない。ただ、今季の村上を見るとその壁を乗り越えたように見えた。打撃フォームが崩れることが皆無に近く、安打が出ない時も微調整してスランプが短かった。

シーズン終盤に向けて予想外の打撃不振だが、残り3試合で状況が好転する可能性は十分にある。

「もう開き直るしかないと思います。まだ22歳と若いですし、これからも本塁打記録に挑戦するシーズンがあるでしょう。日本記録の56本塁打を打てなくても、三冠王を獲得すれば大きな自信につながり、精神的な負担から解放される。ヤクルトが球団史上初の2年連続日本一を達成するために、村上の復調は不可欠です。十分に頑張っているので気負わないでほしいですね」(スポーツ紙デスク)

球界NO.1スラッガーは、復調できるか。(中町顕吾)