第21回「日本鉄道賞」はHC85系に 特別賞は運賃の取り組みに 国交省
ハイブリッドで国内最速、すごいですよね!
特別賞は計3つ
JR東海の新型気動車 特急形HC85系。2022年、日本鉄道賞を受賞(画像:日本車両)。
国土交通省が2022年9月12日(月)、第21回「日本鉄道賞」の受賞者を発表しました。
「日本鉄道賞」とは、鉄道に関する優れた取り組みに対して表彰するものです。応募者よりオンラインでのヒアリングを行い、改めて各委員が評価・議論のうえ、選考を行い、受賞者を決定します。受賞者は以下の通りです。
○日本鉄道賞
【JR東海】飛騨・南紀の魅力も満載 国内最速 新型ハイブリッド車「HC85系」
選考理由:
内燃機関を1両あたり1台としながら、ハイブリッド方式で国内最速120km/h走行を実現する特急車両は、従来比で燃費35%向上、CO2排出量3割、NOx排出量4割の削減という環境負荷改善とともに、車内外静粛性や快適性・乗り心地の向上が顕著である。さらに内装では沿線地域の伝統工芸品の展示、バリアフリー設備の充実など、飛騨および南紀などの美しい地方鉄路の旅を楽しむ車両として、快適な旅客サービスを提供するための優れた工夫が見られる。以上より、鉄道開業150年を祝う年の大賞としてふさわしい取り組みであると判断した。
○日本鉄道賞表彰選考委員会による特別賞「先進技術開発」特別賞
【JR東日本】水素ハイブリッド電車「HYBARI」の開発 〜日本初の水素をエネルギーとする鉄道車両〜
選考理由:
近年地球環境への関心が高まる中で、カーボンニュートラルの切り札として、CO2を排出せずに水素と大気中の酸素によって電気を発生させることのできる燃料電池に注目が集まっている。鉄道においても自動車の技術と連携し、水素による燃料電池と蓄電池の電気でモーターを駆動して走行する水素ハイブリッド電車「HYBARI(ひばり)」の本線走行試験に、鉄道150年という節目にあたる2022年から着手した。実用化されれば、非電化区間において送電設備を必要とせずに電化することが可能となり、化石燃料からの脱却によるエネルギーの大変革をもたらすものであること、来るべき水素社会への実現に大きく寄与するものであることから、本事業を高く評価した。
このほか、特別賞を受賞した取り組みは2つです。
○日本鉄道賞表彰選考委員会による特別賞「未来を担うお子さまにエールを! 子どもの成長を“見守る”子育て支援」特別賞
【小田急電鉄】全国初「小児IC運賃を全区間一律50円化」〜子育てしやすい小田急沿線の実現に向けて〜
○日本鉄道賞表彰選考委員会による特別賞「列車混雑率のリアルタイムで高精度の見える化技術」特別賞
【東京メトロ】列車混雑計測システム 〜鉄道業界初!デプスカメラと人工知能(AI)を用いて列車内の混雑率を号車ごとにリアルタイム算出〜
なお選考委員は、次のメンバーです(五十音順、敬称略)。
菪井 貴志((有)マシマ・レイルウェイ・ピクチャーズ会長)
委員長 古関 隆章(東京大学大学院工学系研究科教授)
久野 知美(フリーアナウンサー/タレント)
竹内 健蔵(東京女子大学現代教養学部国際社会学科教授)
綱島 均(日本大学生産工学部機械工学科教授)
中村 直美((株)交通新聞社 常務取締役)
原潔((一社)交通環境整備ネットワーク代表理事)
上原 淳(国土交通省鉄道局長)