101年前の9月2日、阪急今津線が「西宝線」として開業しました。

神戸方面から宝塚へのアクセス図る


西宮北口駅で平面交差していた阪急今津線と神戸線(画像:西宮市)。

 今から101年前の1921(大正10)年9月2日。現在の阪急今津線の宝塚〜西宮北口が「西宝線」として開業しました。

 阪急として最古の路線である宝塚線・箕面線は、箕面有馬電気軌道によって計画され、路線免許が取得されました。そのルートは宝塚からさらに南へ回り込んで西宮方面へ南下していくものになっており、これが今津線の原型と言えます。

 箕面有馬電気軌道は1910(明治43)年に宝塚線・箕面線を開業したあと、宝塚の行楽施設や沿線宅地の開発により順風満帆な経営を送っていました。しかし今度は、神戸へ鉄道を伸ばす野望を掲げます。社名も「阪神急行電鉄」とし、1920(大正9)年には神戸市内までを開業。同時に宝塚と神戸線をむすぶ路線建設にも着手し、きょう開業を迎えたのです。

 その後1926(大正15)年には西宮北口駅から神戸線の線路を横断してさらに南下し、阪神本線まで延伸開業。阪神との接続部には互いに「今津駅」が設置されました。この時に阪急の路線名は「今津線」になっています。

 新興住宅地と文教地区として沿線は発展を遂げ、途中の甲東園駅や逆瀬川駅は1日あたり2万人近くが乗降しています(2021年統計)。

 西宮北口駅の平面交差は時代とともにダイヤの障害となり、1984(昭和59)年に廃止。今津線は北線と南線に分断されることになりました。