試合後の取材に応じたエンゼルス・大谷翔平【写真:盆子原浩二】

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「終わった後に、どんなシーズンかを振り返れば」

エンゼルス 5ー1 アスレチックス(日本時間10日・オークランド)

 エンゼルス大谷翔平投手は9日(日本時間10日)、敵地・アスレチックス戦でメジャー初の10勝目を挙げた。「2番・投手兼DH」で投打同時出場し、6回5奪三振3四球、4安打無失点と好投。打っては7回にダメ押し25号ソロを放った。両リーグでは1918年ベーブ・ルース(当時レッドソックス)以来104年ぶりの2桁勝利&2桁本塁打の偉業を達成した。

「光栄なことだなと思いますけど、シーズン中は自分の数字がどういう印象なのか、あまり分からないものかなと思う。終わった後に、どんなシーズンだったかを振り返ればと思います」。試合後、ヒーローは淡々と振り返った。

 激痛アクシデントは1点リードの3回2死一塁だった。三塁、ラウレアーノの強烈なピッチャー返しが左足に直撃した。打球速度101.8マイル(約163.8キロ)。素早く打球処理して投ゴロとしたが、苦悶の表情を浮かべた。左足を引きずってダグアウトへ。その後ファウルゾーンをダッシュして患部を確認。続投してゼロを並べた。

「結構、まともに当たったので。(続投は)しんどいかなと思いましたけど、なんとか集中して、なるべく多く投げられたかなと思います」。3回先頭ではブライドを空振り三振に仕留め、日米通算1000奪三振(NPBで624K、MLBで376K)をマーク。プロ通算10年目での大台到達となった。メジャー5年目でキャリアハイのシーズン157奪三振まで伸ばした。

 バットでは7回先頭、左腕・セルマンから5試合ぶりの25号ソロ。ダメ押し点を自ら生み出した。メジャー通算118本塁打とし、イチローを抜いて日本人歴代2位に浮上。「タイプ的な違いはあると思いますけど、そういう選手に一部の記録でも超えられて光栄ですし、もっともっと打ちたいなと思います」と喜んだ。

 昨季は10勝目へ王手をかけてから3試合足踏み。今季は4度目の挑戦だった。「いいピッチングをしていれば必ずチャンスはあるかなと思っていた。先制点をとって、いい流れでいけた。こういう試合を多くできたらなと思います」。1世紀以上も前の記録を掘り返したが、「単純に2つやっている人がいなかっただけかなと思うので。もしかしたら普通の数字かもしれないですし」と、冷静に振り返っていた。(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)