鮭や鱒、サンマやウナギ、はたまたサンゴの調査まで。

北太平洋での水産資源調査などに従事予定

 三菱重工は2022年7月8日、水産庁向けの漁業調査船「開洋丸」の命名・進水式を、岡山県玉野市にあるグループ会社、三菱重工マリタイムシステムズ玉野本社工場において実施したと発表しました。


水産庁向けの漁業調査船「開洋丸」命名・進水式の様子(画像:三菱重工)。

 本船は、1991(平成3)年に竣工した現用「開洋丸」(総トン数2630トン)の後継として計画・建造された船です。現「開洋丸」が担っている、水産生物の的確な資源調査、有用水産資源の開発、資源動向に影響を与える海洋環境の調査などといった業務を引き継ぎ、国際海域で季節を問わず、高精度かつ確実な水産資源の調査を行うことを目的に、「調査能力の維持・強化」「長期航海にも適応する居住環境の確保」「操船システムの自動化・省力化・高度情報化」が実現できるように設計されてます。

 また、保守整備が容易におこなえるような機器構成・構造となっているのも特徴として挙げられています。

 船体サイズは全長約87.55m、全幅約14.0m、深さ約6.4m、総トン数は2512トンで、定員は53名(職員15名、部員18名、その他20名)とのこと。主機関は4サイクル中速ディーゼル機関・過給機付き(約2207kW)2基で、これにより航海速力15ノット(約27.78km/h)以上、航続距離約1万2000海里(約2万2224km)という性能を持っています。

 本船は今後、船体・機関・電気などの艤装工事や試運転などを行ったのち、水産庁に引き渡される予定で、同庁では漁業調査におけるフラッグシップとして、北太平洋における水産資源や海洋環境の調査などに従事する予定です。

 なお、今回の命名・進水式は、三井E&S造船株式会社の艦艇・官公庁船事業を承継した新事業会社である三菱重工マリタイムシステムズにとって、2021年10月の神戸大学向け多機能練習船「海神丸」に次いで2回目になるとしています。