【戸塚啓コラム】夏の移籍ウインドーで驚きをもたらせる選手は誰か
Jリーグの第2登録期間が、7月15日にオープンする。移籍ウインドーとも呼ばれるシーズン中の登録期間を前に、各チームは補強に動いている。
J1では最下位に低迷するヴィッセル神戸が、FWステファン・ムゴシャを獲得した。6月30日にクラブから発表されており、入国後は所定の待機措置を経てチームへ合流することになっている。ムゴシャは188センチ、81キロのストライカーで、現役のモンテネグロ代表だ。6月のネーションズリーグにも招集され、ルーマニア戦でハットトリックを達成している。空中戦に強いポストプレーヤーで、Jリーグでは制空権を確実に掌握しそうだ。
神戸と勝点3差で17位の清水エスパルスも、新たな外国籍選手を求めているようだ。すでに元日本代表FW北川航也をラピド・ウィーンから買い戻しているが、ブラジルで選手の獲得に動いている。MFヤーゴ・ピカチュウの獲得はほぼ確実、と報じられている。
清水にはDFヴァウド、MFホナウド、ヘナト・アウグスト、ベンジャミン・コロリ、FWチアゴ・サンタナ、カルリーニョス・ジュニオ、オ・セフンと、6人の外国籍選手を抱えている。6月中旬から指揮を執るゼ・リカルド監督は、それでもなお新たな選手を求めているようだ。
清水と勝点4差で13位のガンバ大阪は、鈴木武蔵の獲得にこぎ着けた。28歳の元日本代表FWには国内外の複数クラブが興味を示していたが、得点力不足に悩むG大阪がその答えを得た。
夏の移籍ウインドーでは、J2で活躍している選手をJ1のクラブが引き抜くケースがある。19年には7月までに15ゴールをあげた鈴木孝司(現アルビレックス新潟)が、セレッソ大阪へ引き抜かれた。昨夏の移籍ウインドーでは、J2昇格1年目のブラウブリッツ秋田のDF鈴木準弥が、FC東京へ完全移籍した。サイドバックにケガ人が多く出たことによる緊急補強だった。
今シーズンなら小川航基(横浜FC)が得点を量産している。10節までに10ゴールを叩き出す好スタートを切り、24節終了時点で得点ランキング首位の15ゴールを記録している。シーズン最多は20年の9得点だから、キャリアハイを更新中だ。
小川がプレーする横浜FCは、3−4−2−1のシステムを採用する。24歳のストライカーは1トップと2シャドーの一角で起用されており、プレーの幅を広げている。得意のヘディングシュートだけでなく、背後へ抜け出しての左足シュートや右足ミドルなど、様々な形からゴールネットを揺らしている。ディフェンスにも献身的だ。
そもそもJ1のクオリティを持った選手である。即戦力のFWが欲しいチームには魅力的だ。
もっとも、J2リーグで首位を走る横浜FCにとって、小川は得点源として欠かせない。小川自身も横浜FCでのプレーに集中している。移籍が実現する可能性は、率直に言って低い。
J2の得点ランク上位の選手では、木下康介(水戸ホーリーホック)と佐藤凌我(東京ヴェルディ)が小川に次ぐ2位タイの9得点だ。
木下は横浜FCの下部組織からドイツへ渡り、スウェーデン、ベルギー、ノルウェーのクラブを渡り歩いて21年に浦和入りした。浦和ではわずか2試合の出場に終わり、水戸に完全移籍した。
秋葉忠宏監督がアグレッシブなサッカーを展開する水戸では、2トップの一角を担っている。190センチの長身でありながら足元のプレーが柔らかく、ドリブルにスピード感がある。J1でもできるのでは、と思わせる選手だ。
佐藤は大卒1年目の昨シーズン、得点ランク7位の13ゴールを叩き出した。2年目の今シーズンもコンスタントに得点をあげている。ゴール前で得点できる場所へ入り込む「嗅覚」を持った選手だ。6月22日に行なわれた天皇杯3回戦では、川崎フロンターレ相手に豪快な右足ミドルを叩き込み、1対0の勝利の立役者となった。
昨オフの時点で、佐藤に興味を示したJ1のクラブがあったと聞く。佐藤自身はJ1へ行くだけでなく、しっかりと活躍できる地力を蓄え、来るべきタイミングを探っているのだろう。客観的な印象としては、今夏の移籍も驚きではない。
J2からJ1へ個人昇格したり、所属元へ復帰したりした選手が、いまひとつ出場機会をつかめていないケースがある。昨シーズンのJ2で印象的なパフォーマンスを見せた知念哲矢、松崎快(いずれも浦和レッズ)、吉尾海夏、樺山諒乃介(いずれも横浜FM)、郄橋大悟(いずれも清水エスパルス)、上門知樹(セレッソ大阪)、川村拓夢(サンフレッチェ広島)らは、J2のクラブはもちろんJ1の他クラブでも活躍できる可能性を秘めている。
各クラブの選手リストにプレータイムを照らし合わせると、「環境さえ変われば、もっとできるのでは」と思わせる選手が少なくない。今夏の移籍ウインドーで新天地を求め、ファン・サポーターに「こんな選手がいたのか」といった驚きをもたらす選手が登場すると、Jリーグがさらに盛り上がると思うのだ。
J1では最下位に低迷するヴィッセル神戸が、FWステファン・ムゴシャを獲得した。6月30日にクラブから発表されており、入国後は所定の待機措置を経てチームへ合流することになっている。ムゴシャは188センチ、81キロのストライカーで、現役のモンテネグロ代表だ。6月のネーションズリーグにも招集され、ルーマニア戦でハットトリックを達成している。空中戦に強いポストプレーヤーで、Jリーグでは制空権を確実に掌握しそうだ。
清水にはDFヴァウド、MFホナウド、ヘナト・アウグスト、ベンジャミン・コロリ、FWチアゴ・サンタナ、カルリーニョス・ジュニオ、オ・セフンと、6人の外国籍選手を抱えている。6月中旬から指揮を執るゼ・リカルド監督は、それでもなお新たな選手を求めているようだ。
清水と勝点4差で13位のガンバ大阪は、鈴木武蔵の獲得にこぎ着けた。28歳の元日本代表FWには国内外の複数クラブが興味を示していたが、得点力不足に悩むG大阪がその答えを得た。
夏の移籍ウインドーでは、J2で活躍している選手をJ1のクラブが引き抜くケースがある。19年には7月までに15ゴールをあげた鈴木孝司(現アルビレックス新潟)が、セレッソ大阪へ引き抜かれた。昨夏の移籍ウインドーでは、J2昇格1年目のブラウブリッツ秋田のDF鈴木準弥が、FC東京へ完全移籍した。サイドバックにケガ人が多く出たことによる緊急補強だった。
今シーズンなら小川航基(横浜FC)が得点を量産している。10節までに10ゴールを叩き出す好スタートを切り、24節終了時点で得点ランキング首位の15ゴールを記録している。シーズン最多は20年の9得点だから、キャリアハイを更新中だ。
小川がプレーする横浜FCは、3−4−2−1のシステムを採用する。24歳のストライカーは1トップと2シャドーの一角で起用されており、プレーの幅を広げている。得意のヘディングシュートだけでなく、背後へ抜け出しての左足シュートや右足ミドルなど、様々な形からゴールネットを揺らしている。ディフェンスにも献身的だ。
そもそもJ1のクオリティを持った選手である。即戦力のFWが欲しいチームには魅力的だ。
もっとも、J2リーグで首位を走る横浜FCにとって、小川は得点源として欠かせない。小川自身も横浜FCでのプレーに集中している。移籍が実現する可能性は、率直に言って低い。
J2の得点ランク上位の選手では、木下康介(水戸ホーリーホック)と佐藤凌我(東京ヴェルディ)が小川に次ぐ2位タイの9得点だ。
木下は横浜FCの下部組織からドイツへ渡り、スウェーデン、ベルギー、ノルウェーのクラブを渡り歩いて21年に浦和入りした。浦和ではわずか2試合の出場に終わり、水戸に完全移籍した。
秋葉忠宏監督がアグレッシブなサッカーを展開する水戸では、2トップの一角を担っている。190センチの長身でありながら足元のプレーが柔らかく、ドリブルにスピード感がある。J1でもできるのでは、と思わせる選手だ。
佐藤は大卒1年目の昨シーズン、得点ランク7位の13ゴールを叩き出した。2年目の今シーズンもコンスタントに得点をあげている。ゴール前で得点できる場所へ入り込む「嗅覚」を持った選手だ。6月22日に行なわれた天皇杯3回戦では、川崎フロンターレ相手に豪快な右足ミドルを叩き込み、1対0の勝利の立役者となった。
昨オフの時点で、佐藤に興味を示したJ1のクラブがあったと聞く。佐藤自身はJ1へ行くだけでなく、しっかりと活躍できる地力を蓄え、来るべきタイミングを探っているのだろう。客観的な印象としては、今夏の移籍も驚きではない。
J2からJ1へ個人昇格したり、所属元へ復帰したりした選手が、いまひとつ出場機会をつかめていないケースがある。昨シーズンのJ2で印象的なパフォーマンスを見せた知念哲矢、松崎快(いずれも浦和レッズ)、吉尾海夏、樺山諒乃介(いずれも横浜FM)、郄橋大悟(いずれも清水エスパルス)、上門知樹(セレッソ大阪)、川村拓夢(サンフレッチェ広島)らは、J2のクラブはもちろんJ1の他クラブでも活躍できる可能性を秘めている。
各クラブの選手リストにプレータイムを照らし合わせると、「環境さえ変われば、もっとできるのでは」と思わせる選手が少なくない。今夏の移籍ウインドーで新天地を求め、ファン・サポーターに「こんな選手がいたのか」といった驚きをもたらす選手が登場すると、Jリーグがさらに盛り上がると思うのだ。

1968年生まれ。'91年から'98年まで『サッカーダイジェスト』編集部に所属。'98年秋よりフリーに。2000年3月より、日本代表の国際Aマッチを連続して取材している