エフゲニー・プルシェンコ氏は決定を支持【写真:Getty Images】

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ISUは2026年五輪までに段階的な年齢制限引き上げを発表

 フィギュアスケートのシニア大会の年齢制限が15歳から17歳以上に段階的に引き上げられることについて、トリノ五輪金メダリスト、エフゲニー・プルシェンコ氏(ロシア)は決定を支持すると語ったようだ。背景には若くして競技から距離を置く母国の選手たちの存在があるようで「女子スケーターたちのスポーツ人生を伸ばしたい」などとロシアメディアに語っている。

 国際スケート連盟(ISU)は今月の総会で、年齢制限を2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪までに現在の15歳から段階的に17歳まで引き上げることを決定。2022-23年シーズンは15歳のまま、23-24年は16歳、24-25年以降は17歳となる。

 ロシアメディア「sportrbc.ru」は、「プルシェンコ氏が女子スケーターにとって年齢制限の引き上げは正しいと評した」との見出しで記事を掲載。トリノ五輪男子シングルで金メダルを獲得し、現在は母国で指導者としても活動するプルシェンコ氏が同国メディア「マッチTV」に語った内容を紹介している。

 プルシェンコ氏は「ISUが年齢制限を引き上げたのはとても素晴らしいことです」と決定を支持。その理由については「我々の女子スケーターたちは15歳(前後)でキャリアを終えますが、その場合どこに戦いが、どこに克服があるのでしょうか?」と、若くして競技を引退した選手たちが活躍、技術の向上を図る舞台が無くなってしまうことを危惧している様子だ。

北京で銀獲得のトルソワは「私は自分とのみ競争します」

 プルシェンコ氏は続けて「もちろん、女子スケーターは体重が増え身長が伸びますが、もしそれを克服すればどうでしょう? 例えば、私たちのレジェンド、エリザベータ・トゥクタミシェワは25歳で素晴らしい状態で滑り続け、トリプルアクセルや4回転ジャンプを跳びます。我々の女子スケーターたちのスポーツ人生を延ばしたいです」と語っている。

 特にロシアでは若くして活躍する女子選手が増えているが、一方で身長や体型の変化によって苦しみ、新たな若い選手との競争に打ち勝てなくなる選手の存在も指摘される。プルシェンコ氏はトゥクタミシェワのように、年齢を重ねても第一線で活躍する選手が増えることを祈っているようだ。

 また「sportrbc.ru」は「トルソワが新しい年齢制限を『規定は私には関係ない』という言葉で評した」との見出しで、北京五輪の女子シングル銀メダリスト、アレクサンドラ・トルソワのコメントを紹介した記事も掲載している。

 6月23日で18歳になるトルソワ。年齢制限について尋ねられた際には「私は自分とのみ競争します。規定は私には関係ありません、私は現時点の規定に従って演技します」と語ったという。

(THE ANSWER編集部)