天ぷらとか焼きそばとか、そっち系の匂いでした!

濃度100%のバイオディーゼル燃料を使用

 JAL(日本航空)が成田空港に配備している、航空貨物や利用者手荷物の運送用コンテナを牽引する車両「トーイングトラクター」。この1台を用いて、とある実証実験が2022年5月から始まっています。同車両は緑のシールが貼られているほか、揚げ物や肉を焼くときのような「おいしいそうな匂い」の排気ガスを放つのが特徴です。


JAL「濃度100%バイオディーゼル燃料使用」実証実験の様子(2022年6月10日、乗りものニュース編集部撮影)。

 このJALのトーイングトラクターの燃料には、既存の軽油の代わりに、豊田通商が供給する使用済みの食用油・植物油を原料とする「濃度100%のバイオディーゼル燃料(軽油代替燃料)」が使用され、運用されています。先出の「おいしいそうな匂い」は、この燃料が食用油を原料としているがゆえだったのです。

 この実証実験は、JALの空港車両のCO2排出量削減に向けた取り組みのひとつ。濃度100%のバイオディーゼル燃料を用いることで、1年間で1台当たり6トンのCO2排出量削減効果があると試算しているとのことです。

 このたびの実証実験では、濃度100%のバイオディーゼル燃料の使用によって、車体にどのような影響を及ぼすかを確認するほか、ハンドリング上に問題がないかなどがテストされます。期間は2023年3月いっぱいまでです。