いま東急で一番古い電車は8500系ではない!? 「年上の後輩」とは
東急田園都市線で最後の1本となった8500系は、東急電鉄で最も古い現役の電車です。しかし、それは車両を8000系グループと捉えた場合。実はさらに古い車両があるのです。
8000系グループの次形式は9000系だが…
2022年6月現在、東急電鉄で最も古い電車は、田園都市線で使われつつも最後の1本となった8500系電車です。その編成番号は「8637」。8500系は、東横線などへ導入された8000系電車をマイナーチェンジし、新玉川線(現・渋谷〜二子玉川)と営団地下鉄半蔵門線の乗り入れ用とした車両です。1975(昭和50)年に登場し、一時は東急電鉄で最多を誇る400両が在籍しました。
2022年6月現在、東急8500系電車が最も古いかと思いきや、実はそうではない(2019年5月、草町義和撮影)。
ただし、冒頭で述べた「最も古い」というのは、8500系をひとつのグループとして捉えた場合のこと。8500系は1991(平成3)年まで製造されたため、同じ形式でも最新と最古とでは16年の差があるわけです。現に、最後の1本となった8637編成は(編成を構成する最も古い車両で)1986(昭和61)年9月製で、8500系の中でも後期の編成といえるでしょう。
そして8000系グループの次に登場した車両が9000系電車です。登場は1986年。この9000系の量産先行車に、大井町線で使われている9001編成があります。製造年は1986年2月なので、先輩である8637編成よりも半年あまり「年上」であり、同車から見て9001編成はさしずめ「年上の後輩」にあたります。
半蔵門線の延伸や、田園都市線の沿線人口増加に伴い増備が続けられた8500系と、東横線・大井町線を走る旧型車両の置き換え目的で導入された9000系。昭和から平成にかけての頃、両者は同時に製造された時期があるのです。
ちなみに9001編成は当初、東横線に投入されましたが、保安装置更新にかかる工場入場などで大井町線の編成数が不足した際など、ピンチヒッターとして何度も同線に貸し出されました。正式に大井町線所属となるのは2013(平成25)年3月、東横線が東京メトロ副都心線との相互直通運転を開始し、東横線から引退した時でした。