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長く続いたコロナ禍もようやく収束の方向が見え、世界は落ち着きを取り戻しつつある。海外旅行が以前のように手軽になるにはもう少し時間がかかりそうだが、国内旅行は通常に戻ったと考えていいだろう。しかしこの2年の間に、日本経済は大きな打撃を受けた。とりわけ、海外からの観光客を失った観光産業のダメージは計り知れないものだった。だがだからこそ、観光産業の復活は日本経済復活への強いトリガーになるはずだ。日本を代表するマーケターであり、『苦しかったときの話をしようか』の著者としても知られる森岡毅氏は、「沖縄をハワイを超える世界的リゾートにしたい」という夢を持って立ち上がった。(取材/ダイヤモンド社・亀井史夫)

沖縄はハワイを超える世界一のリゾートになれる

――2022年3月、森岡毅氏率いる株式会社刀は、沖縄県のブランド力を高めるために沖縄県と連携協定を締結した。刀のマーケティング力を駆使し、沖縄を世界から選ばれる持続可能な観光立国、日本の要にすることが目的である。

 刀と沖縄の地元企業とで発足させた準備会社ジャパンエンターテイメントは、沖縄本島北部で亜熱帯の自然を活かしたテーマパークの計画を進めている。現在は環境アセスメントの最終段階だが、名護市と今帰仁村の間に位置するゴルフ場跡地を舞台に、2025年の開業を目指している。

 沖縄におけるテーマパーク開発は、森岡氏がユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)時代に挫折した事業でもあり、森岡氏の生涯をかけた悲願と言っても過言ではない。

森岡毅(以下、森岡) 「沖縄は、透明度の高い美しい海と豊かな森林自然を持った世界でも有数のリゾートです。しかも地政学的に唯一無二の奇跡の場所と言っていい。爆発的に経済力や人口が増加するアジアのど真ん中に位置しているのです。沖縄から空路で4時間以内の地域には、なんと20億人が住んでいる。その中に含まれる富裕層の数もどんどん増えています。同じ条件でハワイから空路4時間の地域を囲んだら、イルカしか住んでいないのですよ。しかし沖縄の観光開発はまだまだ進んでいません。

 例えば本島北部には「美ら海水族館」という素晴らしい施設がありますが、それ以外にはこれといって観光の目玉がない。だから我々はそこにやんばるの大自然を楽しめるテーマパークを造って、お客様がより長く滞在できるようにしたい。より沖縄を楽しみ、気持ちよくお金を使ってほしい。テーマパークだけで全てが変わる訳ではありませんが、それにつながる宿泊・飲食・物販などの産業が活性化する引き金にはなります。ハイブランドのホテルなど、ナイトライフが充実するように開発していけば、滞在客が使う金額ももっともっと大きくなります。地元の雇用は拡大し、県民所得も上がり、インフラも便利に整備されていくでしょう」

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