家づくりのプランに、ぜひとも盛り込みたいパントリー。ただ、コンパクトなキッチンスペースでは、設置が難しい場合も。盛りつけ作業やものを置くためのスペースをしっかり確保したい、という理由でパントリーを断念した日刊Sumaiライター。代わりに、ハイカウンタータイプの大型カップボードを導入することで、使い勝手のいいキッチンに仕上げることができました。その様子をレポートします。

パントリーをつくるには広さが必要

筆者は家を建てるとき、キッチンにパントリーをつくりたいと考えていました。食品ストックの保管場所や、かさばるホットプレートなどのキッチン家電の収納場所が欲しいと思ったからです。

ハウスメーカーの担当者からは、間取りやスペースによってつくれるパントリーが変わってくると言われました。

筆者が最初に提案されたのは、こちらの模型のようなプラン。キッチン背面の勝手口脇に小さめの扉つき収納をつくり、そこをパントリーとして使うというものです。天井近くまでスペースをフル活用することで、それなりの収納量は確保できそう。

ただ、そうなるとキッチンにかなり圧迫感が出てしまいます。つくるかどうか、かなり悩みました。

 

ワークトップを広く確保したい

悩んだ理由はほかにも。パントリー脇に置くカップボードのサイズが、コンパクトになってしまうことが心配だったのです。

カップボードには電子レンジや炊飯器、電気ケトルなどのキッチン家電、ふだん使いの食器を収納したいと考えていました。また、そのワークトップは、料理の盛りつけなどがしやすいように、できるだけ広く確保したいという希望も。

ハウスメーカーの担当者に相談したところ、パントリーをつくってしまうと、やはりカップボードのサイズはどうしても小さくなってしまうとのことでした。

 

カップボードを食品庫としても使うことで省スペースに

検討した結果、パントリーをつくるのはやめて、大型のカップボード(幅270×奥行45×高さ100cm)を設置することにしました。やはり、ワークトップの広さをしっかり確保したいことと、できるだけすっきりしたキッチンにしたい、という希望が強かったからです。

筆者宅は、食品や飲料水のストックがそれほど多くなく、食器の数も少ないというライフスタイル。そのため、カップボードの引き出しのひとつで、ストック食材専用スペースは十分にまかなえるという判断も、これをあと押ししました。

実際に暮らし始めてからは、スペースを取る防災用の長期保存水は階段下収納に、保存食などはつり戸棚にまとめて収納することになりました。とはいえ、パントリーがなくてもまったく問題ありませんでした。

ストック食材専用スペースを、カップボードの引き出しひとつに絞ったことでメリットもありました。在庫管理がしやすくなり、賞味期限切れなどの見落としも減ったのです。

ちなみに筆者宅では、基本的に同じものを購入するようにして、ストック品の定位置をある程度決めるようにしています。

 

タマネギやジャガイモなど常温で保存する野菜は、紙袋に入れて、カップボードの家電収納のあきスペースに置いてます。

 

米は専用のケースに入れて冷蔵庫へ。わが家では、私も夫もお酒を飲まないので、お酒類のストックを持つ必要がありません。カップボード全体のスペースに余裕がある状態にしておきたいので、皿やコップなどをできるだけ買わないようにしています。

パントリーをやめて正解だった

今こうして振り返ってみると、わが家の場合では、パントリーをやめて正解だったなとしみじみ感じています。

幅のあるワークトップは料理の盛りつけがしやすく、来客の多いときもコップや皿をたくさん並べられるのでスムーズなおもてなしができます。

また、カップボードをハイカウンターにしたことで、調理中の合間に立ったまま書き物やパソコン作業などができるところも気に入っています。

パントリーがほしいけどキッチンの広さに余裕がないという場合は、カップボードを活用することも検討してみるといいと思います。