楽天モバイル、人口カバー率99.5%程度まで自社回線 残りは宇宙から──三木谷社長
2月4日に人口カバー率96%を達成した楽天モバイル。その後のエリア拡大について、人口カバー率99.5%程度まで自社回線で整備する方針を三木谷浩史社長が示しました。
三木谷社長は『人口カバー率99%台中盤から後半までは自前でネットワークを引く』と述べた上で、残りは投資先のAST Space Mobileが開発中の人工衛星を用いてカバーすると説明。楽天は当初から人工衛星を活用し、日本全土のエリアカバー率100%を目指す方針を示しています。
加えて、現状の携帯電話サービスは、僻地をエリア化するためのコストが携帯料金に転嫁されており、消費者にとって不都合だとして、人工衛星で日本全土を一気にエリア化できるAST Space Mobileの導入はコスト面でも有利なほか、災害対策でも威力を発揮すると述べました。
このAST Space Mobileは、宇宙にバスケットコート大の巨大アンテナを複数浮かべて、地上のスマートフォンに直接セルラーサービスを提供する構想で、2022年内に試験衛星「BlueWalker 3」の打ち上げを予定しています。
加入者増で周波数帯域が不足するのではないかとの懸念に対しては「5Gがいいタイミングで始まった」と説明。4Gに比べて帯域幅が圧倒的に広い5Gを活用し、都市部ではsub6、都心の繁華街やスタジアムなどの超密集地はミリ波によるエリア化で対応すると述べました。
拡大している営業損失については、「1年無料」の順次終了に伴う課金ユーザーの増加や契約獲得の加速、KDDIに支払うローミング費用の削減によって、2022年第1四半期をボトムに、以降は収益の改善を見込んでいるとしました。
