Galaxy S22 Ultra発表。Sペン内蔵、NoteシリーズよりNoteらしい一台に（石野純也）
サムスン電子は、10日、同社の新製品発表イベント「Galaxy Unpacked 2022」で、「Galaxy S22」シリーズ3機種を発表しました。本稿では、その最上位モデルとしてパフォーマンスを極めた「Galaxy S22 Ultra」を紹介していきます。
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前モデルの「Galaxy S21 Ultra」でNoteシリーズの特徴であるS Penを取り込んだGalaxy Sシリーズですが、Galaxy S22 Ultraは、その取り組みを一歩進めて、S Penの機能が進化しています。具体的には、まずS Penが本体に収納できるようになりました。デザインも1機種だけ直線的で、これはもはやGalaxy Noteでは……と思われるかもしれませんが、機能面などはGalaxy S22シリーズのそれをある程度踏襲しています。
むしろ、Note以上にNoteなのではと思わせる点もあります。1つが筆記時の遅延低下。内蔵センサーポートのハードウェアを改良することで、遅延は9msから2.8msへと下がっています。また、筆記時には、AIを使った座標予測を行い、より滑らかな書き心地を実現しているとのこと。また、手書きの文字をテキストに変換する機能が強化されており、対応言語の88言語の中には日本語も含まれています。
S Penを活かす取り組みとして、「クイックノート」と呼ばれる機能にも対応しました。Webサイトやメッセージを開いている際に、それを切り取ってノートアプリに張り付けられるというのが、クイックノートの特徴。取り込んだサイトへのリンクも張られるため、後から参照がしやすくなります。何となく似た機能がiPadにもあったような気がしますが、ネット上の資料を集めて後から利用するようなシーンで活躍しそうです。
さらに、「Galaxy Tab S8」などのタブレット連携する「コラボレーションビュー」にも対応します。これは、Galaxy S22 Ultraを補助ツールとして使って、タブレット側で筆記を行うという連携機能です。ペンの種類や色の変更はGalaxy S22 Ultra側で行いつつ、キャンバスとしてより画面の大きなタブレットを利用することで、ツールを出したり消したりする必要なく、スムーズに作業ができます。スマホとタブレットの両方がS Penに対応しているGalaxyならではの機能と言えるでしょう。
Galaxy S22 Ultraならではの機能として、もう1つ注目したいのがカメラです。3機種の中で唯一、108メガピクセル（1億800万画素）のワイドカメラを搭載。広角カメラ以外は、12メガピクセル（1200万画素）の超広角カメラや、10メガピクセル（1000万画素）の3倍望遠、10メガピクセル（1000万画素）の10倍望遠を備え、フロントカメラも40メガピクセル（4000万画素）と高画素です。
画素数や搭載されるカメラの構成に関しては、Galaxy S21 Ultraから大きな変化はありませんが、Galaxy S22 Ultraでは先代比で2倍の処理能力を誇るNPU（Neural Processing Unit）を内蔵しており、AIによるノイズ削減なり、HDRなりの機能が強化されています。手持ちでもブレずに撮影できる「スーパーステディモード」や、10人までの人物をフレーミングできるオートフレーミングなど、動画機能も充実しています。
昨年11月にアプリとして配信が始まった「Expert RAW」にも対応しており、ISO感度やシャッター速度、ホワイトバランスなどを後から自由に編集できるRAW撮影に対応。撮った写真は、JPEG-LSとDNGのどちらでも出力でき、AdobeのLightroomなどのアプリで編集ができます。
ディスプレイは3モデルの中で最大の6.8インチ。リフレッシュレートは表示するコンテンツに合わせて1Hzから120Hzに可変します。Galaxy S22シリーズの場合、S22とS22+が48Hzから、S22 Ultraが10Hzからとなっていましたが、Galaxy S22 Ultraは最低1Hzまでリフレッシュレートを落とせることで、動きのない写真などを表示している際の消費電力を大きく低減させることが可能になりました。
リフレッシュレートは3機種とも120Hzが最大値ですが、下限が異なっているのはGalaxy S21シリーズと同じ。Galaxy S22 Ultraが1Hzなのに対し、S22とS22+は10Hzになります。また、「ビジョンブースター」と呼ばれる機能に対応しており、太陽光下でトーンマップを変更し、より見やすい表示を可能にします。明るい環境で利用する際のピーク輝度は1750nitまで上がり、屋外での視認性を向上させています。
その他のスペックは次のとおり。チップセットの名称は明記されていませんが、アプリケーションプロセッサーは4nmのプロセスで製造されているものとのこと。NPUが大幅に強化されたことを考えると、これは「Exynos 2200」を指していると見られますが、従来どおり、同様に4nmプロセスで製造された「Snapdragon 8 Gen 1」を採用する地域もありそうです。
サイズはGalaxy S22、S22+より大ぶりで、幅77.9×高さ163.3×厚さ8.9mm。重量は229gです。指紋センサーは超音波式でディスプレイに内蔵、バッテリーの容量は5000mAになります。その他のスペックは以下のとおり。国内での展開予定は明かされていませんが、昨年はKDDIに続き、ドコモもUltraの取り扱いを始めただけに、継続展開が期待できるかもしれません。
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