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御嶽海については様子見派です!

本日は大相撲初場所観戦に行ってまいりましたお出掛けの記録です。向かいますはもちろん両国国技館。オミクロン株の猛威のなか、この日は東京では9468人の感染者が出ているそうですが、大相撲観戦者のほうもまぁまぁの人出です。引きつづき空席を作ってはいますので人数的には及ばないかなというところですが、盛り上がりでは負けずにいきたい。そんな気持ち。

入場しますと場内には長蛇の列が。この日は併設された相撲博物館で昨年引退した白鵬の展覧会が開催されており、そちらへの待機列である模様。先日まで現役だったということも人気の理由ではありますが、それ以上に展示内容がスゴかった。本人提供による化粧まわしや賜杯のレプリカ(模杯)、来日以来の記念の品など本人の物持ちのよさを感じさせる展示の数々。これだけで全国を巡回させたいくらいの内容で、何ならひとつ常設の小屋を建ててもいいように思いました。必見です!(※終了済)

↓分解するとひらがなで「は」「く」「ほ」「う」になる化粧まわし。



↓鬼とかを斬りそうな太刀。



↓43個の賜杯の模杯が一堂に。シャンパンタワーが作れそう。



↓来日当時のパスポート。



↓教習生時代のノート。


この展覧会だけで2時間くらいいける内容でした!

機会があればぜひご覧ください!(※終了済)

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そしてもうひとつ。今場所は昨年11月の九州場所につづき「大相撲ポケモン場所」とでも呼びたいような一大コラボが展開されていました。このコラボでの特注の化粧まわしや、歴代作品やポケモンの姿をあしらった懸賞旗、行司さんの装束にもポケモン柄を採用するなど、さまざまな機会でポケモンが目に飛び込んできます。

これまでも懸賞旗に漫画作品が登場したりすることはありましたが、ここまで大がかりなコラボは記憶がありません。NHKの中継では地紋までこだわった装束の細部が見えるわけでも、懸賞旗が大きく映るわけでもありませんので、広告効果という意味でどこまでのものがあったのか「数字」で計算するのは難しいのかなと思います。

ただ、100万の露出があってもそこに愛情が生まれなければ意味がないのも現代社会。選択肢は無限にあるなかで、自分の時間やお金を投じるのは「愛」があるものだけです。露出はお金で獲得できますが、愛はお金だけでは獲得できません。自ら楽しもう、情熱を注ごうとしてはじめて相手にもそれが伝わるのだなと、「人を楽しませる」ことを追求したポケモンの凄味を感じさせられました。

残念ながらピカチュウ・マクノシタの着ぐるみが登場してのグリーティングは中止となっていましたが、その代わりなのか、はたまた在庫処分なのか、ピカチュウのサンバイザーを含むポケモン宣伝グッズが積極的に配布されていました。お子様向け配布という触れ込みでしたが、大人でもいただけるとのことでしたので、僕も早速サンバイザーを被りまして、グリーティングに来られないピカチュウのぶんまで場内を練り歩いてやりました。

途中で自分がピカチュウのサンバイザーを被っているということをちょっと忘れてしまい、断髪式のチケットを手売りしていた栃煌山さんや、売店で売り子をしていた元白鵬の間垣親方にもピカチュウで突っ込んでいってしまったのはご愛嬌。ピカチュウのサンバイザーに「しっかりと後進を育ててくださいね」などと注文つけられた親方衆は「お前がまともな大人に育てや…」とムッとしたかもしれませんが、存分にポケモンコラボを満喫することができました。

↓ピカチュウとハリテヤマが刺繍された化粧まわし。



↓幕内の全取組で懸賞がかけられていました。



↓初代の「赤・緑」から始まり最新作の「アルセウス」まで歴史順に登場という粋な演出。



↓結びの一番にはピカチュウとハリテヤマの懸賞旗。



↓行司さんの装束にはモンスターボールが描かれる。



↓地紋はドット絵柄というこだわりの仕上げ。



↓三役格行司の装束にはピカチュウと炎・水・植物の紋も。



↓いただいたピカチュウサンバイザーと紹介冊子。



↓断髪式のチケットを買わないくせに声を掛けてきたピカチュウサンバイザーにも神対応の栃煌山。



↓売店で売り子をする間垣親方(白鵬)はピカチュウサンバイザー野郎に動じることなく仕事に励む。


栃煌山さん、チケットが売れるよう祈ってます!

間垣親方が売り子をするとグッズが爆発的に売れるので、またときどき来てくださいね!



さて、ここからは本格的に場内散策の時間(※まだ相撲の話にいかないのかという声は封殺)。ここまでも場内散策しかしていませんが、とにかく相撲は場内散策でやることが多くていけません。ピカチュウサンバイザー姿で国技館を練り歩きながら、最新のフードやグッズをチェックする僕。「ピ〜?(※これは何だろうの意)」「ピッカー?(※新商品ですか?の意)」「ピカチュウ〜!(※コレくださいの意)」と唸りながらの散策です。

昨今の大相撲は一時の飲食厳禁ムードも緩和され、飲食スペースは限られるものの品数は爆増といった状態。定番のちゃんこや焼鳥はもちろん、特にスイーツ類が大充実となっています。スイーツ親方ブランドでマカロンやダックワーズ、サブレなどが展開されているほか、「相撲と言えば寿司、寿司と言えば玉子焼き」という筋立てから半ば強引にプリンやシュークリーム(※玉子を熱しているぞ)などの玉子スイーツも展開されており、ちょっとしたスイーツパラダイスといった様相に。

かつては寿司屋だった場所が玉子スイーツの店になり、いつもソフトクリームを売っている店はより高単価(円&カロリー)の「あんみつソフト」を推してきたりと、「酒飲んで騒ぐ」人向けではないラインナップはファミリー層の需要ともマッチしそう。思えばひと昔前はタチの悪い酔っ払いもまぁまぁいたものですが、コロナ禍へと対応するなかで観戦環境改善が進んでいるような気もします。

もともと場内にあったお食事処スペースは「もう数年はレストランとして使わないな」とキッパリ見切りをつけて、維持員(※土俵まわりにいる大口客)向けのラウンジに改装するなど、状況への対応を着実に進めている大相撲。行くたびに何か変化があるというのは、やる気や意欲の表れとしても前向きに受け止めたいところ。ピカチュウサンバイザーも「ピッピカチュー!(※いいね!の意)」と大満足です。

↓スポーツを見ながらマカロンを食べよう。



↓スポーツを見ながらシュークリームを食べよう。


↓スポーツを見ながらプリンを食べよう。


プリン×大相撲は合う!どっちもぷりんぷりんしてるから!

早くマス席でパクつけるようになるといいですね!

お土産として、新商品の芋きんをゲットした僕は、いよいよ散策にもケリをつけて相撲観戦に向かいます(※向かうのが遅い)。注目はもちろん優勝争い。荒れる初場所として毎年のように「この場所だけ優勝しました!」という力士が登場してくる正月明けですが、今場所もまたそういった雰囲気。絶対的な本命と見られていた横綱・照ノ富士が終盤にかけて失速していくなかで、関脇・御嶽海が星ひとつ差の単独トップ、それを照ノ富士と阿炎が追いかけるという格好で千秋楽を迎えました。

結びの一番で御嶽海が照ノ富士に勝てばそのまま優勝、照ノ富士が勝てば阿炎の結果によっては巴戦まであるということで、ワクワクも高まります。その期待に応えるようにまず阿炎は勝って3敗をキープ。これであるいは巴戦まで…と思ったものの、結びの一番では御嶽海が力強く前に出る相撲で照ノ富士を寄り切り、本割で優勝を決めました。聞けば照ノ富士は場所の途中でかかとを痛めていたとのこと。なるほど終盤の元気のなさも納得です。

勝った御嶽海は通算三度目の優勝、そしてこの勝利で今場所13勝とし、直近三場所を9勝+11勝+13勝の33勝としました。この結果を受けて、場所後に臨時の理事会が開かれることが決まったとのこと。この理事会はほぼ形式的なもので、招集が決まったあとに「やっぱナシ」となった事例はありませんので、御嶽海は来場所の大関昇進が確実となりました。

ただ、個人的には「ピ〜カ〜?(※どうかな?の意)」と思うところもあります。すでに優勝を三度していることもあり、御嶽海の力量自体については懸念はありません。直近三場所33勝で優勝なのですから、杓子定規に基準をとらえている人ならば文句ナシで昇進を認めるでしょう。ただ、そこじゃないと僕などは思うのです。

今場所、御嶽海は大関獲りを意識したなかでの場所ではありませんでした。「10勝⇒8勝」と来たあとに「15勝なら大関ですね!」などとは言わないように、「9勝⇒11勝」は大関獲りを意識する成績ではなく、九州場所の「11勝」がスタート地点というのが一般的な認識だったと思います。場所中の報道も「5連勝で大関獲りへ足固め」「10勝到達で大関獲り足固め」という論調でした。

御嶽海の課題は「波がある」という点ですが、そこにはどれだけ心身を相撲に捧げているのだろうかという懸念や、本当の勝負所では何故かストンと弱くなるという胆力の無さへの不安も含まれます。実際、三役を28場所つとめて二桁勝利は6回しかなく(※そのうち3回優勝)、「強いときは強い」が「いつ強いかはわからない」といった成績です。

直近3場所は白鵬が引退後の場所であり、元大関・朝乃山は夜のヤマで休場・陥落、大関・貴景勝は今場所途中で休場し、横綱・照ノ富士も場所中の怪我で失速。大関・正代は最近何をしているのかちょっとよくわからないという状態です。そういう意味では今場所は誰が勝っても「強者不在」のなかでの優勝で評価も8掛けといったところでしょう。こと御嶽海に関しては過去の優勝も「3横綱全員休場」だとか「2横綱・1大関が休場」といった「強者不在」の場所でつかんだものだっただけに。

「弱いヤツには滅法強い」タイプなのかなと思うと、基準を杓子定規に運用するのではなく、来場所を真の「試し」とするべきだったなと思います。大関は横綱に次ぐ大相撲の看板です。横綱ほどではないまでも、場所を守り、千秋楽まで優勝争いを支える責務があります。その務めを果たせるのかどうかは、やはり「大関獲り」という重圧を乗り越えるなかでこそ試されるだろうと僕は思うのです。

場所前から始まる「今場所は大関獲りですね」というプレッシャー。それを受け止めて稽古に励み、緊張のなかで初日を迎え、そう簡単に大関にはさせないぞと足を引っ張るライバルたちをはねのけ、肉体的にも精神的にも過酷な15日間を勤め上げて初めて「大関」たる備えが出来るのではないかと思います。逆に言えば、その備えができているのであれば33勝にこだわる必要はなく、備えができていないのであれば34勝でも35勝でも厳しく見るべきだろうと。

同じような流れで大関に昇進した正代は、大関8場所で負け越し3回、来場所は早くも三度目の角番となります。怪我の影響もあるのでしょうが、上げるのが早かったと率直に思います。そういった事情もあって「大関を今すぐ補充したい!」という焦りが上層部に生じたのでしょうが、これでは同じことの繰り返し。御嶽海が今まで大関になれていない原因を今度こそ払拭できるのか、しっかりと試すべきだったなと思います。力量は言わずもがななわけですから、払拭できるのであれば来場所も二桁勝利くらいまでは余裕でクリアできたでしょうし。

来場所、強い御嶽海を見せられるのか。

地位が人を作ることを期待したいと思います。

ピカチュウサンバイザー野郎に言われたくはないでしょうが、もうひと場所、厳しい目で見ていく所存です!

↓それはさておき優勝おめでとうございます!


こんなに難癖つけておいて「おめでとう」もないんでしょうが!

優勝については文句ナシです!

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強くて丈夫な大関がいて欲しいという点では、世間一般と同じ気持ちです!