●毎年心境が違う4年連続の紅白「4年目はホッと」

4年連続4度目の『NHK紅白歌合戦』への出場を決めたムード歌謡コーラスグループ・純烈(酒井一圭、後上翔太、白川裕二郎、小田井涼平)。活動当初から「夢は紅白! 親孝行!」を掲げ、2018年に初出場を果たしてからもその軸は変わらず。純烈にとって紅白は「永遠の目標」と言い切るも、挑む思いは毎年違うという。4人にインタビューし、紅白への思いを聞くとともに、2021年がどんな年になったか、そして来年への意気込みも語ってもらった。



――4年連続紅白出場が決まった心境からお聞かせください。

酒井:4年目はホッとした。全国のファンの皆さんが応援してくれたおかげで、コロナ禍でもライブを続けることができ、スタッフもめちゃくちゃ頑張ってくれたんです。もう大人ですから……紅白に出ると来年、全国を回りやすくなり、お仕事にもつながる(笑)。いろんな意味でホッとした気持ちが先にきました。

――先月7日にイベントに出演した際、紅白出場者発表直前で「ピリピリしている」とおっしゃっていました。毎年そうですか?

後上:11月の真ん中になるとソワソワし始めるんですけど、今年は去年、一昨年と比べると少し発表が後ろで、11月14日近辺からソワソワしっぱなしでした。1時間に1回くらい携帯を見て、「紅白」とか検索していました(笑)

――4年目はホッとしたとのことですが、毎年心境は違うものですか?

酒井:違いますね。1年目は結成から7、8年分の思い、今年こそはという気持ち。2年目はメンバーをスキャンダルで失った後で、謝罪会見をしている僕らとしては、紅白に出られるとは思っていない。「ご心配をおかけしました」という世界からのスタートで、出場が決まったときは「ウソやろ!?」という心境でした。3年目は思い切っていくぞと思いきやコロナでライブができず、無我夢中にできることをやって願わくば届けばいいなという紅白でした。そして今年は、順調にステージを重ね、コロナ禍でも明るく元気な中年オヤジ・純烈というグループがあってもいいのではという思いがあったので、本当にホッとしました。

――白川さんと小田井さんも今年は安堵の気持ちが強かったですか?

白川:安堵はすごくありました。純烈は「夢は紅白! 親孝行!」を掲げてやってきたグループ。僕のおかんが88歳で、体の自由がきかなくなって外に出ることが少なくなってしまい、紅白に出ることがおかんにとって元気の源、大きな薬になるんじゃないのかなと、そういった意味でもホッとしました。

小田井:3年目のときは「3回連続は出な」という風潮があり、出られてよかったねという感じでしたが、4年目の今年は周りが軽いんです。「今年も大丈夫でしょ」って安易に言われ、そんな簡単じゃないですよって。回を重ねると周りが軽くなるんだなって感じました。

――5年目はどうなるんでしょうね。

酒井:今のところ4回全部心境が違うので、5年目もまた違った挑み方になると思いますが、僕らとしては毎日必死にやるというのがテーマ。一生懸命やったことは裏切らないので。



――改めて、紅白は純烈さんにとってどういう舞台ですか?

酒井:最大の永遠の目標! 今年の紅白が今年の目標で、来年の紅白が来年の目標。オリンピックみたいなところがあって、いろんなジャンルの最高峰の歌い手さんが集まる。形が変化しているというニュースも見ますが、作り手の熱い思いは変わっていないと思う。そういう番組に呼んでいただけるのは純烈にとってものすごく栄誉ですし、僕にとっても誇りです。

――これからも毎年、紅白が目標になるわけですね。

酒井:何回も何回もずっと出られるとは思っていませんが、出させていただいていることが続いているからには、この応援を裏切りたくないし、期待に応えたいです。

――30日は『日本レコード大賞』です。『レコ大』に対する特別な思いもありますか?

酒井:あります。『レコ大』は新国立劇場で格式高い感じで、オーケストラもいたり、大賞発表の前に「誰やろうね」って話すのも楽しいんですよね。

――『レコ大』と『紅白』への意気込みをお願いします。

酒井:生放送ですけど失敗を恐れず、思いっきり楽しんで、ファンの皆さんにも恩返しというか、ありがとうの気持ちを込めて。ぜひとも見届けていただければと思います。

●ファンとの再会に喜び「熱量に支えてもらった」



――今年は有観客ライブの再開や、明治座での初座長公演、そして初主演映画『スーパー戦闘 純烈ジャー』も公開されるなど大活躍でしたが、どんな年になりましたか?

後上:ライブを再開していたので映画の感想を生のリアクションで感じることができました。『純烈ジャー』をリピートすることを“追い焚き”と言うんですけど、「私は“追い焚き”何回目です」といった熱いコメントをたくさんいただき、ファンな方の熱量に支えてもらったなってすごく感じました。

――昨年はコロナでファンと触れ合えなかった分、なおさらありがたさを感じますよね。

後上:ライブできたことがすごく大きかったと思います。ライブをして初めてわかることってすごくあって、ほとんど感染者が出ていない都道府県に行ったら「東京もんは来てくれるなよ」ってなるのかなと思っていたら、「よく来てくれた」と温かい歓迎を受けたり、直接会って初めてわかることが多いと感じたので、今後もそこを大事にしていきたいです。

――白川さん、小田井さんは2021年いかがでしたか?

白川:11月22日にLINE CUBE SHIBUYAで約1年ぶりにファンの皆さんのところに降り、握手はできなかったんですけど、ラウンドという形でやらせていただき写真はオッケーでした。そのときのファンの皆さんの晴れやかな顔、マスク越しでしたが少女のように目がキラキラしている顔を見ると、当たり前にやっていたラウンドが改めてすごいことなんだと思いました。コロナ次第ですが、来年もラウンドや写真撮影会ができたらと思います。

小田井:映画、ドラマ、コンサート全部印象深いですが、映画の公開に先立って『王様のブランチ』のうちの奥さん(LiLiCo)のコーナーにメンバーで出演できたことは非常に良かったです。映画コーナーなかなか出られないですよ。『ブランチ』のスタジオは初めてだったのでうれしかったです。

酒井:一瞬、岡田(准一)くんとか菅田(将暉)くんみたいな気持ちになりました(笑)

――酒井さんも今年の振り返りをお願いします。

酒井: 全国呼んでいただけるところでステージに立たせていただき、東京駅か羽田によういたなって思います。ガラガラの東京駅の時代もありましたが、今は修学旅行生もたくさんいるし、乗車率も変わってきて、旅をしながら日本の現状を感じています。僕らが悲観することなく前向きに毎日を重ねられたのは、笑顔で迎えてくれたお客さんや、ひたむきに働くスタッフさんたちのおかげで、一生懸命消毒やPCR検察をするという一人ひとりの努力がすごく印象的。だから日本人全員、世界中の人もそうだけど、胸張っていいと思う。めっちゃ頑張ったよな、俺らって。

――全国を巡りながら状況の変化を感じられ、エンターテイメントの復活も感じられているところでしょうか。

酒井:エンターテインメントは1個も死んでない。むしろエンターテイメントは元気な我々を待ってくれているはずやから、そことまた組めば楽しいエンターテイメントができる。僕らが希望を持って目標に向かって努力すればすぐ戻ると思っています。





――コロナ禍でファンの方との交流も変化が求められた中で、LINEオープンチャットにおいて純烈の公式トークルーム「純烈部屋」を今年9月にオープン。そこで新たなファンとのやりとりが生まれていますが、その面白さをどのように考えてますか?

酒井:僕らの他愛もないLINEのやりとりを見て楽しんでくれて、純烈ファンではない方も覗いてくれて、そこからファンになっていただける方も増えているので、ありがたいなと感じています。

後上:例えばお子さん、仕事先、ご主人とのLINEのトークがある中に「純烈」も並ぶ。ブログやTwitterとはまた違う、すごく近いところに純烈がいさせてもらっているのはすごくいいなと思っています。

酒井:『レコード大賞』や『紅白』が終わった直後の写真も上げられる。そのほやほや感ができるというのはすごいですよね。

――普段メンバーの皆さんでチャットはされていますか?

後上:業務連絡するためのグループLINEはあります。

酒井:明日のスケジュールとか、明日の衣装は白シャツですとか。

●目指すは日本一ライブをやるグループ! 課題は疲労蓄積!?



――ガラッと話が変わりますが、今感じているグループの課題を教えてください。

酒井:全員加齢によって疲労の抜け方がだんだんとゆるやかになるという(笑)。後上も35歳で、小田井さんがもう50歳。白川と僕が40代。若いつもりやけどもう若くないから、今年も大事なんですけど来年も大事だから、ペース配分を考えて。

後上:楽屋で漢方とサプリのトークが非常に増えている(笑)。健康は注目トピックです。

――健康が大きな課題なわけですね。

小田井:移動とかも疲れに関わっていると思う。いろいろ便利になったことによってスケジュールをこなせるようになっているんですよ。コロナになって写真撮影会や握手会をやらなくなった分、通常であれば1回公演しかできないのに2回公演できたり、本当なら泊まるはずだったのに帰ってまた次の日別の現場に行くことができるようになって。そのおかげで仕事をたくさんできるようになっているんですけど、移動時間だけ換算してもけっこうな時間になるので、なんかないんかなと思うときはありますね。

――移動時間に、配信するとか……?

後上:移動時間が唯一の休憩時間なので、余計なこと言わないでもらっていいですか!(笑)

――あ、すみません!(笑)

小田井:何か具体的なことをしたいってわけじゃないけど、この移動時間を有効に使ったほうがええんかなって。

白川:さっき疲れが抜けないっていう話をしていたのに。1人でやってくれよ(笑)

後上:元気なんですね、小田井さん(笑)

小田井:何が言いたいかというと、ある程度まとまってくれたらうれしいなっていうお願いね。何日間かずっと西日本にいます、みたいになればうれしいなって。

白川:それはわかる。



酒井:飛行機と新幹線に言いたいのは、もっとゆっくり走って! これ以上、発達しないで(笑)。昔の先輩は、2週間かけて西日本を旅し、帰ってきてちょっと休んだら今度は北に行くという、Aルート、Bルートがあって旅をしていたらしいんです。でも僕らって北海道に行ってもすぐ羽田に戻ってこられて次の日、沖縄にも行けちゃう。これがよくない!(笑)

後上:『桃鉄』(『桃太郎電鉄』)の「ぶっとびカード」みたいな感じで、どんどん飛んじゃうんですよね(笑)

酒井:ほんまそうやねん。便利よくない。もうちょっとゆっくり運転してって言うといて(笑)

小田井:リニアもゆっくりに。

酒井:ゆっくりなリニア……ゆっくリニア(笑) 

白川:それリニアの意味がなくなっちゃう(笑)

――移動の問題が改善されることを祈ってます! さて、来年はどんな年にしたいですか?

酒井:来年はもうスケジュールがめっちゃ埋まっている。全国めっちゃ回ります。純烈はやっぱりステージが勝負。結成以来、一番ステージをやることになると思うので、皆さんが健康な状態で会えればなと。いろんなところに“来年、純烈来るぞ”というポスターが貼られていくと思うので、自分の街で見かけたらぜひとも純烈に会いに来てほしいです。

――今までで一番ライブをやるというのは、来年にかける強い思いが?

酒井:来年が勝負! 日本一ライブをやるグループを目指します。

小田井:もちろん、コロナでまたえらいことになったら、それはそれですけど。

酒井:そうしたらまた、コロナ太り(笑)

小田井:許される範囲でね(笑)

■純烈

元戦隊ヒーロー出身の俳優を中心に結成されたムード歌謡コーラスグループ。メンバーは酒井一圭、後上翔太、白川裕二郎、小田井涼平の4人。2010年6月「涙の銀座線」でメジャーデビュー。2017年にリリースした「愛でしばりたい」がオリコン演歌チャート初登場1位、総合チャート5位を獲得。“スーパー銭湯アイドル”として注目を浴びる。2018年に目標に掲げていた『NHK紅白歌合戦』初出場を果たし、以降毎年出場中。2021年も選出され、4年連続出場を決めた。