渋野日向子は4ラウンド連続の60台 ツアーカード取得へさらに前進(撮影:ALBA)

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<Qシリーズ(後半) 2日目◇10日◇ハイランドオークス(米アラバマ州)◇6677/6356ヤード・パー72)>
予選会も後半戦に入り、2ラウンドが終了。渋野日向子は、2日間で10バーディに2ボギー。スコアを8つ伸ばし、一気にトップ10に入ってきた。都合6ラウンドを終えて、トータル14アンダーは7位タイ。来季の米国女子ツアー出場権獲得に向けて、日に日に順位を上げている。
前半戦初日は81位タイ。2日目を追えて72位タイ。そこから快進撃がスタートした。前半戦の3日目、4日目で合計8つ伸ばすと、後半戦に入ってからも勢いが止まらない。だからといって、絶好調というわけではない。笑顔こそ見せるが、まだまだ“伸びしろ”はある。
ここまでの6ラウンドで、パー5の合計スコアは5アンダーだ。100ヤード以内に磨きをかけ、ウェッジの本数を増やして取り組んできた今年。ここでその成果を発揮したいところだったが、計算は狂っている。傾斜の強いグリーン、寄せたいという強い思い。さまざまな要素が絡み合って、パー5でバーディ量産とはいかない状況に、もどかしさも残る。
この日は10番からスタート。最初のパー5は11番だった。ここでは3打目を大きくオーバーしパー。それでも12番で“OK”の位置につけてバーディが先行すると、迎えた15番のパー5は3打目まで好ショットを連ね、ピン手前1.3メートルにつけた。ところがここでバーディパットを外してしまう。
「は?? みたいな感じ(笑)」。としたこのバーディ逃しから、ボギーこそないものの前半は1バーディ。伸ばしきれないプレーが続いたが、好転したのは後半の2番パー4だった。奥のピンに対して「思ったより跳ねたけど、あそこに止まってよかった」とボールは奥のカラーへ。約6メートルをパターで流し込み、久しぶりのバーディ。そして続く3番パー4でも2打目をピン手前3メートルにつけ、ど真ん中から沈めた。
その後は入れごろ外しごろのバーディチャンスが決まらず、「ラインに乗っているのにショートしたのが2つ続いて、『プッチーン』ていう感じ」。8番パー4では「思ったより風があって」と2打目でジャッジミス。奥のピンを大きくショートし、3パットのボギーを喫した。
「きょうイチでマンギレした(笑)」。その怒りをぶつけるように、最終9番パー5ではドライバーを強振。「ここでやるしかない」と、うっぷんを晴らすビッグドライブを放ち、2打目は3番ウッドでこれまた“マン振り”した。「ピンの少し奥に落としてスピンで戻そうと思った」50ヤードの3打目は、58度のウェッジでカップをかすめて楽々バーディ。怒りを静めるバーディに、笑顔がこぼれた。
前日に続きこの日も濃霧のためスタート時間が2時間遅れ、チャンスで決めきれない場面も数多くあった。風も不規則に舞い、極端にアンダーパーで回る選手が減ったなかでの「69」は、上位浮上に足りるスコア。“もう少し”という気持ちはありながら、まずは最低限の結果を出している・
先週は4ラウンドでダブルボギーが3つ。「赤杭とか、やべー外し方がないので、ダボを打つ要素がない。ボギー2つだし」と安定感のあるゴルフから、「何かしら伸ばして行ければ」と、それが何かは分からないが、さらなる上位進出の手ごたえを感じている。
「ほんまによかった」と言い残し、向かったのは練習場。この予選会ではすっかり恒例となった居残り練習は暗くなるまで続いた。トップ4との差は開いているが、5位の古江彩佳とはまだ2打差だ。米ツアー挑戦権をつかむまで残り2日。気を緩めずに、納得のゴルフを貫いていく。(文・高桑均)

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