和食のプロが伝授!〆までおいしい「チーズカレー鍋」【野永喜三夫さんの元気ハツラツ!発酵鍋#2】

みんな大好き!チーズとカレーの野菜たっぷり鍋

鍋の季節がやってきました!準備がラクで、野菜がたくさん摂れて、身体も温まるお鍋は、秋から冬にかけて大活躍です。そこで「匠のおうちレシピ」では、11月の特集テーマ「おいしい発酵食」に合わせて、身近な発酵食材を使った鍋レシピを紹介します。


先週に引き続き「日本橋ゆかり」の野永喜三夫さんが、自宅キッチンにある調味料を使って、手軽かつ経済的に作れる鍋つゆを紹介してくれます!

今回紹介いただくのは「チーズカレー鍋」。腸内環境の改善に期待が持てる乳酸菌豊富なチーズに、新陳代謝を高め、疲労回復させるともいわれるスパイスたっぷりのカレーをコラボしました。野永さん考案のカレーうどん用のスープが、つゆのベースになっているそうですよ。

「自宅でカレーうどんを食べるときは、お蕎麦屋さん風のスープを自作しています。今回はそのスープの黄金比率を生かして、鍋のつゆにアレンジしました。使うのは市販のカレールーとめんつゆなので、味も決まりやすいです。

今回の〆は食パン。もちろんごはんやうどんなども合いますが、若い方や外国の方にお鍋の魅力を知っていただくためには、新しいチャレンジも大切だと思います。オニオングラタンスープみたいな仕上がりになりますよ!」

さあ、発酵食品とスパイスのコラボ鍋を作っていきましょう!

材料(2~4人分)

調理時間:15分(※煮込む時間は除く)

・牛バラ肉……200g
・牛ひき肉……150g
・キャベツ……1/2個(800g)
・にんじん……1/2本(200g)
・じゃがいも……1個(200g)
・玉ねぎ……1個(350g)
・ブロッコリー……1本(100g)
・とろけるチーズ……100g
・食パン……1枚
・卵……2個

〈つゆ〉
・カレールー……30g+30g(別メーカーのカレールー2種類)
・めんつゆ……150g
・水……800g

下準備

・メークインの皮をむき、水にしばらくさらす
・食パンを軽くトーストし、6等分する
・カレールーを細かく刻む

作り方

1. キャベツを切る

キャベツの芯を三角に切り出します。

キャベツを1cm幅のくし切りにします。

2. 玉ねぎを薄切りする

玉ねぎの芯を三角に切り出します。

玉ねぎを2等分し、繊維を絶つようにして2mm幅の薄切りにします。

「早く火を通したいので、火が通りにくい食材は薄く切ります。私は包丁を使いますが、スライサーを使ってもいいですよ」

3. じゃがいもを薄切りする

じゃがいもを1~2mmの薄切りにします。ひと切れひと切れの大きさがそろうように、斜めに薄切りしていきます。

「シャキシャキした食感が残るように煮崩れしにくいメークインを使ってください」

4. にんじんを薄切りする

にんじんの上下を落とし、斜めに薄切りします。

「にんじんはきれいに洗えば、皮はむかないでOK。じつは皮と身の間の部分は旨味と香りが強いんですよ。ごぼうやれんこんといったほかの根菜も同じです。捨てるなんてもったいない!」

5. ブロッコリーを小房に分ける

ブロッコリーを小房に分けて、食べやすい大きさに切り分けます。

芯の部分も食べられるので、皮を厚くむいて内側のやわらかい部分をスライスします。

6. 鍋に食材を並べる

キャベツを鍋の一番奥側にセットし、にんじん、玉ねぎ、じゃがいも、ブロッコリー、牛バラ肉、牛ひき肉、じゃがいも、ブロッコリーをバランスよく並べます。

「赤や緑の鮮やかな色を中心に持っていくと美しく盛り付けられます。お鍋に入り切らない場合は初回は半量、そして食べながら追加していくスタイルでもOKです。

牛ひき肉を加えたのはキーマカレー風にしたかったから。ひき肉は煮ながら少しずつ崩してください」

7. つゆを作る

細かく砕いたカレールーをまずは少量のお湯(分量外)で溶かします。ルーが溶けたら、水を加えます。

「ルーはメーカーが違うものを2種類使います。メーカーによってスパイスの種類や材料に違いがあるので、より複雑で深みのある味になりますよ。

今回は辛口を選びましたが、中辛でもいいと思います。カレーパウダーは香りだけでコクがないので、ぜひルーを使ってください」

めんつゆを加えてよく混ぜれば、野永さんおすすめの黄金比率スープのできあがりです!

「めんつゆを加えるのは旨味を足すため。蕎麦屋のカレーうどんみたいなおいしいつゆになります」

8. 鍋につゆを注ぎ、チーズをのせて強火にかける

鍋つゆを鍋に注ぎ、とろけるチーズを中央にのせ、強火にかけます。

煮たったらひき肉を崩しながら、食材の火の通り具合を確認します。野菜がやわらかくなったら食べごろです。

9. 〆の食パンを入れ、溶き卵を回し入れる

鍋の具材を引き上げて、〆を作ります。

つゆを沸騰させたら、6等分したトーストを加えます。パンにつゆがしっかりしみ込んだら、溶き卵を「の」の字を書くように回しかけます。火は、卵を入れたらすぐに止めます。

とろけるチーズ(分量外)と細かく切ったブロッコリーを加えればできあがりです。

チーズ×カレーの発酵鍋は、感動体験の連続!

チーズとカレーのコラボ鍋は、コクよし、とろみよしなうえにスパイシー!薄切りのシャキシャキ食感の野菜はもちろん、鍋の〆にトーストという新しい発想には脱帽です。口の中に入れたときの感動をぜひ体験していただきたいと思います。

「今回は牛肉で使いましたが、豚肉や鶏肉にも合いますよ。鍋って自由だから、野菜もお好きなものに変えていただいていいんです。ただ、同じタイミングで煮えるように、野菜の厚みは加減してください。

煮込むうちにチーズはスープに溶けてしまいますので、お好みで“追いチーズ”して楽しんでください」

次回は発酵食品をダブル使いする「キムチ納豆鍋」とご紹介します。


取材協力

店舗名:日本料理 日本橋ゆかり
郵便番号:103-0027
住所:東京都中央区日本橋3丁目2-14
市区町村:中央区
町域:日本橋3丁目2-14
電話番号:03-3271-3436
最寄駅:地下鉄メトロ銀座線 日本橋駅 徒歩3分JR東日本 東京駅 徒歩9分
営業時間:11:30~14:0017:00~22:00
定休日:なし