秋って、おいしいものがいっぱいだ。

例えば、「栗ごはん」。ほっこり甘い栗がゴロゴロ入った炊き込みごはんは、食べると幸せな気持ちになれる。

でも、自分で生の栗を買ってきて作ろうと思うと......硬い鬼皮をむいて、包丁で渋皮を落として、アクを抜いて、と結構大変だ。

2021年10月20日、そんな「栗ごはん」にまつわる衝撃の体験を描いた漫画が、ツイッターに投稿された。

「母に教えてもらった『最強の栗ごはんの作り方』」

そんなタイトルの作品を投稿したのは、普段はインスタグラム(@essay_rt)で活動するイラストレーターのりつこさん。

漫画は、りつこさんが自分で作った栗ごはんに衝撃を受ける場面からはじまる。

お母さんのと、全然違う!

「あんなに水に長時間浸して...
必死に硬い皮剥いて炊いて...
そんなに美味しくない栗ごはん...」

手間をかけて作ったにも関わらず、どうやら栗ごはんがあまり美味しくできなかったようだ。

一緒に食事をしている男性は「美味しいよ」とニコニコしているが、りつこさんは納得できない。というのも、りつこさんはお母さんの作ってくれた栗ごはんを思い出してしまうからだ。

りつこさんの母親が作ってくれた栗ごはんは、「栗の芯まで甘くホロホロ」。大きな栗がゴロッと入っていたようだ。

「主婦歴ン十年」の女性が作るものは、やはり一味違うのだろうか。

りつこさんはおいしさの秘訣を聞くため、母親を直撃することにした。

美味しい栗ごはんの秘密は...

単刀直入に「極秘ハウツー」を母に尋ねるりつこさん。しかし、返ってきた答えはあまりにも意外なモノだった――。

「甘栗むいちゃいました 入れただけやで」

衝撃の事実に驚愕するりつこさん。彼女の好物「お母さんの栗ごはん」は、本当は「お母さんの甘栗むいちゃいましたごはん」だったのだ......!

「あんたが好きなのは栗ごはんやなくて安物のなんちゃって栗ごはんや(笑)」

母の言葉に「ハイ......」としか返せないりつこさん。自分で作る栗ごはんをおいしく感じなかったのも、そもそも栗ごはんが苦手だったかららしい。

「最強の栗ごはん」、作ってみた

りつこさんはその後、「甘栗むいちゃいましたごはん」を作ったのだろうか。そして、その出来栄えには満足したのだろうか。

Jタウンネット記者が29日、本人に聞いてみると

「調味料と甘栗を入れて炊くだけなので簡単に美味しく出来ました」

と満足した様子。そして、そのレシピも伝授してくれた。

――これは、やってみるっきゃない!

ということで、「最強の栗ごはん」を、料理経験に乏しい記者が作ってみた。

基本の材料は、こちら。

・醤油大さじ1
・みりん大さじ1
・粉末和風だし適量
・白米3合

そして主役の「甘栗むいちゃいました」。

「薄味に仕上がるので味の濃い方が好きな場合は調整」というりつこさんのアドバイスの下、濃い味が好みの記者は醤油とみりんをそれぞれ倍量にしてみた。

また、甘栗も1、2パックとのことだったが、食いしん坊で栗に目がない記者は「栗がたくさん入っていた方がよりおいしくなるのでは」と思い、少し多めに買ってみた(5袋)。

コメを研いで水加減し、調味料と栗を投入。

さっと混ぜたらあとは、炊飯器のスイッチを入れるだけ。記者は一応、炊き込みご飯モードで炊いた。

本当にこれだけで、美味しい栗ごはんになるのかと心配になるほど簡単だ。

栗がホロホロと...

さて、炊きあがったのがこちらだ。

ほんのり甘い栗の匂いと、だしの香りが食欲をそそる。

しゃもじでごはんを混ぜていくと、柔らかくなった栗がホロホロとほどけていくのが分かった。なお、5袋も甘栗を入れただけあって、かなり混ぜづらかった。

そんな困難を乗り越えつつ適当に混ぜて、茶碗に盛ったら、いざ実食だ。

実は記者も、10代ときのりつこさんと同じく、栗ごはんのパサパサとした感じがあまり好きではなかった。

だが、「甘栗むいちゃいましたごはん」は......栗がしっとりとしていて甘く、それでいてうっすらと塩気のついたごはんとも相性抜群!

秋だけといわず、一年中食べたくなる美味しさ。これは間違いなく「最強の栗ごはん」だ。

りつこさんは、この栗ごはんのレシピとして

「私が食べた時、作ってみた時は刻んだ薄揚げも入っていたのですが、母が研究を重ねた結果、薄揚げ無しの『材料は栗のみ』にしたほうが米に雑味が移らずより美味しく出来るそうです」

とも教えてくれた。記者も、お母さんの研究結果に賛成だ。「最強の栗ごはん」を作りたい方、ぜひ参考にしてほしい。