すぎやまこういち氏死去、「東京五輪」思い出す人続出 ドラクエ曲は「第2の国歌」との声も
90歳で旅立った作曲家すぎやまこういちさんの訃報を受け、東京五輪の開会式で流れた人気ゲーム『ドラゴンクエスト』シリーズの名曲「序曲:ロトのテーマ」を思い出したとの声が、ネット上で相次いでいる。
選手入場で流れたこの曲にお茶の間は大いに盛り上がり、その心をつかんで離さないメロディーは、「第2の国歌」だとする向きも多いようだ。
「テレビで見ていて、ロトのテーマと分かった瞬間に鳥肌が立った」
五輪の開会式は、パラリンピックと比較されるなど、その出来栄えをめぐって賛否が分かれた。しかし、入場行進とともに、「ドラクエ」や「ファイナルファンタジー」「モンハン」といったゲーム音楽が流れたときは、感激したとの声でツイッターのタイムラインが一気に加速した。
この体験は、まだ記憶に新しいようだ。すぎやまさんが2021年9月30日に亡くなったと10月7日に報じられると、「ゲーム音楽への貢献、本当にありがとうございました」「曲を聴いただけでドラクエのワクワク感を味わえます」といった声とともに、五輪の思い出を語る書き込みがネット上で続出した。
「選手入場をテレビで見ていてロトのテーマと分かった瞬間に鳥肌が立った」
「先生、東京五輪の入場でドラクエが国歌になった瞬間を見届けることが出来て、よかった」
「第2国歌を作った人でしょ...!? 惜しい人が.........」
「東京五輪で流されたのが花向けになったじゃないのかな」
ニュースサイトのコメント欄などでは、こんな感想が漏れ、「ドラクエ 国歌」などでツイッター検索すると、「ロトのテーマ」は国歌のようなものだとする声がいくつもヒットするほどだ。
「ロック調」と注文を受けたが、「聞き減りしない音楽」にこだわる
産経新聞の17年2月25日付ウェブ版記事によると、すぎやまさんは、ドラクエの曲について、ゲーム会社から最初は「ロック調」と注文を受けた。しかし、自らも大のゲーム好きなすぎやまさんは、考えてクラシックの曲調で仕上げた。
その理由について、「ゲームする人は何度も同じ楽曲を聞くわけですから、聞き減りしない音楽でなければなりません。なので、バッハやベートーベンの楽曲のように全人類が何百年聞いても飽きないクラシック音楽の方向性をめざしました」と答えたという。
その言葉通り、「ロトのテーマ」などすぎやまさんが残した曲は、いつまでも「聞き減りしない音楽」であり続けているようだ。
ヤフー・ニュースは、「みんなの意見」で「すぎやまこういちさんが関わった作品で、印象に残っているものは?」とのアンケート調査を行った。その結果、21年10月7日20時現在(約1万5000人が投票)では、「ゲーム『ドラゴンクエスト』シリーズの楽曲」と答えた人が約65%と他を圧倒している。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)