ハンバーグが生焼けっぽい…失敗しない焼き方のコツとリメイクレシピ
生焼けのハンバーグは食べても平気?
ちょっと手間のかかるハンバーグを一生懸命作ったのに、食べてみたら中が生焼けだった!なんて経験はありませんか?
しっかり火が通っていると思ったのになぜ?もうソースもかけてお皿に並べてしまったのに、一体どうすれば……。ハンバーグが生焼けになってしまう理由とその対策、いざ食べようとしたら生焼けだったときの対処法も、まとめてご紹介します!
生焼けは危険!
生焼けのハンバーグとは、ひき肉自体の色だけでなく、肉汁も赤いままの状態のことを言います。お箸でハンバーグを割ってみたらまだ少し赤かった……、でもだいたい焼けてるし、ちょっとくらい生焼けでも食べられるかな、とそのまま食べようとしているあなた、危険です!
肉汁が赤い生焼けのハンバーグは食中毒を起こす可能性があります。生肉には食中毒の原因となる細菌が付着している可能性があり、下痢や嘔吐などの症状を引き起こしかねません。
こんがりしてても生焼け、なぜ?
見た目はこんがり焼けているのに生焼けの状態なのはどうして?その原因は大きく2つ、火加減とハンバーグの厚さに問題があります。
火加減
初めに強火でしっかり焦げ目をつけてから弱火で中まで火を通す方法だと外側が焦げるばかりで中は生焼けになってしまう可能性が高いのです。ハンバーグを焼く際には、中火の火加減で焼く方が焦げ付かず、中までしっかり火が通ります。
【調理師のワンポイントアドバイス】
強火で焼いてしまうと表面に急速に焦げ目がつき、中まで火が通る前に取り出さなくてはいけなくなってしまいます。
ハンバーグの厚さ
お店では5cmほどもある肉厚なハンバーグも多いですが、家庭の調理器具で厚いハンバーグのなかまで火を通すのは難しいのです。
家庭でハンバーグを作る時の厚さは、2cmほどにしておきましょう。そして火の通りをよくするため、丸めたら中央を必ずへこませて焼きましょう。そうすることによって、生焼けを防ぐことができます。
生焼けを防ぐハンバーグの焼き方
ハンバーグを生焼けにしないためには、ほかにはどのようなことに注意して作ったらいいのでしょうか。肉をこねるところから焼くところまで、調理工程順にご紹介するので、参考にしてくださいね。
ひき肉をよくこねる
ひき肉は粘り気が出て白っぽくなるまでしっかりこねましょう。材料をただ混ぜ合わせるだけではなく、しっかり手でこねます。合いびき肉の場合は塩コショウをしてからこねるのもポイントです。塩を入れることによって牛肉と豚肉の繊維がくっつき、肉汁を閉じ込めてくれます。
混ぜ方にもコツがあります。脂を溶かさないように指先を使って1分ほどこねるのがおすすめです。手の平を使って、ぐいぐい混ぜてしまいがちですが、手の体温でひき肉の脂が溶け出し、ベタベタになってしまうことも。
空気をしっかりと抜く
しっかりとこねたら、次はハンバーグを成形して空気を抜きます。空気を抜く理由は、焼いたときにひび割れてしまうのを防ぐためです。ハンバーグが割れてしまうと見た目が悪くなるだけでなく、肉汁も溢れ出てしまい、ジューシーな仕上がりにならなくなります。
ハンバーグのたねを手の平に打ち付けながら、最低10回は空気を抜きましょう。この時もこねる時と同じように、手の体温で脂が溶け出さないように握りすぎず、手早く空気を抜くのがポイント。空気を抜いた後は、ラップをして冷蔵庫で30分ほど休ませてくださいね。
【調理師のワンポイントアドバイス】
馬原さん:「ねかせたハンバーグは、冷蔵庫から出してすぐに焼いた方が衛生的に安心です」
ハンバーグのたねの中央はへこませる
ハンバーグのたねは、真ん中を指でへこませてから焼きましょう。ハンバーグは焼いているうちに、中の空気が膨張して真ん中が膨らみます。焼きムラが出ないようにへこませておきます。
焼く前に空気は抜きますが、完全に抜き切ることはできないので、真ん中をへこませて対策をしているんですよ。また、中央部分はどうしても焼けにくいので、へこませることによって均一に火を通すこともできます。
十分に熱したフライパンで焼く
ハンバーグを焼くときのフライパンは、しっかり温めてから焼いてください。中火で5分ほど焼いて焦げ目が付いたらひっくり返し、蓋をして蒸し焼きに。
こうすることによって中までしっかり火が通り、生焼けを防ぐことができます。蒸し焼きにする際は水を入れたり、お酒やワインを入れて蒸し焼きにするとさらにおいしさアップになりますよ。
【調理師のワンポイントアドバイス】
馬原さん:「生焼けにしないための最大のポイントは「火加減」です。最初に強火で焼き過ぎると、あっという間に表面だけが焦げて、中までじっくりと火を入れにくくなります」
肉汁が透明になるまで焼く
両面にしっかり焼け目がついたら、竹串などを刺して肉汁の色を確認することをお忘れなく。中から染み出す肉汁が透明なら完成です!もし肉汁がまだ赤いようでしたら、中まで火が通っていませんので、焦げすぎないように注意して、中までよく焼いてくださいね。
調理師イチオシの生焼け回避方法!
馬原さん:「生焼けが心配な場合はオーブンを活用するのがおすすめです。フライパンで表面を焼いた後、200℃で予熱したオーブンで10分焼けばOK。これなら厚みのあるハンバーグも生焼けの心配がありません。オーブンの天板に、アルミホイル(下)とクッキングシート(上)を重ねて敷くと天板が汚れず楽チン。オーブンで焼いている間に、フライパンに残った肉汁を使ってソースを作ることでもできます」
生焼けだ!失敗しちゃったら
正しい工程は踏んだものの、実際食べてみたらまだ赤い部分があった、そんな時は以下の方法をお試しください。
電子レンジで加熱
再度フライパンで焼いてしまうと焦げすぎてしまう場合は、電子レンジで加熱するのがもっとも手軽な方法です。ハンバーグの大きさにもよりますが、お皿にうつしてラップをし、様子を見ながら500Wで1~2分加熱してみてください。
煮込みハンバーグにリメイク
電子レンジだとお肉が固くなってしまうかも?と心配の方は、いっそのこと煮込みハンバーグにリメイクしてみてはいかがでしょう。お好きなソースとハンバーグを煮込むことによって、中までしっかり火を通すことができます。
調理師おすすめのリメイク術
再度フライパンで蒸し焼きにする
一度割って肉汁が出てしまったハンバーグには、チーズをかぶせて焼くと適度に油分をプラスでき、再度焼く際に旨味が逃げにくくなります。 大さじ1杯のお酒をふって弱火で3分程蒸し焼きにすると、焦げにくくふんわり焼けます。
ロコモコ風にアレンジする
生焼けのハンバーグを2~3つに割ってフライパンで焼き、レタスを敷いたご飯にハンバーグをのせて、目玉焼きをトッピングする。ハンバーグを崩して食べるロコモコなら、割れたハンバーグでも意外とOK。見た目も目玉焼きでごまかせます。
もう失敗は怖くない!
子供も大人も人気のハンバーグ。なかなか上手にできなかったという方も、今回の内容をおさらいして、ふっくらジューシーなハンバーグに挑戦してみませんか?焼きあがったかどうかは、肉汁の色をチェックすれば大丈夫!
それでも生焼けになってしまった場合でも、せっかく作ったハンバーグを捨てないでくださいね。電子レンジで加熱したり、煮込みハンバーグにリメイクしたりすれば、おいしいひと皿にできますよ。