鎧塚俊彦シェフ直伝!「フォンダンショコラ」の作り方【ときめき!くだものレシピ #4】

ふわとろ食感がうれしい、 大人のフォンダンショコラ

自宅にいる時間が長くなっている昨今、そっと心を癒してくれるようなスイーツが急に食べたくなることってありませんか? 私たちを笑顔にしてくれるスイーツを思い立ったときに、手軽に作れたらうれしいですよね!

有名シェフにレシピを習う「匠のおうちレシピ」では、9月の特集テーマ「まるごと くだもの!」に合わせて、日本を代表するパティシエの鎧塚俊彦シェフに、自宅で作れる“高見えスイーツ”を教わっています。

芸術的なデザートで常に私たちを魅了してくれるスイーツの巨匠は、どんなレシピを伝授してくれるのでしょうか。

今回、鎧塚シェフが選んだフルーツは愛らしい色と形、そして甘酸っぱい味が特徴のラズベリー。ごく少量生産されている国産品は6月から9月に旬を迎えますが、とても希少です。一方、輸入ものは一年中店頭に並び、すっかり身近な存在になっています。

「今回はラズベリーピューレを使って、フォンダンショコラを作ってみましょう。ラズベリーの酸味と濃厚なチョコレートは、相性がとてもいいんですよ。ピューレは市販品を使うと手軽ですが、生や冷凍のラズベリーをミキサーにかけて手作りしてもよいと思います」

ちなみに、“フォンダンショコラ”とひと言で言ってもさまざまなタイプがありますが、今回教えていただいたのはとろりと中からソースが流れ出る本格的なレシピです。でもご心配なく! 基本的に材料を混ぜて焼くだけで、特別なテクニックは不要です。

「フォンダンショコラから流れ出るチョコレートの素となるのは、チョコレートと生クリームを合わせたガナッシュですが、今回は凍らせたラズベリーピューレを使います。凍った状態のピューレを入れることで、外側はかりっとしているのに、中はとろっとした焼き上がりになるんです。

ピューレを固めたり、生地を休ませたりする時間を除けば、20分程度でできあがるので、普段のおやつとしても気軽に作れると思いますよ。アイスクリームや生クリーム、フルーツと共に美しく盛り付ければ、特別な日のデザートとして楽しんでいただけます」

材料(4.5cmのセルクル型5個分)

調理時間:30分(※ピューレを冷凍する時間、生地を休ませる時間は除く)

・ラズベリーピューレ……50g
・チョコレート(製菓用)……65g
・バター(無塩)……65g
・卵……2個
・グラニュー糖……45g
・薄力粉……20g

下準備

・ラズベリーピューレを製氷皿に流し込み、冷凍する
・薄力粉をふるっておく
・オーブンを200度に予熱する
・セルクル(型)にクッキングシートをセットする

「市販のラズベリーピューレは冷凍で売られているものが多いので、解凍して使ってください。製氷皿に流し込み、冷凍庫でひと晩冷やせば十分です。

製氷皿はシリコンタイプが扱いやすくておすすめですよ」

「セルクルの内側にバターを塗ると、クッキングシートがしっかりくっついて、生地を注ぎやすくなります。

セルクルの内側にセットするシートはセルクルの高さより2~3mmほど長めに、底に敷くシートは、セルクルの直径よりも少し大きめの正方形にカットするといいですよ」

作り方

1. バターとチョコレートを溶かす

ボウルよりひと回り大きい鍋に湯を入れ、弱火で温めながら、バター、チョコレートの順に溶かします。早く溶かそうとして熱湯を使うのはNGです。湯煎の温度は60度程度。スパチュラで丁寧に混ぜていくと、つやが出てきます。

「鍋底に網を敷くと、火のあたりがやわらかくなりますよ。あせらずゆっくり溶かしていきましょう」

2. 卵とグラニュー糖を混ぜ合わせる

別のボウルに卵2個を割り入れ、泡立て器で溶きほぐし、グラニュー糖を加えます。グラニュー糖が卵液に溶けるまで、しっかりかき混ぜます。

3. 1に2を加え、混ぜる

1に2を細く注ぎ入れながら、泡立て器でしっかり混ぜ合わせます。鎧塚シェフはボウルが滑らないように、ボウルの下にカウンタークロスを敷いていました。

4. 薄力粉を混ぜる

ふるった薄力粉を2回に分けて加え、泡立て器で均等に混ぜます。薄力粉を一度に入れるとダマができてしまうので、チョコレート生地の表面に軽く均一に振りかけるように加えます。完成したらラップをかけて冷蔵庫で30分ほど休ませます。

「冷蔵庫で寝かせることで生地が落ち着いて、しっとりとおいしく仕上がります。でも、急いでいるときには、省略しても大丈夫です」

5. セルクルに4と凍らせたピューレを入れる

絞り袋を使って、まずはセルクルの半分ぐらいの高さまで生地を入れます。

「手際よく生地を入れていきたいので、絞り袋を使ってください。流し込んだときにセルクルの底から生地がしみ出てきても心配しなくて大丈夫ですよ」

次に、事前に凍らせておいたラズベリーピューレを真ん中に置き、さらにその上から生地をかぶせます。目安の高さは7分目くらいです。

6. 200度のオーブンで約7分焼く

セルクルのサイズや利用するオーブンによって多少焼き上げ時間が変わりますが、生地の表面がしっかり固まってきたら焼き上がりです。

7. 飾り付けの準備をする

焼き上がり後、アツアツの状態ですぐに食べられるように、焼成の時間を利用して盛り付けの準備をします。

「ここからはスピード勝負。焼き上がるのを待っている間に、お皿の準備をしましょう。ホイップクリームやラズベリー、お好みでナッツなどを飾ってみてください。

もしも余っているセルクルがあれば、皿にのせてフォンダンショコラを置く場所を考えながら飾り付けをするといいでしょう」

焼き上がったら、フォンダンショコラをオーブンから取り出します。このとき、セルクルはとても熱くなっているので、やけどには注意をしてください。

8. 粉糖をふりかけ、皿に盛り付ける

フォンダンショコラは、セルクルとクッキングシートの間にナイフを入れてひと回しすると、簡単に型から取り出せます。

粉糖(分量外)をあしらったら準備した皿に盛り付け、お好みでバニラアイスを添えます。シェフはバニラアイスの下にクラッシュアーモンドを散らしていました。こうすることで、アイスクリームが固定されるそうです。

アツアツで味わう、チョコとラズベリーのハーモニー

ふわっとした食感のチョコレートケーキから、ラズベリー風味のチョコレートソースがとろ~り。思わず笑顔がこぼれる瞬間です!ラズベリーの酸味もあってか、最後まで重さを感じないさわやかなフォンダンショコラができました。

「ラズベリーをパッションフルーツに変えてもおいしくできますよ。今回はフルーツやアーモンドをデコレーションに使いましたが、余力があったら、ラングドシャを焼いて添えてもいいでしょう」

スーパーシェフの鎧塚さんだから簡単に作れるのでは?と考える読者の方もいるかと思いますが、筆者がチャレンジしたところ、拍子抜けするほどスムーズに“高見えスイーツ”ができあがりました。いろいろな場面で、たくさんの笑顔を引き出してくれること間違いありませんよ!

次回は、旬の食材栗を使った「ロールケーキ」をご紹介します。どうぞお楽しみに。


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