秋の夜長に乾杯!ビールが進む「いちじくと鶏手羽中のソテー」のレシピ【中川たまさんの果物大百科! vol.3】
旬の秋いちじくを味わう!中川たまさんの果物レシピ
とろけるような食感と芳醇さをもついちじく。年に2度、夏と秋に旬を迎えますが、秋果のいちじくは上品な甘さと香りが特徴です。
本連載では果物料理を得意とする料理家の中川たまさんに、秋いちじくのちょっとおしゃれな食べ方を教わります。第3回は、バルサミコ酢でイタリアン風に仕上げる秋いちじくと鶏手羽中のソテーです。
「果物はデザートや副菜として食べることが多く、脇役的な存在になりがちですよね。しかし、お肉と合わせることでボリュームのある主菜にも変身します。
今回ご紹介するのは、いちじく料理としてはちょっと珍しい、鶏肉と合わせるイタリアン風ソテー。フライパンでジュワッとバルサミコ酢を絡め、いちじくは後入れでさっと火を入れます。短時間で作れる、ビールやワインにぴったりのおつまみです」
旬食材に香ばしさをまとわせて♪ 秋いちじくと鶏手羽中のソテー
調理時間:15分
「いちじくと一緒にソテーするのは、今が旬のまいたけと骨つきの鶏手羽中。どちらも旨味があって火が通りやすい素材です。素材そのものの味を活かしたいので、味付けはシンプルにバルサミコ酢と塩、こしょうのみにしました。
果肉が繊細で崩れやすいいちじくは、皮ごと切って、ほかの具材に火が通ったところで加え、さっと和えるようにソテーします」
材料(2~3人分)
・鶏手羽中……8本
・いちじく……2個
・まいたけ……1/2パック
・イタリアンパセリ……適量
・バルサミコ酢……大さじ1杯
・塩……少々
・こしょう……少々
・オリーブオイル……大さじ1杯
作り方
1. いちじくを皮ごと縦に8等分に切り分ける
2. 鶏手羽中に塩こしょうをふり、まいたけを食べやすい大きさにさく
3. フライパンでオリーブオイルを熱し、鶏手羽中の皮目から焼く
4. 両面に焼き目がついたら端によせ、まいたけを加えて焼く
5. 全体に火が通ったらバルサミコ酢を回しかけ、いちじくとイタリアンパセリを加えてさっと絡める
コツ・ポイント
1. 手羽中は皮目からパリッと焼く
「鶏手羽中は皮目から焼くことで、外側はパリッと、中はジューシーに仕上がります。おいしそうな焦げ色がついたら裏返しましょう。鶏肉の香ばしさがアクセントになっておいしいですよ」
2. バルサミコ酢、いちじくに火を通しすぎない
「味の要となるバルサミコ酢は、熱しすぎると香りが飛んでしまうので、最後の工程で回し入れます。
いちじくも熱を通しすぎたり、トングやヘラでつついたりすると果肉が崩れてしまうので、バルサミコ酢のすぐあとに加え、やさしく味を絡めてください」
秋を味わうおつまみ!いちじくをイタリアン風にアレンジ
「バルサミコ酢はぶどうの果実酢なので、果物を使ったお料理に馴染みが良いです。イタリアン風ですが、樽で寝かせた熟成香がしょうゆに似ていて鶏手羽の煮込みのようでもあり、日本人に親しみやすい味だと思います」
パリッとジューシーな鶏手羽中、歯応えの良いまいたけ、香ばしくソテーされたいちじく。バルサミコ酢の香りをまとった秋らしいご馳走を、お家でも味わってください。
早いもので本連載は次が最終回。最後はバーナーなしでも手軽に作ることができる、いちじくのブリュレをお届けします。お楽しみに!
取材・文/丸山夏名美
撮影/實重かおり(macaroni 編集部)