甘さと風味が格段にUPする “究極” の梨ジュースレシピ。専門店が教えるメソッドとは?

シンプルだけと奥が深い!梨ジュースの作り方を専門店が伝授

梨ジュースは、ミキサーにかけるだけで作れる簡単レシピですが、甘さが物足りなかったり、そのまま食べるより風味が落ちたりすることも。じつは梨の甘さや旨みを活かすにはいくつかポイントがあるんです。

本記事では “究極” の梨ジュースを作るべく、作り方から、ジュースに合う梨の品種、甘くておいしい梨選びのポイントまで、フルーツジュース専門店「FRUITS IN LIFE(フルーツ イン ライフ)」に教えていただきました。

「梨ジュースは、品種やミキサーのかけ方によって味が全然変わります。梨本来の味を存分に活かしたレシピをご紹介するので、ぜひおうちで試してみてください」

おいしい梨ジュースを作るには、まず梨を理解することが大切だと阿部さんは言います。 作り方の前に、梨の特徴や品種の選び方について教えていただきました。

究極の梨ジュースを作るなら、まずは梨を理解すること!

「究極の梨ジュースを作るには、素材本来のおいしさを最大限に活かすことが大事。そのためにはまず、梨の特徴を知ってほしいですね。梨は品種ごとに甘さや食感が異なるんです。種類は大きく分けて、東日本に多い “赤梨” と、西日本に多い “青梨” のふたつ。

今回は、赤梨のなかでも早生である『幸水』という品種を使用します。幸水は赤梨特有の甘味がしっかりある梨なので、ジュースにぴったりなんです。赤梨は少し茶色みがかっていて、酸味よりもじゅわっと広がる甘みの強さが特徴。お店で出す梨ジュースも赤梨を使うことが多いですよ」

甘くて新鮮な梨を選ぶ 4つのポイント

「梨はバナナやキウイフルーツとは違い、追熟しないフルーツです。店頭に並んでいる状態から、熟して甘さが増すことはありません。購入する際に見極めましょう。甘い梨を選ぶポイントは、

・サイズが大きく、重みがある
・縦に大きいのではなく、少し下膨れでどっしりした形
・真上から見たときに、なるべく左右対称な形
・軸(茎の部分)がしっかりしていて枯れていない

の4つです。また、追熟はしませんが梨にも食べ頃があります。赤梨は、皮の表面がツルツルになり、より茶色味がかってきた頃。青梨は、少し青みがかった皮が黄色くなってきた頃がベストタイミングです!」

これこそ “究極” 。素材の良さを引き出す梨ジュースの作り方

「材料は3つのみで、作り方もシンプルです。むしろ、ご家庭で作られている梨ジュースとほとんど工程は変わりません。大事なのは梨の特徴を活かすこと。

梨の扱い方や工程ごとのポイントを抑えれば、おうちで簡単に再現できますよ。飲んだ瞬間、梨の風味と甘さが口いっぱいに広がります!舌触りもよく、あっという間に飲み干してしまう究極の梨ジュースです」

それでは、さっそく作り方を教えていただきましょう。

材料(1人分)

・梨(フレッシュ)……220g
・梨(冷凍)……50g
・氷……50g

「梨に含まれているソルビトールという成分は、冷やすことで甘みが強くなるため、冷蔵庫で冷やした梨(フレッシュ)を使用しましょう。あと、氷を少し入れると梨の雑味が抑えられておいしさが引き立つので、飲んだときにも甘さを感じられるようになります。

また、凍らせた梨を入れることで、とろみのある仕上がりに。シャキシャキ感を抑え、舌触りがよくなりますよ」

下準備

・梨50gを2cm角にカットしてポリ袋に入れ、半日~1日冷凍する

「中までしっかりと凍り、硬い状態になったらOK。小さく切っておくと、凍りやすいですし、ミキサーをまわすときに便利です。

梨はフルーツのなかでも水分量が多いため、本当は冷凍に向かない食材なんです。なので、冷凍した梨を解凍して食べるのはおすすめしません。冷凍したら、2週間~1カ月以内で使い切るようにし、冷凍した梨を使用するときは、半解凍したりせずに冷凍庫から出したばかりの硬い状態のまま使用するようにしましょう」

作り方

1. 梨の皮を剥いてカットする

皮を剥き、縦にカットしたら、芯を取り除きます(6~8等分)。

「梨は皮のまわりと、おしり部分の甘みが強いので、 “なるべく薄く皮を剥くこと” と、甘さが分散するように “縦方向にカットすること” が甘さを引き出すポイントです。

また、梨が変色しないように、作る直前にカットするようにしましょう」

2. 材料をすべてミキサーにかける

材料をすべてミキサーに入れ、かくはんします。

「ミキサーをかける時間は、15~20秒を目安にし、なるべく最小限にするのがポイント。長すぎると、熱が加わって甘さや栄養素が失われてしまいます。短い時間でかくはんすることで、梨本来のおいしさがキープできますよ」

あとはグラスに注ぐだけで完成!工程はたったこれだけですが、実際に飲んでみると甘みが強く、まるで砂糖や蜂蜜を入れたかのよう。とろみがありつつも、サラッとした飲みやすさもあります。

分量を変えて好みの食感を見つけよう!

「ご紹介したレシピは飲みやすさを重視しています。冷凍梨とフレッシュな梨の分量調節をすれば、好みのテクスチャーに簡単アレンジできますよ。

スムージーのようなもったり感を出したいなら、冷凍梨の分量を増やし、サラッとさせたいなら、フレッシュな梨の分量を増やしてみてください♪

また、ごろっとした果肉感を味わいたい人は、ミキサーの “フラッシュ機能” を使って細切れにまわすと、ジュースにしたときに食感を残せるのでおすすめです」

素材の味を最大限活かす "究極” の梨ジュース

材料、工程自体はシンプルですが、ひとつひとつにこだわりをもって作ることで、素材のおいしさを追求した "究極” の梨ジュースが完成しました。

「梨の旬は8月~10月で、スーパーに陳列される梨は、9月下旬頃に早生から晩生に変わります。晩生の梨は日持ちするため家庭で扱いやすく、ジュースにすると梨の食感が残りやすいという特徴がありますよ」と阿部さん。いろいろな種類の梨を使って、味わいの変化を楽しんでみるのも良さそうですね!今年は旬の梨をジュースにして、贅沢に味わってみてはいかがでしょうか。

取材協力

店舗名:FRUITS IN LIFE 東京ミッドタウン店
電話番号:03-6447-1190
最寄駅:都営大江戸線 「六本木駅」8番出口より直結東京メトロ千代田線 「乃木坂駅」3番出口より徒歩約3分東京メトロ南北線 「六本木一丁目駅」1番出口より徒歩約10分
郵便番号:107-0052
住所:東京都港区赤坂9-7-2 東京ミッドタウン プラザB1
市区町村:港区
町域:赤坂9-7-2 東京ミッドタウン プラザB1

取材・文/猪狩明日奈
撮影/實重かおり(macaroni 編集部)