12日、都内で開かれた記者会見で謝罪する(左から)シンドラーエレベーターの西村智行、同マネージメントのローランド・W・ヘスと同エレベーターのケン・スミスの各氏。(撮影:吉川忠行)

写真拡大 (全2枚)

「シティハイツ竹芝」(東京都港区)でエレベーター死亡事故を起こしたシンドラーエレベーター(本社・東京都江東区)は12日、東京都港区の東京全日空ホテルで記者会見を開き、被害者の家族や同住民に対して謝罪し、同社の現状などを説明した。

 会見に出席した同社のケン・スミス代表取締役、西村智行新設事業本部長、シンドラーマネージメント(本社・スイス)のエレベーター・エスカレーター事業最高責任者であるローランド・W・ヘス氏は会見の冒頭、深々と頭を下げ、遺族や住民をはじめ「死のエレベーター」という恐怖心を与えてしまったことに対して陳謝した。また、事故発生以来、警察当局の捜査に全面的に協力してきたが、現時点では事故原因が特定されていないとを発表した。

 特に問題とされたのは、製造メーカーであるシンドラー社とエレベーターのメンテナンスを行う保守管理会社との関係性。シンドラー社は、「保守管理会社から要求があれば、情報や部品などの提供を積極的に行う」との姿勢を示したが、実際は今回事故を起こしたエレベーターの管理をしていた2社からは何の要求もなく、情報の提供はしていなかったことを明らかにした。

 記者団からは、ユーザーの安全を第一に考えれば保守管理会社から要求があった場合に限らず、積極的な情報開示やトレーニングが必要との指摘に対し、シンドラー社は保守管理会社の積極性を求めつつ、自社の落ち度を認めた。

 同社は、事故発生からこれまで十分な情報を開示できなかったことを反省し、自社のホームページで事実関係を随時明らかにしていくこと、週に1度は記者会見を開くことを約束。また、引き続き警察に協力し、いち早く原因究明に取り組むと述べて会見を締めくくった。

 初の本格的な記者会見とあって報道陣約130人が集まり、会見は3時間半にも及んだ。【了】

■関連コンテンツ
NEWS GyaO