なぜ実車と絶妙に異なる? 消臭グッズや自動車保険のCMに登場する車がカスタムされている理由とは

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CMに登場するクルマはカスタムされている?

 カー用品の消臭グッズや自動車保険のCMに登場する際のクルマは、よく見ると市販されているクルマと外観が異なっています。

 なぜ、市販されていないクルマがCMに登場しているのでしょうか。

なぜCMなどでは市販車とは異なるデザインのクルマを採用しているのか?(画像使用許諾:P&Gジャパン)

【画像】元のクルマは分かる? 市販車と異なるデザインを見てみる!(18枚)

 クルマ用のファブリーズ「イージークリップ」のCMには、冒頭で洗車するシーンに「練馬 502」と書かれたナンバープレートを装着したクルマが登場します。

 外観からはヘッドライトなどの形状から日産の2代目「ノート」と推測できますが、エンブレムは実在するものではありません。

 また、内装のシーンではカーナビやハザードランプなどのインテリアが映る場面もありますが、これは特別変化は見られません。

 では、なぜCMなどでは市販車をそのまま使っていないのでしょうか。その理由について、P&Gジャパンの広報担当者は以下のように話します。

「1つの広告で2つ以上の企業ロゴを見せることがCM考査に抵触するため、他メーカーと特定できるロゴなどを見せないよう、編集でクルマのロゴやエンブレムは消しております」

 クルマ消臭剤のほかにも、カスタムされたクルマが登場するCMが多く見受けられます。

 俳優の役所広司さんがガソリンスタンドの店員に扮したソニー損保のCMでは、スバル「XV」のようなクルマが登場しますが、よく見るとフロントグリルの形がスバル独自の「ヘキサゴングリル」と異なっています。

 同じシリーズで役所さんが整備士に扮したCMでは、2代目ノートのようなクルマが登場しますが、こちらもフロントグリルが市販のノートとは異なる、大型のデザインのものに代えられています。

 また、女優の内田有紀さんが登場する別バージョンのCMもありますが、こちらもフロント部分を微妙にカスタムしたトヨタ「ヴィッツ」やマツダ「ロードスターRF」に似たクルマが使われています。

 それぞれ、カスタムの程度に差はありますが、エンブレムが外されていて、メーカー名がわからなくなっている点は共通しています。

 ほかの自動車保険の会社のCMを見てみると、三井ダイレクト損保のCMではホンダ「N-BOX」、アクサダイレクトのCMではトヨタ「プリウス」と思われるクルマが登場しています。

 いずれも特別にカスタムなどはされていないようですが、車種を特定されないようメーカーのエンブレムなどが映らないように撮影されています。

 いくつかの自動車保険会社に確認したところ、「CMの制作意図などについてはお答えできない」ということで明確な回答は得られませんでしたが、以下のような理由が考えられます。

 自動車保険はメーカーを問わずに展開されるので、特定のメーカーのイメージが付かないようにするということです。

 そして、自動車保険のCMなので事故や故障を想定するようなシーンもありますが、特定の車種を使用すると、そのクルマのイメージダウンにつながる恐れがあることから、実際に販売されているクルマをそのまま使用することはないと考えられます。

 また、珍しい例ですが、三井住友海上のCMではスウェーデンのサーブとドイツのオペルが交差点で衝突事故を起こすという、ちょっと驚かされるようなCMもあります。

 映像では、クルマ自体に加工などはされていないようで、知っている人ならすぐに元のクルマがわかるはずです。

 クルマが衝突事故を起こしているシーンなど、メーカーにとってマイナスイメージ以外の何物でもないはずですが、サーブもオペルもすでに日本市場から撤退して新車も販売されていないことから選ばれたのではないでしょうか。

 しかし、オペルに関しては現在PSAグループ傘下となっており、2021年内には日本市場に再上陸する予定なため、今後は使われることはないかもしれません。 

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 自動車保険のCMなので画面にクルマは欲しいけれど、特定の車種をそのまま使うのはさまざまな事情があって難しいようです。

 その解決策として、絶妙にカスタムしたクルマを使うというのは、グッドアイデアではないでしょうか。