メカ部分と荷台は別メーカー仕上げなためにミラーは付けておく

 気にしてみたことはないかもしれないが、トラックにもルームミラーが付いている。当たり前じゃないかと思うかもしれないが、荷台の形状によっては後ろがまったく見えないので、意味がないように思える。

 それでも付いている理由はなぜか?  付いている分には別にいいとは思うが、無駄なものは省くのが大量生産における工業製品の鉄則だけに気になる。

 トラック、とくに中・大型の特徴が、荷台部分は架装メーカーが作ることが多いということ。用途や機能、予算などユーザーの事情はさまざまなだけに、乗用車のようにメーカー側が仕様を決めてしまうと使いにくいことがある。

 そのため、メーカーはベアシャーシと呼ばれる、キャビンとフレーム、そしてエンジンなどのメカ部分だけの状態で出荷。これを荷台などの装備品を作る架装メーカーと呼ばれる専門業者がリクエストに合わせて、仕上げるという形を取るのが一般的だ。

 車両メーカーとしてはどんな用途に使われるかわかれないため、ルームミラーは付けておくのが一般的。さらに、ベアシャーシは大きいため、積載車で運ぶのではなく、自走で架装メーカーに持ち込まれる。たまに高速道路などで仮ナンバーを付けて走っているのを見かけるが、移動するためにもルームミラーはあったほうがいい。

 最近では乗用車と同じようにデジタルミラーを装着しているトラックも増えてきた。

 これなら荷台が邪魔でも後端にカメラを付けて、ルームミラーに映し出すようにすれば後方確認が可能だ。商用車でも細かい装備も進化していると言っていいだろう。