犬との共演を振り返った林遣都

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 俳優の林遣都が13日、千代田区の神楽座で行われた映画『犬部!』の獣医学部学生ティーチインイベントに、劇中でバディを組んだ犬のちえと共に出席。動物たちとの撮影を振り返り、犬に対して母性が目覚めたことを打ち明けた。

 本作は、2004年頃に青森県十和田市にある北里大学に実在した動物保護サークルの活動をつづった片野ゆかのノンフィクション小説をもとに、動物の命と向き合う人々の奮闘を追う物語。大の犬好きの獣医学部生が仲間と共に動物保護に奔走する大学時代と、獣医師として新たな問題に立ち向かう現代という二つの時代構成で描かれる。

 落ち着かないちえに振り回される林だが、「(保護犬だったちえは)美人で、今やいろんな映像作品に出演していて、ワンちゃん界では大女優だと思います。いい飼い主さんと出会って、こういった人の力になり、メッセージを持った映画に出演してくれて、一緒にここまで過ごしてこられてうれしいです」とにっこり。

 撮影中、動物たちと接する上では「もともと話す方ではあったんですけど、『今日は何食べたの?』など、人と話すのと変わらないくらいの日常会話を心がけた」そうで、「そしたら自分を認識してくれたり、最初は近づけなかったのに隣に座れるようになったりとか変化を体験できました」と振り返る。

 また、ニコ役の犬のミックはなかなか人に懐かなかったが、「時間が許す限り、接する時間を与えてもらった」と明かすと、最終的には「僕以外の人が現れると、僕の方に寄ってくれるようになって、その時は母性が沸きました。東京に帰るときは寂しくて、あんな感情になったのは初めてでした」としみじみと語った。

 自身が演じた役のモデルになった獣医師の太田快作さんと対面した時は緊張したという林。「手術の現場や診療のタイミングも見学させていただきました。動物たちに対する思いの強さや、責任感のない人や出来事に対して戦ってきた思いも聞かせていただいて、ずっと命の現場に向き合って戦ってきた人にしかない空気感をひしひしと感じました」と打ち明けると、演じるにあたっては「ただものじゃないオーラを目指しました」と役づくりについても話した。

 この日は、篠原哲雄監督、スペシャルゲストとして小泉進次郎環境大臣も来場し、現役の獣医学部の学生たちとオンラインでトークセッションを繰り広げた。(錦怜那)

映画『犬部!』は7月22日より全国公開