半夏生の日は“たこ”を食べよう!「ナクチポックン風レシピ」で旨辛デトックス

半夏生にたこを食べる理由は?

半夏生(はんげしょう)とは、1年のうちで一番日が長いとされる夏至の日から11日目のこと。関西地方では、この半夏生の日にたこを食べる習慣があるんです。ちょうど田植えが終わる今の時期に“稲の根が四方八方に伸びるたこの足のようにしっかりと根付きますように”という願いを込めて食べられるようになったそう。

梅雨~夏にかけてが旬なので、今は新鮮なたこが手に入るチャンスでもあるんです。刺身や唐揚げなどもいいけれど、たこは辛い料理との相性も抜群!いつもとは違うピリ辛レシピで、梅雨のジメッとした気持ちをリフレッシュしませんか?

韓国料理研究家のヨンジョンさんに、たこで作る「ナクチポックン風レシピ」を紹介していただきます。

ナクチポックンとは、ナクチ(手長だこ)をピリ辛風味に炒めたもの。プリッとしたたことたっぷりの野菜が食べられる韓国で人気の家庭料理です。

「韓国には多数の専門店があるほど、たこは人気の食材!ホルモンと一緒にピリ辛スープで煮込むナッコプセやイイダコを使ったチュクミなど、おいしい料理がたくさんあるんですよ。

手長だこやいいだこは、日本だとなかなか手に入らないので、今回はスーパーで売られているゆでだこを使い、“ナクチポックン風”の炒め物を作ります」

辛さがクセになる!ナクチポックン風レシピ

材料(2人分)

・ゆでだこ……200g
・玉ねぎ……100g
・ズッキーニ……60g
・にんじん……30g
・パプリカ……40g
・豆もやし……150g
・サラダ油……大さじ2杯

〈調味料〉
・コチュジャン……大さじ2杯
・唐辛子粉……大さじ2杯
・砂糖……大さじ1杯
・みりん……大さじ1杯
・しょうゆ……大さじ2杯
・にんにく(すりおろし)……大さじ1杯
・しょうが(すりおろし)……大さじ1/2杯
・サラダ油……大さじ2杯
・ごま油……大さじ1杯
・こしょう……お好みで

作り方

1. 野菜とゆでだこを切る

刺身用のゆでだこは大きめにスライスし、玉めぎは2cm幅のスライス・ズッキーニとにんじんは短冊切り、パプリカは1cm幅のスライスにします。

「今回は、彩りの良いパプリカやズッキーニを使用しましたが、長ねぎ、チンゲン菜、アスパラなどの野菜でもおいしく作れるので、お好みのものを使ってください」

2. 調味料を混ぜてゆでだこを漬け込む

ごま油以外の調味料を混ぜたら、1を入れて10分ほど置きます。

「たこはただ炒めるだけでなく調味料に漬け込むことで、とてもやわらかい食感に仕上がるんです。味を染み込ませるためしっかり10分置きましょう。今回のレシピは辛さ控えめなので、唐辛子の量でお好みの辛さに調整してください」

3. 野菜を炒める

フライパンに油大さじ2杯をひいて熱し、玉ねぎ、にんじん、ズッキーニを入れて強火で1分炒めます。

「弱火で火を通すと、加熱に時間がかかりたこが硬くなったり、野菜から出た水分でべちゃっとした食感に仕上がってしまいます。火加減はずっと強火にし、さっと炒めることを意識しましょう」

豆もやしを加えて強火で1分炒めます。

「韓国料理は豆もやしを頻繁に使用します。ナムルが一番有名ですが、実はスープや炒め物に入っていることも多いんですよ!ナクチポックンやチュクミを出しているお店でもほとんどの場合が豆もやし入り。日本でよく使うもやしと違い、加熱してもシャキッとした食感が損なわれない点が特徴的です。

ほかの野菜は代用してもOKですが、豆もやしはたっぷり入れるのがおすすめですよ」

2を調味料ごとフライパンに入れてさっと1分強火で炒めます。

最後にパプリカ入れ、ごま油をかけ30秒強火で炒めます。刻みねぎやいりごまをかけたら完成です!

「最後にごま油を入れることで、食べたときの風味がぐっとアップします。食欲アップにも繋がるので、忘れずに加えてくださいね」

レタスやエゴマの葉で巻くのが韓国流!

「韓国では、ピリ辛風味の炒め物をサンチュやエゴマの葉に巻いて食べます。ナクチポックンも野菜に巻いて食べるのがおすすめ!辛さが少しやわらいで食べやすくなりますよ。日本の食材だと、サニーレタスや大葉で代用が可能。ぜひ試してみてくださいね」

たこには体に嬉しい栄養素もたくさん

たこには疲労回復効果があると言われる“タウリン”や血行を良くして頭痛や肩こりを改善するのに役立つ“ビタミンE”、貧血防止になる“亜鉛”など、体に嬉しい栄養素がたくさん含まれているんです。半夏生にたこを食べていた農家の人々、実は豊作を祈ると同時に体力を補給していたのかもしれません。

なんとなく不調が続く梅雨の時期は、ピリ辛たこ料理で体の中からリフレッシュしましょう!(※1,2,3)

取材・文/樋田由香