お米+薬膳の知恵!ちゃちゃっと簡単健康レシピ【お米の魅力、ご飯の味力 Vol.10】

お米と薬膳で健康的なおうちレストラン!

大阪で人気のグルメゾーン西天満で、日本酒と和薬膳料理をテーマに「ソラマメ食堂」を営む森下心遥(もりした しのぶ)さん。おいしいもの好き、ヘルシー志向の女性客で連日賑わっています。

「食事を摂ることは、生きる土台(身体)を作ることです。季節や自身の体質に合わせた食材をチョイスし、おいしく、楽しく食べられる料理が毎日の食卓に並べばうれしいですね。その料理が、身体と心を整えてくれます」

おいしい料理で身も心も健やかになって、もっともっと喜んでもらいたい。そんな薬膳料理を伝えたいという森下さんに、梅雨時に元気をくれる健康レシピを伝授してもらいました。家族の笑顔が弾けるおいしい薬膳で、おうちでちゃちゃっと、健康的なおうちレストランを楽しみましょう。

薬膳ごはん「鮭のバジルのピンチョス寿司」でパーティー気分!

「中医学では胃腸をはじめとする消化器官全般の働きを『脾(ひ)』と呼びます。梅雨のジメジメは、私たちの体内にも侵入し湿気が苦手な脾にダメージを与えます。そんな時期に脾にやさしい食材を使い、家族で楽しめるお料理をご紹介します。

鮭とバジルの混ぜ酢飯に、脾に適した具材を3種用意しピンチョス風に盛り付けたかわいいお寿司と、ご飯とココナッツミルクで作るムースをデザートとして作ります。

まずは混ぜ酢飯から作っていきましょう」

混ぜ酢飯のレシピ

材料(4人前:1人前6貫として)

・ご飯……1合
・鮭フレーク30g
・バジル……1/2カップ(混ぜやすい大きさに刻む)
・酢……30cc
・きび砂糖……20g
・塩……3g

作り方

1. 酢、きび砂糖、塩をよく混ぜて寿司酢を作る

2. ボウルにご飯を入れ、1を加えてよく混ぜ合わせる

3. 2に鮭フレークを加えて混ぜ合わせる

4. ご飯の熱が冷めてからバジルを加え、混ぜ合せる(ご飯の熱が高いとバジルが色変わりするので注意)

5. 鮭フレークとバジルがご飯に馴染んだら、ベースの混ぜ酢飯の完成

「食べることで“やる気”“元気”のエネルギーを作り出すのも脾の大切なお仕事です。私たちの主食のご飯(お米)は、このエネルギーチャージに最適。さらに鮭と合わせることでお腹を温め、その働きを助けてくれるうれしい組み合わせになります。加えてバジルの香りでリラックス効果も期待できます。

では、次にこの混ぜ酢飯と3種類の具材のつなぎとなる特製豆腐マヨを作ります」

特製豆腐マヨのレシピ

材料

・絹ごし豆腐……半丁(重しをのせ、しっかり水切りをする)
・酢……40cc
・きび砂糖……15g
・メープルシロップ……8cc
・塩……2g
・太白ごま油……25cc

作り方

1. フードプロセッサーに水切り豆腐を入れ、酢、きび砂糖、メープルシロップ、塩を加えて撹拌する

2. 蓋を開け、まわりに飛び散ってるものを整えながらなめらかになるまでしっかり撹拌する

3. 廻しながら太白ごま油をゆっくりと注ぐ

4. 太白ごま油が全体に馴染み乳化したら、つなぎの特製豆腐マヨの完成

「豆腐は潤いを補給しながら脾の働きを助けてくれます。この特製豆腐マヨに3種類の具材を合わせて、おいしいピンチョス寿司を作っていきましょう」

1. ピンチョス寿司「アボカドミモザ」

「アボカドも脾に元気をくれますし、コルステロールが気になる方にも食べてほしい食材です。特製豆腐マヨとの相性も良く、特に女性に好まれる味に仕上がります」

材料(トッピング)

・アボカド……1/2個
・卵……1個(ゆで卵にし、黄身だけをザルで濾してミモザにする)
・紅たで……適量
・特製豆腐マヨ……30g
・レモン汁……5cc
・ハラペーニョソース……適量

作り方

1. アボカドは7mm角程度に切りそろえてボールに入れ、レモン汁を回しかけて馴染ませる

2. 1に特製豆腐マヨを加え、全体を馴染ませながらハラペーニョソースを加え、味を調える

3. 型抜きした混ぜ酢飯に 2 をのせ、ミモザをふりかける。飾りに紅たでを添えて完成

2. ピンチョス寿司「生ハム&キウイ」

「生ハム(塩漬け豚肉)は疲労回復に効果的です。キウイには胃腸に溜まって排出しきれていない飲食物を出す働きがあり、そのことから梅雨の湿気が身体に溜まりにくくしてくれます。フルーツの甘みと生ハムのコラボは子どもにも大人気の味です」

材料(トッピング)

・キウイ……1個(皮をむき、輪切りにし型抜きをする)
・生ハム……50g(ピンチョス寿司1個には6~8g程度)
・特製豆腐マヨ……30g
・すりおろしニンニク……適量
・ディル……適量

作り方

1. 特製豆腐マヨにすりおろしニンニクを加え、混ぜ合わせる

2. 型抜きした混ぜ酢飯の上に 1 を塗り、キウイをのせる

3. 生ハムを折りたたんで 2 にのせ、ピンを刺して固定する

4. 3 に 1 を少しのせ、ディルを飾り完成

3. ピンチョス寿司「きゅうりのコチュジャンマヨ」

「きゅうりがもっているミネラルの粒子は水の粒子より細かいので、身体への水分補給がスムーズ。利尿作用もあり、余分な水分を排出しむくみ対策も期待できます。

ただ身体を冷やす働きも強いため、身体を温めてくれるコチュジャンを加えて冷えをやさしく緩和しました。女性にとってうれしいレシピになっていると思います」

材料(トッピング)

・きゅうり……1/2本(種を落とし、2mm角程度に切る)
・白ごま……適量
・芽ネギ……適量
・糸とうがらし……適量
・特製豆腐マヨ……30g
・コチュジャン……5g
・ごま油……適量

作り方

1. 特製豆腐マヨにコチュジャンとごま油を加え、しっかり混ぜ合せる

2. 型抜きした混ぜ酢飯の上に 1 を塗り、きゅうりをのせる

3. 2に芽ネギをのせ、白ごまをかけ、糸とうがらしを添えて完成

【ご飯とココナッツミルクのやすらぎムース】で身も心もクールダウンへ!

「ココナッツミルクにも清熱の効果があります。ご飯で湿気で疲れた脾をいたわり、ココナッツミルクで溜まった余分な熱を取り除きます。

ご飯とココナッツミルクを混ぜ合わせるだけで簡単に作れるので、食欲のないときにでもツルンと食べやすく栄養補給のできるおやつです。冷たい飲み物ばかりに頼らず、おいしいデザートで健康的にクールダウンしましょう」

ご飯とココナッツミルクのやすらぎムースのレシピ

材料(4人前)

・粉寒天……2g
・水……50cc
・ご飯……80g
・ココナッツミルク……200cc
・豆乳……100cc
・甘酒……60cc(もち米甘酒がおすすめ)
・塩……3g
・ラム酒……10cc

作り方

1. 鍋に水を入れて粉寒天を加え、よくかき混ぜて馴染ませる

2. ミキサーにご飯を入れ、ココナッツミルク、豆乳、甘酒、塩を加え、1分間しっかりと撹拌する(ご飯がなめらかなクリーミー状になるまで)

3. 1 に 2 を加え、かき混ぜながら中火で加熱する。沸いたら弱火にし、3分間加熱する(その間も緩やかにかき混ぜる)

4. 最後にラム酒を加え、馴染ませたら火を止める

5. 4 を好みの容器に流し入れ、冷めたら冷蔵庫に入れて冷やす(とろんとした食感でOK)

ベリーソースのレシピ

材料

・ミックスベリー......50g
・きび砂糖......15g
・水......100cc
・レモン汁......適量

1. 鍋にミックスベリー、きび砂糖、水を入れ、中火で加熱する

2. 沸いたら弱火にし、4~5分ほど煮つめる。ソース全体にとろみがでてきたらレモン汁を加え、火を止めて冷ます

3. 容器に移し、冷蔵庫で冷やしておく。ムースを食べる前に上から適量をかけ、ディルを添えて完成

お米のパワーを生かして素敵なおうちご飯を

「薬膳の観点から見ても、身体にうれしいパワーを十分にもったご飯(お米)は素晴らしい食材です。ちょっとした工夫で楽しいパーティー料理になったり、デザートになってくれたりします。

そのパートナーとなる食材に、身体のためになるものを上手く選んであげる。そう心がけて日々の食事を作れば、食卓を囲む家族に、健康と笑顔の花が咲くでしょう」

取材協力

店舗名:日本酒と和薬膳 ソラマメ食堂
電話番号:06-6755-4460
最寄駅:大阪メトロ各線南森町駅JR東西線大阪天満宮前駅
郵便番号:530-0047
住所:大阪府大阪市北区西天満5-11-3 河合ビル103
市区町村:大阪市北区
町域:西天満5-11-3 河合ビル103
営業時間:ランチ11:30~14:00(売切れ次第終了)ディナー17:30~22:30
定休日:日曜・月曜