老後に向けて暮らしを小さく。50代からやるべき3つのこと
人生100年時代になり、高齢になってから大きなマイホームから小さな住まいや高齢者住宅に転居する人も増えています。
そんなときに必要になるのが、ものを減らし、暮らしをコンパクトにする「ダウンサイジング」です。ここでは、現在60代・カナダ在住のミニマリストでブロガーの筆子さんに、50代から無理なく暮らしを小さくする方法について教えてもらいました。
老後に向け無理なく暮らしを小さくするコツ(※写真はイメージです)
暮らしのダウンサイジングをするためには、不用品をがーっと捨てて、暮らしを小さくしなければなりません。ですが、いきなりたくさんのものを捨てるのは、精神的にも肉体的にもきついもの。
そこで、50代になったら、先を見越して、少しずつ暮らしを小さくするのがおすすめです。今回は、ごく自然にもたない暮らしにできるコツを3つお伝えします。
服は厳選し「カプセルワードローブ」を目指す(※写真はイメージです)
「カプセルワードローブ」とは、厳選した少しだけの服を所有し、組み合わせながら着用することです。40着、50着と、衣類の数を決める人もいますが、服を捨てた経験がないなら、数は決めず、「厳選する」という考え方だけ取り入れてください。
本当に着る服・着たい服を選んで、そうでない服は、手放します。
手元に残すのは、長く着用できる色やデザイン、組み合わせのきくもの、本当に好きな服、実際に着る服など。逆に言うと、流行に左右される服や、組み合わせにくい服、ここ数年着ていない服は、もうもっていなくてもいい服です。
買ったからといって、着ない服をずっとおいておく必要はありません。活用していないものの面倒まで見るのは大変ですよ。
服を選ぶポイントに合った、カプセルワードローブの一部
カプセルワードローブをつくるために、どんな衣類が好きなのか、一度考えてみるといいでしょう。私が服を選ぶポイントは、1.直接肌にあたるものはできるだけ天然素材、2.手入れに手間がかからないもの、3.着ていて楽な服、4.自分らしい服。こんなところです。
着たい服を明確にすると、手元に残す服を選びやすくなります。
所有しているものは、満遍なく使うことをめざします。数がありすぎて、使いきれないなら、少し処分しましょう。
使っていないのに置いているものがないかチェック(※写真はイメージです)
使っていないものがたくさん見つかりそうなのは、まず、キッチンツールや食器。鍋、フライパン、包丁、お玉、コーヒーカップ、お箸、スプーンなど、必要以上にもっている人がたくさんいます。
食器棚や流しの引き出しの中をじっくり見てください。そこにあるもの、本当に全部、使っていますか?
意外と増えがちな文具も忘れずに(※写真はイメージです)
値段が手頃で小さな文具も、知らないうちに数が増えます。88歳の母が住む実家にあるペン立てには、ボールペンやサインペンがたくさん突っ込んでありますが、いざ使おうとすると、インクが出なかったりします。
私は、実家に行くたびに、ペン立てや引き出しの中に転がっている筆記具を1本1本、試し書きして、インクが出ないものは全部捨てています。
家にあるものをちゃんと使うことができるよう、インクの出ないペンやこわれたホッチキスは捨てましょう。
(※写真はイメージです)
写真をたくさん収めたアルバムを何冊も持っている人に聞きます。そのアルバムを最後に見たのはいつですか? 今度、いつ見ますか?
思い出の品は日々、使うものではありませんが、放置しておいていいものでもありません。見たいときにさっと参照できるよう、大事な写真や手紙、レシピなどはデジタル化するのがおすすめです。
デジタル化といっても、そんなに難しいことをするわけではありません。携帯電話やスマートフォンで写真を撮って、スマホのアプリにもある、iCloudやDropbox(ドロップボックス)、Googleフォトなどのクラウドストレージに入れておくだけです。
私の母は絵手紙を描くのが趣味で、過去25年間、私にたくさん絵手紙を送ってくれました。
最初は、もらった絵手紙をみな、葉書フォルダーに入れていましたが、数が増えてきたし、全部もっている必要もないと思ったので、よく似たものや、好きじゃない絵手紙は全部捨てました。お気に入りのものだけ数枚残し、まあまあお気に入りのものは、写真にとってデジタル化し、葉書は捨てました。
母からの絵手紙は、写真に取ってデジタル化し管理
デジタル写真にしておくと、参照しやすいし、PCやスマホのホーム画面に載せたりもできるので、前より、ずっと見る機会が増えました。
写真だけでなく、お気に入りのレシピや、本の中で読み返したい部分なども、そこだけ写真にとっておけば、かさばる本体を捨てることができます。
思い出深い品も、まるごと残しておかず、写真だけ残せば、十分、昔のことを思い出すことができますよ。ただ、写真データもどんどんたまっていくので、ときおり見返して、必要のないものは消していきましょう。
今住んでいる家にずっと住み続けるとしても、使っていない服や食器、読んでいない本、ほとんど見ないアルバムは家から出してしまった方が、ずっと暮らしやすくなります。ものの管理には時間や体力を使います。残り少ない人生、もっと楽しいことに、時間を使っていきませんか?
●教えてくれた人
1959年生まれ、カナダ在住。60代のミニマリストな主婦ブロガー。夫と娘の3人家族で娘は独立し現在夫と2人暮らし。人気ブログ「筆子ジャーナル
」では持たない暮らしに関する情報を発信。著書に『1週間で8割捨てる技術
』(KADOKAWA刊)、『買わない暮くらし。片づけ、節約、ムダづかい……シンプルに解決する方法
』(大和出版刊)など
そんなときに必要になるのが、ものを減らし、暮らしをコンパクトにする「ダウンサイジング」です。ここでは、現在60代・カナダ在住のミニマリストでブロガーの筆子さんに、50代から無理なく暮らしを小さくする方法について教えてもらいました。
老後に向け無理なく暮らしを小さくするコツ(※写真はイメージです)
50代から自然に「もたない暮らし」にシフトするコツ
暮らしのダウンサイジングをするためには、不用品をがーっと捨てて、暮らしを小さくしなければなりません。ですが、いきなりたくさんのものを捨てるのは、精神的にも肉体的にもきついもの。
そこで、50代になったら、先を見越して、少しずつ暮らしを小さくするのがおすすめです。今回は、ごく自然にもたない暮らしにできるコツを3つお伝えします。
●その1:服を厳選しカプセルワードローブを目指す
服は厳選し「カプセルワードローブ」を目指す(※写真はイメージです)
「カプセルワードローブ」とは、厳選した少しだけの服を所有し、組み合わせながら着用することです。40着、50着と、衣類の数を決める人もいますが、服を捨てた経験がないなら、数は決めず、「厳選する」という考え方だけ取り入れてください。
本当に着る服・着たい服を選んで、そうでない服は、手放します。
手元に残すのは、長く着用できる色やデザイン、組み合わせのきくもの、本当に好きな服、実際に着る服など。逆に言うと、流行に左右される服や、組み合わせにくい服、ここ数年着ていない服は、もうもっていなくてもいい服です。
買ったからといって、着ない服をずっとおいておく必要はありません。活用していないものの面倒まで見るのは大変ですよ。
服を選ぶポイントに合った、カプセルワードローブの一部
カプセルワードローブをつくるために、どんな衣類が好きなのか、一度考えてみるといいでしょう。私が服を選ぶポイントは、1.直接肌にあたるものはできるだけ天然素材、2.手入れに手間がかからないもの、3.着ていて楽な服、4.自分らしい服。こんなところです。
着たい服を明確にすると、手元に残す服を選びやすくなります。
●その2:もっているものは使う、使わないなら手放す
所有しているものは、満遍なく使うことをめざします。数がありすぎて、使いきれないなら、少し処分しましょう。
使っていないのに置いているものがないかチェック(※写真はイメージです)
使っていないものがたくさん見つかりそうなのは、まず、キッチンツールや食器。鍋、フライパン、包丁、お玉、コーヒーカップ、お箸、スプーンなど、必要以上にもっている人がたくさんいます。
食器棚や流しの引き出しの中をじっくり見てください。そこにあるもの、本当に全部、使っていますか?
意外と増えがちな文具も忘れずに(※写真はイメージです)
値段が手頃で小さな文具も、知らないうちに数が増えます。88歳の母が住む実家にあるペン立てには、ボールペンやサインペンがたくさん突っ込んでありますが、いざ使おうとすると、インクが出なかったりします。
私は、実家に行くたびに、ペン立てや引き出しの中に転がっている筆記具を1本1本、試し書きして、インクが出ないものは全部捨てています。
家にあるものをちゃんと使うことができるよう、インクの出ないペンやこわれたホッチキスは捨てましょう。
●その3:大事なものはデジタル化
(※写真はイメージです)
写真をたくさん収めたアルバムを何冊も持っている人に聞きます。そのアルバムを最後に見たのはいつですか? 今度、いつ見ますか?
思い出の品は日々、使うものではありませんが、放置しておいていいものでもありません。見たいときにさっと参照できるよう、大事な写真や手紙、レシピなどはデジタル化するのがおすすめです。
デジタル化といっても、そんなに難しいことをするわけではありません。携帯電話やスマートフォンで写真を撮って、スマホのアプリにもある、iCloudやDropbox(ドロップボックス)、Googleフォトなどのクラウドストレージに入れておくだけです。
私の母は絵手紙を描くのが趣味で、過去25年間、私にたくさん絵手紙を送ってくれました。
最初は、もらった絵手紙をみな、葉書フォルダーに入れていましたが、数が増えてきたし、全部もっている必要もないと思ったので、よく似たものや、好きじゃない絵手紙は全部捨てました。お気に入りのものだけ数枚残し、まあまあお気に入りのものは、写真にとってデジタル化し、葉書は捨てました。
母からの絵手紙は、写真に取ってデジタル化し管理
デジタル写真にしておくと、参照しやすいし、PCやスマホのホーム画面に載せたりもできるので、前より、ずっと見る機会が増えました。
写真だけでなく、お気に入りのレシピや、本の中で読み返したい部分なども、そこだけ写真にとっておけば、かさばる本体を捨てることができます。
思い出深い品も、まるごと残しておかず、写真だけ残せば、十分、昔のことを思い出すことができますよ。ただ、写真データもどんどんたまっていくので、ときおり見返して、必要のないものは消していきましょう。
今住んでいる家にずっと住み続けるとしても、使っていない服や食器、読んでいない本、ほとんど見ないアルバムは家から出してしまった方が、ずっと暮らしやすくなります。ものの管理には時間や体力を使います。残り少ない人生、もっと楽しいことに、時間を使っていきませんか?
●教えてくれた人
【筆子(ふでこ)さん】
1959年生まれ、カナダ在住。60代のミニマリストな主婦ブロガー。夫と娘の3人家族で娘は独立し現在夫と2人暮らし。人気ブログ「筆子ジャーナル
」では持たない暮らしに関する情報を発信。著書に『1週間で8割捨てる技術
』(KADOKAWA刊)、『買わない暮くらし。片づけ、節約、ムダづかい……シンプルに解決する方法
』(大和出版刊)など