オーダー殺到! 大阪・天満の人気店『一富士食堂』のふわふわ「だし巻き卵定食」を食べてきた
食楽web
大阪北区天満橋の大通りに面した場所。そこに、鮮やかな赤の看板に一筆で書いたような『一富士食堂』の名前が目に飛び込んできます。のれんや引き戸、ショーケースがなんとも懐かしい雰囲気で、歴史を感じる佇まいです。
ここが連日、すごい人で賑わっているという噂……。大阪に引っ越してきて数日の筆者ですが、「看板メニューの肉吸いが絶品」「だし巻き卵定食がすごい」「オムライスがヤバい」という地元民の声をちらほら聞きます。なんでも、「だし巻き卵定食」は超推しメニューだとか。「この食堂は只者ではない」と早速、食べに行ってきました。
店頭には懐かしいショーケースが鎮座。実際のメニューはかなり豊富!
どこか遠い昔に見たことがあるような店頭のショーケースに、ついつい見入ってしまいます。第一声は「安っ!」。まだ店内にも入っていないのに、妙に親近感が湧いてきます。
店内にあるメニューには、和・洋・中と定食屋さんならではの定番メニューがずらり。看板メニューの肉吸いは見つけたものの、お目当てのだし巻き卵定食が見当たらない…。恐る恐る「だし巻き定食、お願いします」と注文してみたら、「たま定一つね」と厨房に通されていきました。
店内を見渡すとお客さんは10人程度。すでにだし巻き定食を食べている人が2人、だし巻き定食を待っている人が筆者含め2人。そうこうしているうちにお客が次々と入ってきて、ついに満席になりました。新規客が発するのはほとんどがだし巻き定食=通称“たま定”の言葉……! 圧倒的人気ぶりに、期待は膨らむばかりです。
ついに登場! 迫力満点のふわふわ「だし巻き卵」に悶絶!
「だし巻き定食」660円(税込)
ついにドドーン! と目の前に現れた「だし巻き定食」。白いご飯とお味噌汁、お漬物、小鉢が付いて660円(税込)というなんとも良心的な価格です。お皿からはみ出し気味な迫力満点のだし巻き卵には恐れ入りました。
店主曰く、「だし巻きは小さいよりもやっぱり大きくないと!」とのこと。見た目から伝わるこのふわふわ感に魅了されながらも、「この量食べ切れるかな……」という不安な気持ちもよぎります。
ひと口食べてみると、ふわっふわと溶けていくような食感で、まるで豆腐を食べているよう。優しい卵の味と薄味の出汁が絶妙なバランスで、どんどんお箸が進みます。食べ切れるか不安な気持ちはどこへやら。しかしながら、このだし巻き卵に使われている卵の数は3個というだけあって、さすがのボリューム感です。
白ご飯との組み合わせが抜群!
このだし巻き卵、薄味ながらも関西風のうどん出汁のような味わいで、白ごはんとベストマッチな組み合わせなんです。
この出汁は昔とは違うらしく、「少しずつ出汁の味を改良しながら出しています。昔と今では若い人たちが感じる味も違うでしょ」と店主。この時代に合わせて味を変えるこだわりこそ、「たま定」の人気の秘訣なんですね。“メインのおかずがだし巻き卵というのは関西だけ”という噂がありますが、そう言われるのも頷けます。
見るからに、とろふわ食感!
なぜこんなにも「たま定」が人気なのでしょうか? スタッフの方曰く、「ニュース記事や関西のグルメ雑誌に取り上げられてからすごい行列ができてびっくりしました」とのことですが、こんなにも日々満席なのは、確かな味が認知されているから。
“素朴で温かい家庭料理がリーズナブルな価格で食べられる”ことに、真意があると感じてなりません。「平日は近隣の方が多いですが、土曜日は一見さんも多くいらっしゃいます」。地域住民だけではなく、他の地域の人からの知名度も高い様子。『一富士食堂』の「たま定」は、わざわざ足を運んでも食べたいと思うほどの逸品定食でした。
(撮影・文◎道面 梓)
●SHOP INFO
店名:一富士食堂
住:大阪府大阪市北区天満2-13-16
TEL:06-6351-1259
営:11:00~15:00、16:00~20:00
休:日曜
*緊急事態宣言に伴い営業時間の変更、休みになる場合があります。