AFX通信によると、中国人民銀行(中央銀行)は5月31日、人民元の為替相場メカニズムの柔軟性を増し、また、国内の外国為替市場での人民元取引が成熟するにつれ、従来の人民元相場の上昇を抑えるための市場介入を減らすと発表した。これは、同行のウェブサイトに掲載された四半期金融レポートの中で明らかにしたもの。

  その中で、同行は、人民元相場について、「人民元の為替相場メカニズムの改革の初期段階では、中央銀行は相場の乱高下をならすために公開市場操作(市場介入)を行い、”(相場の)乱高下安定装置”としての役割を果たさなければならなかった」と述べた上で、市場が成熟するのに伴い、中央銀行は「徐々に市場への関与を減らすための手段として、公開市場操作の頻度を徐々に減らし、操作の程度を弱める」との方針を明らかにした。

  これは、同行は、「合理的でバランスの取れた水準で、基本的に安定を保つ」とこれまでの方針を繰り返したものの、人民元相場がより市場の力で決まるよう、国内為替市場での中央銀行のこれまでの積極的な役割を徐々に後退させる、というもので、市場関係者の注目を引いた。

  同レポートはさらに、中国の国際収支の不均衡を是正するために、同銀は「創意ある措置」を採用するとし、個人や企業に対する資本取引に対する規制緩和(人民元の他国通貨への兌換や資産の国内外への移転の自由化)を推進し、海外で活動する中国企業の資金調達を支援するとともに、国内からの資本流出のチャネルを拡大する、と述べた。

  また、銀行の窓口での人民元の相場は、実際の相場を反映したものに近づいていると強調した。【了】