紙の腕時計をはめていた少年(画像は『Mfa Bob 2021年1月5日付Facebook「Masa budak ni sarung jam..air mata paksu dia menitis..budak tu pun ckp Btl Ke ni bang!!」』のスクリーンショット)

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このほどマレーシアの少年が、経済的に余裕がなく紙で作った腕時計をはめていたところ、親切な男性によって本物の腕時計をプレゼントされた。男性は少年の紙の腕時計を目にして、胸が締め付けられる思いがしたという。『TODAYonline』『Malay Mail』などが伝えている。

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マレーシア、ペナン州のメディア『Penang Kini』が今月5日、Facebookに投稿した内容が人々の心を温かくしている。そこにはお菓子のチップスを売って生計を立てている少年と、車椅子に乗った彼の叔父のことが綴られていた。

この少年、アディック・ダニエル君(Adik Danial)は叔父の車椅子を押しながら毎日、市場でチップスを売って生計を立てており、アディック君の腕には紙を切り抜いて作った腕時計がはめられていた。ある日のこと、地元に住むムファ・ボブさん(Mfa Bob)が地元のショッピングセンターの近くで2人を見かけた。

ムファさんはアディック君の腕にある紙の腕時計に目が止まり、胸が締め付けられる思いがして思わず彼に声をかけた。アディック君は紙の腕時計のことを聞かれると、「チップスを売って生計を立てているが、腕時計を買う余裕が無いため自分で紙で作った」と説明したそうだ。

腕時計が好きでいくつかコレクションとして持っているというムファさんは、紙の腕時計をはめたアディック君をこのまま見過ごすことができなかったようだ。そして近くの時計店にアディック君を連れて行き、「好きな腕時計をプレゼントするからこの中から選んでいいよ」と伝えた。

ムファさんは当時のことを次のように語っている。

「少年に欲しい腕時計を選ぶように伝え、彼が選んだ腕時計の支払いを済ませたのです。少年は目の前で起きていることが信じられなかったようで、彼は代金の代わりにチップスを受け取るよう勧めてきました。しかし私はそれを丁寧に断りました。」

「少年がその腕時計をつけた時、彼の叔父さんの目からは涙が溢れ出ていました。2人は『本当にいいの?』と尋ね、私が『もちろんです』と答えた瞬間、少年も泣き出してしまったのです。その直後、私も涙が止まりませんでした。」

実はアディック君と彼の叔父については、かつてSNSで支援の声があがっていたのだが、アディック君は寄付を受け取ることに興味を示さず「チップスを売って頑張って行く」と周りに伝えていた。

しかしムファさんは今回のことでアディック君をこのまま放っておくことはできず、次に会えた時には「彼に新しい靴と服を買ってあげたい」と話している。

画像は『Mfa Bob 2021年1月5日付Facebook「Masa budak ni sarung jam..air mata paksu dia menitis..budak tu pun ckp Btl Ke ni bang!!」』『Penang Kini 2021年1月5日付Facebook「Kisah yang tular sejak semalam di mana Saudara Mfa Bob membelikan jam tangan baru untuk adik Danial setelah sebelum itu melihat dia hanya memakai jam tangan kertas olok-olok saja..」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)