菅野智之、決断の背景に前田健太やダルビッシュ助言 代理人ウルフ氏明かす舞台裏
菅野や有原の代理人を務めたジョエル・ウルフ氏がオンラインで会見
メジャー球団との交渉が合意せずポスティングが不成立となり、今季も巨人に残留することが決まった菅野智之投手。菅野やレンジャーズへの移籍が決まった有原航平投手らの代理人を務める「ワッサーマン・メディア・グループ」のジョエル・ウルフ氏が8日(日本時間9日)、オンライン会見を行い、メディアに対応した。
ポスティングシステムを利用してメジャー挑戦を目指した菅野。メッツやパドレス、ブルージェイズ、レッドソックスなど複数の球団が獲得に関心を示していたが、米東部時間1月7日17時(日本時間同8日7時)の交渉期限までに交渉は合意に至らず。ポスティングは不成立となり、今季も保有権を持つ巨人でプレーすることが決まった。
新型コロナウイルスの世界的な拡大により、これまでの移籍市場とは勝手が違ったとウルフ氏は語る。「私はシーズン中に日本を訪れることができなかった。例年はそれ(来日)をすることでポスティング期間中に選手が予想すべき状況に備える手助けをするために、彼らと時間を過ごすようにしている。今年は全てをズーム上でやらなければならなかった」と語り、コロナ禍において準備段階から違いがあった振り返る。
有原はレンジャーズへの移籍が決まり、菅野は巨人に残留となった。ウルフ氏はそれぞれの結果を「非常に難しい決断を迫られた」と語る。有原、菅野ともに「多くの球団が興味を示していた」と明かし「ヒデキ・マツイが来たころ、彼には頼りに出来る人たちが周りにいたと思う。しかし、今日のスガノやアリハラのような状況とは異なっていた」と、状況の違いが一層、状況を難しくさせたとした。
また、菅野の決断の裏には現役メジャーリーガーや日本人選手たちのアドバイスがあったとウルフ氏は明かす。「我々はノーラン・アレナドも事務所に呼んだ。彼(スガノ)と会い、アメリカの球団についてのユニークな考えを伝えた」と、メジャー屈指の野手であるアレナドが菅野に対して直接アドバイスした。
さらに「ケンタとダルビッシュは、彼ら(菅野と有原)に成功してもらいたい、歓迎されていると感じてもらいたかった」と、同じ事務所のクライアントであるツインズの前田健太投手やパドレスへの移籍が決まったダルビッシュ有投手も多くの助言を行い「特にスガノに関して言うと、彼が決断を下すうえでそういったことが助けになった」という。
最終的には今オフでのメジャー移籍を断念し、巨人に残留することを決めた菅野。この決断に対してウルフ氏は「彼は最終的に読売に戻ることになったわけだが、彼は今回の決断を絶対に後悔することはないと私は思っている」と語っていた。(Full-Count編集部)