お歳暮に年末年始に、いただき物がたくさんあるおうちも多い時期ではないでしょうか。賞味期限が短いものはすぐに食べようとするものの、日もちがするものはとりあえずしまって…そしてそのまま忘れてしまう、という経験はありませんか?

そこで、毎日が楽しくなる収納・片づけアイデアが人気な整理収納アドバイザーのはらむらようこさんに、お菓子などのいただき物を最後まで楽しめるアイデアを教えてもらいました。


年末年始のいただきもの、包装紙のまま置いていませんか?

もういただき物は眠らせない!贈答品をため込まず楽しむ方法



プレゼントをいただくのはとてもうれしいことですが、タイミングが重なったりすると、箱のまま置きっぱなしになったり、好みではなさそうなものや、おしゃれすぎて食べ方がわからないものも、あと回しにして忘れがちです。

かつてのわが家からも、整理収納レッスンのお客様のキッチンや納戸からも、そういったいただき物が包装紙のまま出てくることがよくあります。そして、贈ってくださった方を思って胸を痛めたり、自分のだらしなさにあきれたり…そこで、提案したいのです。どんなものでも、まずはすぐにあけましょう!

●とにかくリボンをほどき、包装紙をひんむこう。取っておくべきは小箱だけ!




美しいラッピングに包まれていると、あけるのが忍びない気持ちになりますよね。いただき物に限らず、100円ショップのアイテムなどでも、開封せずに袋のまましまい込んでしまう方も結構いらっしゃいます。でもそれでは、食べどき、使いどきの旬がどんどんすぎてしまうだけ。

まずは、紙袋から出し、包装紙をはぎ、箱をあけましょう。あとに回せば回すほど賞味期限のために焦らされる存在になってきますが、もらったすぐであればあるほど、あける瞬間から、中身への期待も高まり、ぜいたくな気持ちになります。


ここで気をつけていただきたいのは、リボンや包装紙を「なんとなく」で取っておかないこと。きっと経験があるかと思いますが、相当気に入ったものでない限り、なんとなく取ってもいても使うタイミングはほとんどやってきません(相当気に入ったら、ぜひ飾るなどして楽しみましょう)。

ただし、ひとつだけ取っておいていいものがあります、それは小さめサイズの箱です。こちらの活用法は最後に。

●とりあえず、一口食べてみる




おいしそうなもの、大切な人にいただいたものほど、せっかくだからゆっくりコーヒーを入れたときに一緒になんて思いますが、そんな時間はなかなか訪れませんよね。

まずは、一口いただいてみましょう。残ったらラップに包んで置いておけばいいのです。一口かじると状況は一変! おいしいからコーヒーを入れようと、行動に移したくなります。

●食べきる仕かけをつくろう



おいしいものをおいしいうちに、そして賞味期限内にいただくためにいちばんよいのは「出しておく」ことです。こたつの上のみかんのように、箱から出して器に盛る。

箱に入れっぱなしだと、フタを閉めてしまいます。いくらダイニングテーブルなど目につく場所に置いていても、フタを閉めると、その上に郵便物などが置かれて隠れ、忘れられてしまいます。


おすすめは、透明の器。わが家では、ガラスのコップなどに入れてダイニングテーブルにトレーで出しっぱなしに。個装でない場合は、ガラスの皿に並べてラップをかけ、やはり見せておきます。

出しておけば家族も自然と食べてくれます。たとえばチョコレートなど、味が落ちたり賞味期限が切れることを心配して冷蔵庫に入れると、おやつよと、用意してあげないとなかなか食べてくれませんが、寒い冬を味方にして、エアコンやストーブから離れた見える場所に置いておくと家族全員の手が伸びやすいです。

トレーに入れれば、食べ終わったあとにダイニングテーブルから寒い棚の上などに戻するものラクちん。

●ゴミ箱も一緒にセットにする




個包装のお菓子の場合は、からの容器をゴミ入れとして一緒にトレーにのせます。そうすれば、みんなちゃんと捨ててくれるので、家族の食べ散らかしを拾うというため息が出る仕事がなくなります。

おすすめはゴミ入れもお菓子入れと同じようにかわいい見た目のものにすること。かわいければ、ゴミを都度捨てなくても問題なく手間が省けます。

●いただいた手紙は冷蔵庫に貼る



プレゼントと一緒に手紙をいただいた場合。
手書きのメッセージは心がほっとしますが、同時に、お返事を出さなきゃと気が焦る場合も。

すぐにお礼状を書けないときは、一口いただきながら、LINEなどでありがとうのメッセージを送りましょう。手紙は、何年後でもいいので、余裕が出たときに書けばよいのです。大切なのは、送ってくれた人の気持ちを純粋に喜んでいただくこと。


その際、封筒はあるとしまい込んでしまうので、思いきって捨てて。私の場合は、便箋を開いた状態で冷蔵庫に留めています。冷蔵庫を開くたびに、暖かい文字を眺めては元気をもらいます。その手紙も、暮らしの景色の一部に変化したら、処分してもいいと思うことにしています。もちろん、置いておきたいときは、大切に取っておきましょう。

かわいい、浅い、小さい、硬めの箱は、引き出しの中で大活躍



お菓子の箱には、かわいくてしっかりしたものがたくさんありますよね。かわいいと思えて、空間に余裕があるなら、ぜひ飾って楽しみましょう。

引き出しの中の仕分け収納として活用するのも、おすすめです。


文房具や細々としたものをすっきりとしまうことができます。とくに紙製の箱は収納に適していて、ぜひ捨てずに引き出し内で使っていただきたいです。箱のフタも収納や仕切りとして使えるものは活用します。

●引き出し内収納にあき箱がおすすめな理由



私は、引き出し内の仕切りボックスは、プラスチックなどのケースを購入するよりもあき箱をおすすめしているのですが、その理由は、中のものがいらなくなったり、汚れてきたときに、箱を一新すると同時に、収納を見直し、アップデートできるからです。


子どもの引き出しの中も、あき箱使いですっきり

きれいに収まりすぎていると、「収納する」ことにばかり目がいき、中身のものを使っていなくても、なかなか手放せずに停滞してしまいがちに。アップデートしやすい収納のポイントはハードにお金をかけすぎないこと。その点でも、あき箱収納はおすすめです。

贈り物は中身だけでなく、箱まで楽しめます。今回は、お菓子などの食べ物のいただきものの場合でご紹介しましたが、タオルや食器などをいただいたときも同じ。家に入れたら、すぐに箱から出して、使ってみてくださいね。

●教えてくれた人
【はらむらようこさん】



整理収納アドバイザー。大阪在住で夫と娘の3人暮らし。多数の片づけの実績から生まれた、今「好き」な物事を肯定しアップデートするオリジナルのメソッドが人気。著書に『「好き」から始める暮らしの片づけ
』(ワニブックス刊)がある。ホームページは「生活デザイン研究室
」、インスタグラムは@lifedesignproject