「セのDH制」導入どう思う? 理事会の前後で変わったファン心理と球界の意識
編集部がTwitterでセ理事会前と後に2度のアンケート、見えた意見の変化
来年のDH制導入は賛成か、反対か――。Full-Countの公式ツイッターではこのほど、アンケートを実施した。12月14日に行われたセ・リーグ理事会が行われたが、編集部が10日前に取った調査では導入賛成41.7%、反対58.3%(全4478票)だった。議論されずに終わった理事会後には選手会を含め、多方面で意見が交わされたため、その1週間後に改めて調査。最終的に反対票が上回ったが、様々な導入案の意見が見られ、興味深い結果となった。
1回目のアンケートは、まだセ・リーグ理事会で巨人が提示する10日前だった。今年の日本シリーズはソフトバンクが巨人に4連勝。力の差が出ていたことを受け、「DH制導入こそ、その差を埋めることできる」という考え方が先行した。反対意見も多かった。ただ、巨人が提案したのはコロナ禍による過密日程で投手の負担を軽減する必要があることなど、目的はいくつもあった。1週間後に改めて、賛成、反対に加え「議論してもいいのでは?」という項目を加え、アンケートを取ると「賛成」34%、「反対」35%、「議論―」31%(4107票)という結果となった。
○賛成意見
・投手が打席で三球三振して面白くないしファンに失礼。
・DH制にして、東西で2リーグ制に。
・投手が打席に立たなくなれば、内角を大胆に攻められるようになる。
・投手戦で好投している投手がチャンスの場面で打席が回って来ると勝つために下げる判断をしなくていけない。
・守備、走塁はイマイチだけど、打撃はピカイチみたいな選手をセ・リーグは獲れないので、打撃格の差が出ている。
・よりアグレッシブになって面白い。
○反対意見
・セもパも打撃得意な投手はいると思います。大谷みたいな選手もいる。
・交流戦、日本シリーズでパ・リーグの投手が打席に立つのが楽しみの一つ。
・導入メリットもわかるが、投手が打席に入ることで生まれる試合の流れや采配の変化を無くしてしまうのは野球の面白さを大きく削ってしまう。
・DH制の方が、選手が固定され、選手の出場機会自体は減る。
・投手が打席に立つことで面白味が増す。
・チャンスで投手が打った時の盛り上がりは最高だからそのままがいい。
・代打のタイミングや守備の変更、代走などの采配で勝敗を分けるゲームがあるから面白い。
・セとパの差は企業努力の差。単純にDH導入で解決できる問題ではない。
賛成、反対ではなく導入案の提案も…
賛成、反対以外にも野球ファンからは意見が届いた。
○導入案
・4年周期でセ・パのDH制を変えてみる。
・DH制を導入して、試合毎、そのチームの事情で外す。
・交流戦のみで投手の打席を残し、セ・パいずれもDHを廃止する。
・セとパで毎年、交互にDH有無を入れ替える。
などという意見も見られた。中には個人としては反対だが、DHがないことによりセ・リーグのレベルが上がっていかないという現場の意見があるならば導入するべきという声もあった。セ・パの格差はDH制が要因ではないというならば、それを実証する必要があるという意見もあった。
編集部のTwitterに寄せられる声は、全体のファンの数からすれば少ないかもしれない。ただ、このように熱を持って、意見を届けてくれるファンがいることを野球界は忘れてほしくない。過去に議論があったから「終わった話」と片付けるのではなく、時代の流れと共に柔軟な考えを示していってほしい。
最後になりましたが、2つのアンケートに票と意見を投じてくださった読者の方、ありがとうございました。(Full-Count編集部)