会見に臨んだ渡部建

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「間違った生き方、女性に対する……接し方……これに関しては不徳の致すところといいますか、改めなくては、と……」

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 黒いスーツに黒いネクタイ、そして真っ白なワイシャツに身を包み、今にも泣きだしそうな苦しい表情で女性レポーターたちからの執拗な質問攻め─“集中砲火”をただひたすらに浴び続けた男、アンジャッシュの渡部建だ。

 今年6月に発覚した前代未聞の“多目的トイレ不倫”から6か月。沈黙を守り続けてきた渡部がとうとう謝罪会見を開いたのは、12月3日の夜。半年ぶりの公の場だった。

「久しぶりに見た渡部さん、だいぶやつれていましたね。7キロほどやせてしまったそうです。ストレスで白髪も増えたそうなんですが、この会見のために前日に髪を黒く染めて臨んだって」(芸能事務所関係者)

 急転直下の謝罪会見を開くことになった発端は、週刊女性12月1・8日号の《アンジャッシュ渡部『笑ってはいけない』“禊コント”で「電撃復帰」計画に怒りの「待った!」》というスクープ記事。

“考えが甘かった”会見

 今年の大みそかに日本テレビ系で放送される特番『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで! 絶対に笑ってはいけない大貧民GoToラスベガス』に渡部がサプライズ出演を予定している。その収録は都内スタジオで11月18日に行われる─という内容だった。その第一報が出るや否や、日本中が「謝罪もせず復帰なんて!」という、嵐のような大炎上状態に突入してしまったのだ。

「……なんですが、日テレは収録を強行した。それだけじゃなくて、12月6日には、渡部さんが前までレギュラー出演していた同じ日本テレビ系の『行列のできる法律相談所』に生出演する予定まで組まれていたんです。というのも、『笑ってはいけない』と『行列』は同じ制作スタッフが番組を作っているからで。渡部さんにとっては、気心が知れたスタッフが仕切っている現場で復帰するというのは“安心して収録に臨める”と思ったんでしょうね」(日本テレビ関係者)

 だが、そうは問屋が卸さなかった。

「想像以上に渡部さんや番組、ダウンタウンへの非難の声……復帰への逆風が強かったんです。“大丈夫だろう”とタカをくくっていた渡部さんサイドも、番組スポンサーから“本当に渡部さんが出るのか?”と説明を求められた日本テレビサイドも大慌てになった。それで急きょ会見を開くことになった、と」(同・日本テレビ関係者)

 会見は1時間40分にも及んだ。極度の緊張とストレスのためか、大量の汗を流し、手足を震わせながら声をしぼりだす渡部に、容赦ない質問を浴びせ続ける女性レポーターたち。その地獄のような追い込みっぷりには“やりすぎだ”“不快”という声も上がったほどだった。

「まぁ、ここまでいってしまったのは“渡部は逃げた”と日本中から思われてしまったからですよね。“4年ぶりゲス不倫”が報じられた宮崎謙介さんや、“4WD不倫”しちゃった原田龍二さんのように、すぐに会見を開いて頭を下げて恥をかいていたら、こんな状況までにはならなかったはずで。半年で“復帰しよう”と判断したのも、世間の空気というか、怒りを完全に読み違えていますし。“考えが甘かった”と言われてもしかたないです」(スポーツ紙記者)

 だが疑問は残る。想像以上だったとはいえ、ある程度の反発が起きるのはわかっていたはずだ。にもかかわらず、どうして渡部はそこまで復帰を急いだのか。これには渡部の所属事務所である『プロダクション人力舎』の台所事情が関係しているという声が。

なんとか早く復帰させたい事務所

「いま人力舎は“火の車”なんです。CMやテレビ番組の違約金は総額で1億円をゆうに超えたそうなんです。会見で渡部さんは“(違約金は)僕のほうで全額払い終えました”とポロッと言っていましたが、アレはウソ。ほぼ全額を人力舎が立て替えて払っていますから」(前出・芸能事務所関係者)

 入ってくるはずだった渡部のレギュラー番組などのギャラも半年分が消えた。

人力舎には、おぎやはぎ、アンタッチャブル、ドランクドラゴン、大久保佳代子……といった売れっ子芸人たちがいますけど、その中でも、渡部さんの稼ぎは大きな柱のひとつでしたからね。それがポッキリ折れてしまって」(同・芸能事務所関係者)

 くわえて、コロナ禍も深刻な影を落とした。

「ショッピングセンターなどの集客イベント……いわゆる“営業”が完全ストップしちゃったのが痛かった。お笑い事務所はテレビのギャラよりもむしろ営業のギャラで食ってるところが多いですから。最近、ようやく少しずつ元に戻りだしてはいますけど、集客イベントなんてまだ全然無理。“コロナ感染拡大防止”といったような、政府や地方自治体なんかの公共系の営業がやっと再開したくらい。そりゃあ人力舎じゃなくたって苦しくなりますよ」(同・芸能事務所関係者)

 先行きに不安を感じたのか、若手のマネージャーが、この数か月の間に何人も辞めているという。

「そんなシビアな事情もあって、人力舎サイドは“渡部をなんとか早く仕事に戻したい”と考えていたんです。そこで旧知の『行列』制作チームに“手助けしてもらえないか?”と頼み込んだ。それで『行列』『笑ってはいけない』への出演が決まったと聞いています」(バラエティー番組制作会社関係者)

 並行して復帰への地固めも着々と進められた。

 年末の復帰に向けて“渡部お帰り!”ムードを作るべく、芸人仲間たちが、ひと肌脱いでいたというのだ。

「このところ、芸人たちからは“さすがにちょっとかわいそう”という声が上がっていたんですよ。渡部さん、正直ほかの芸人たちからは慕われていなかったんですが、この半年間のあまりの叩かれぶりに“もう許してあげたら?”という雰囲気になっていたんです」(同・バラエティー番組制作会社関係者)

 テレビ番組やネット番組、動画配信などで写真こそ出ないものの、完全に存在を消されていたはずの渡部に触れるシーンが増えるようになっているのだという。

人力舎サイドから、付き合いのある芸人さんやバラエティー番組のスタッフに“番組内で渡部をイジってほしい”と内々に話があったそうなんですよ。渡部さんの相方の児嶋一哉さんが自分のYouTubeチャンネルに陣内智則さんとのコラボ動画《陣内さんが復帰の仕方について考えてくれたぞ。》を投稿したのも、その流れです」(同・バラエティー番組制作会社関係者)

人力舎』社長を直撃!

 それは会見直後にも見られた。会見終了と同じ日に放送されたテレビ朝日系の『アメトーーク』には、渡部と同じ人力舎に所属しているお笑いトリオ・東京03の飯塚悟志が出演していた。すると、

「渡部さんとほぼ同期の飯塚さんには共演芸人たちから猛烈な“渡部イジリ”が。『アメトーーク』のオンエアが、あの地獄の会見の直後になってしまったのは偶然でしたけど、そうやって、お笑い界全体で少しずつ渡部復帰へ道筋をつけようとしていたんです」(同・バラエティー番組制作会社関係者)

 報道陣の執拗な追及にも、そうした復帰の経緯など肝心な部分について、渡部は最後まで語らなかった。苦悶の表情を浮かべながら「私の口からは申し上げられません……」と繰り返すのみ。ダウンタウンをはじめとする番組関係者や日本テレビ、そして番組スポンサーに迷惑をかけまいとしたのだろう。

「でも……恐らくですが、これはもう『笑ってはいけない』の渡部さん出演シーンは“お蔵入り”になっちゃうでしょうね。“復帰よりまず会見が先”と言いながら、実際は会見前にしれっと収録に参加してしまっているわけで。そんな状況で視聴者が番組を見て笑えるとは思えませんし、何よりイメージ低下を嫌う番組スポンサーが首を縦に振らないでしょうからね。出演があるとしたら、ダウンタウンの松本さんの決断なんでしょうけど、松本さんと渡部さん、実はそこまで仲よしでもないんでねぇ……」(前出・スポーツ紙記者)

 何より痛かったのが、

「渡部さん自身が会見で“これで復帰ではない”“復帰は決まっていない”と言わされてしまったのがね。この半年間の活動自粛がムダになってしまったも同然です。完全に振り出しに戻っちゃった」(同・スポーツ紙記者)

 会見から一夜明けた12月4日早朝、週刊女性は渡部の所属事務所、人力舎社長の玉川大氏に真相を尋ねた。今回の復帰騒動、そして会見のもうひとりの“キーマン”である。

 自宅から出てきた玉川氏は、週刊女性記者を愛車の助手席へ座らせると、自らの運転で都心の仕事場へ車を走らせた。その車中で会見までの経緯、そして復帰の真相について答えてくれた。

「コロナ自粛中でなかなか身動きがとりにくい中、あの状況で“謝罪会見する”と決める判断も正直、難しいところがあったんです。ここまで遅れてしまったのは、すべて私の責任です」

 渡部の言葉どおり、不倫発覚当初から「会見する、しないの話は出ていた」という。

「渡部に『文春』から取材依頼が来て。インタビューで『文春』に答えるのか、それとも会見をするのか、気持ち的に半分半分でどうしようかと迷ったんですが、結局、『文春』が先になってしまった。昨日の渡部じゃないけれど、私も“文春で始まって文春で収束すればいいな”というのが本音でした。“あのとき会見をやっておけばよかった”といまさらながら思いますが……」

 渡部の妻である佐々木希への影響を考えねばならない部分もあった。

「渡部の奥さんが一般の方だったら、渡部だけの問題として、われわれだけで進めればよかったわけですが、奥さんは女優で、所属する事務所の社長さんもいる話ですから。奥さん……佐々木希さんの事務所社長とはずいぶん話をさせてもらいました。ただ、その中で先方から“会見をやってくれ”とは一切言われていないんです。それをいいことに、ズルズルとここまでずれ込んでしまったのはウチの……私の悪い部分です」

「“お察しください”としか……」

 では、その遅れに遅れたという謝罪会見をいまさら行ったのは、なぜか? やはり渡部を1日も早く復帰させたかったからではないのか。

「事務所として“金がないから早く稼ぎたい”なんて、これっぽっちも思っていませんし、事務所のほうから渡部に“早く復帰してほしい”ともいっさい言っていません。それだけは、はっきり否定できます。小さな会社ですが、渡部ひとりのせいで傾く会社にしたつもりはありません」

 会社組織を率いるトップとして、そう言い切った玉川氏。だが、「それであれば『笑ってはいけない』への出演を人力舎から、玉川社長から依頼する必要もなかったのでは?」と週刊女性が重ねて尋ねると、声色が変わった。

「……うーん……それは……もう“お察しください”としか……。それが現状です」

 車に乗り込んでから、90分近くが過ぎていた。仕事場近くまで来ると車を止めた社長は、最後にこう語った。

「渡部のやったことは法律には引っかからないかもしれませんが、イメージは一生消えないことです。ここから、どう這い上がっていくのか。もしかしたら、芸能生活が終わるのかもしれません」

 そう言いながら、玉川氏はこう言葉を継いだ。

「……でも、それでも“切れない”ですよ。アイツを切るのは簡単ですが、それでは私も事務所も責任を果たしたことにはならないですから。若いころ、私はアンジャッシュのマネージャーもしていて、渡部は苦楽をともにしてきた仲間です。そんなアイツを不幸にしてしまったその責任は私にありますからね……」

 タレント生命の崖っぷちに立たされている渡部に、育ての親の思いは届くのか─。