セルティック時代の中村俊輔【写真:Getty Images】

写真拡大

14年前のCLマンU戦で生まれた歴史的なFK弾に再脚光

 かつてスコットランドの名門セルティックで一時代を築いた元日本代表MF中村俊輔(横浜FC)は、数々の印象的なゴールを決めてきたが、なかでも伝説となって語り継がれているのが2006年11月21日に行われたUEFAチャンピオンズリーグ(CL)グループステージ、本拠地マンチェスター・ユナイテッド戦でのFK弾だ。

 あれから14年が経った21日にはセルティック公式ツイッターのほか、CL公式ツイッターも動画を投稿して歴史的なゴールを称えたが、英メディア「スポーツ・バイブル」も「フットボール史上最高のFKキッカーの1人」と中村の功績を称えている。

 中村は2002年に横浜F・マリノスからイタリア1部レッジーナへ移籍。3年間のプレーを経て、05年夏にスコットランド1部セルティックと契約した。在籍4年でリーグ優勝3回、06-07シーズンには年間MVPに輝くなど、レジェンドの1人として今も高い人気を誇っている。そんなセルティック時代の中村のハイライトと言えるのが、06-07シーズンのCLグループステージ、マンチェスター・ユナイテッドとの2試合で決めた2本のFKだ。

 敵地オールド・トラッフォードでのユナイテッドとの第1節(2-3)では、約20メートルの距離から元オランダ代表GKエドウィン・ファン・デル・サールが一歩も動けない完璧な直接FK弾を叩き込むと、06年11月21日に本拠地で行われた第5節ユナイテッド戦(1-0)で再び魅せる。

 0-0で迎えた後半36分、セルティックは中央やや右のゴールから約30メートルの位置でFKを獲得。キッカーを任された中村が左足を振り抜くと、ボールは壁の上を越え急激に落ちる軌道を描いてユナイテッドゴールへ。名手ファン・デル・サールの懸命の横っ飛びも及ばず、ゴール右上隅を鮮やかに射抜いてみせた。この一撃が決勝点となり、中村は日本人選手として初めてCL決勝トーナメント進出を果たし、セルティックの伝説となった。

「スポーツ・バイブル」は21日の記事で、中村を「日本人ミッドフィールダーは間違いなく、フットボール史上最高のFKキッカーの1人」と称えたうえで、14年前のユナイテッド戦で生まれた一撃を「この壮大なセットプレーは、おそらく彼のベストだ」と紹介。「世界最高のゴールキーパーの1人であるエドウィン・ファン・デル・サールに立ち向かったという事実が、これをさらに特別なものにする」と、正確無比な弾道で名手の守るゴールを攻略した事実に改めて賛辞を送っている。

 14年の歳月が流れても、今もなお欧州で語り継がれる中村が決めた伝説のFK弾。セルティックの歴史を築いた英雄の1人として、ファンの間で愛され続けているようだ。(Football ZONE web編集部)