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 2016年頃からジワジワと人気の高まっていたグルメといえば「餃子」です。そして、これからブームが来るのではと言われているのは「シュウマイ」なのをご存知ですか?

 シュウマイはおうち時間が増えたいまだからこそ、家庭でも手軽に楽しめて、なおかつひと手間加えることでグッとおいしくなる料理なんです。11月5日には、味の素冷凍食品、日本シュウマイ協会、横浜中華街の老舗『招福門』の3社による「シュウマイムーブメントプロジェクト発表会」が開催されました。今回は発表会の様子をもとに、シュウマイの魅力をお伝えしたいと思います。

食のトレンドは「あえて手間ひま」と「簡単アレンジ」に二極化

味の素冷凍食品の「ザ★シュウマイ」は、冷凍食品市場の伸長率が4月は120%なのに対し、130%となった。8月には150%になるなど、人気の冷凍シュウマイとなっている

 2020年はおうち時間が増えたことで、自炊をする人が増えたのは周知の通り。「家ソト」「お洒落」に関する需要が落ち込む一方で、「家ナカ」「健康」に関する需要が高まっているといいます。

 そのなかでも食に関しては、ぬか床や水耕栽培といった「あえて手間ひま」をかけるものが注目されるのと同時に、自炊の機会が増えたからこそ「簡単アレンジ」を求める人も増えています。たとえば、テレワークが進んだことで「昼食は簡単に準備したい」という意見も目立つようになりました。そんななかで、「シュウマイ」はこの両方をカバーする可能性のあるグルメなんです。

 味の素といえば「冷凍餃子」のイメージが強いですが、実は冷凍餃子が誕生した1972年にシュウマイも発売しています。同社によると、「ストックできる」「大きさや個数で量を調節できる」というのがシュウマイの大きな魅力だといいます。

 また、1993年に横浜で生まれた『招福門』では、店舗での提供だけでなく、自宅でシュウマイを包む手作りキットも販売しています。お店の味を自宅で楽しめるのはもちろん、作るひと手間も体験できることも専門店の通販ならではといえるでしょう。

味の素冷凍食品の「ザ★シュウマイ」を実食

味の素冷凍食品の焼売2種類を実食。筆者は「ザ★シュウマイ」を食べるのは初めて

 今回は「ザ★シュウマイ」と業務用の「黒豚大焼売」をせいろで蒸して食べてみることにしました。もちろん、いずれも電子レンジで加熱するだけで食べられますが、この「せいろ」を使ったひと手間こそ自宅で本格的な焼売を楽しむポイントです。

 まずは水に濡らしたせいろにクッキングペーパーを敷き、凍ったままのシュウマイをのせます。あとはフタをして約10分弱火で加熱するだけ。せいろを使うなんて面倒くさそうだなと思っていましたが、実はほとんど手間がかからないんです。しかも、このまま食卓に出せるので、お皿に並べる手間も省けます。

今回はフライパンでせいろが使える蒸し板を使用。フライパンに水を貼り、蒸し板の上にせいろをのせれるだけで蒸せるのが手軽で最高

 蒸し上がったシュウマイがこちら。電子レンジで加熱するよりもふっくら蒸し上がっているのがひと目でわかります。電子レンジと比べて加熱時間はかかりますが、これぐらいであれば普段からやってみようかなという気になりました。

蒸したてのシュウマイは冷凍食品とは思えないようなふっくら感

 スーパーで購入できるザ★シュウマイは、1個が大きく、肉汁もたっぷり入っています。筍がゴロゴロ入っているので食感も楽しめ、なんといっても葱油の香りとXO醤のコクが強く、ごはんのお供にぴったりの濃い味付け! このシュウマイはタレを付けずにそのまま食べたほうが、肉の旨みが楽しめそうです。

シュウマイは個数で食べる量を調整できるのも魅力

 これを食べて冷凍食品だと思う人はほとんどいないんじゃないかと思うほどのクオリティで、ザ★シュウマイが人気なのも納得。包む手間をかけずにここまで本格的なシュウマイが楽しめるということに正直驚きました。

 日本シュウマイ協会発起人のシュウマイ潤さんによると、シュウマイはつけるタレによっても印象が大きく変わるそう。ソースや辛味噌、マヨポン酢、柚子胡椒、わさび醤油、柑橘系果汁を使うのがおすすめで、タレにごとに相性のいいお酒も異なります。

ごはんだけでなくおつまみとしてのシュウマイのポテンシャルの高さも伺われる

 実際に筆者も柚子胡椒をつけて味変してみたのですが、“中華”だったシュウマイが一気に“和食”に変化しました。肉の旨みが倍増し、辛みや柚子の風味が加わったことで、コクのあるタイプや熟成タイプの日本酒との相性が良さそうです。

 自宅の冷凍庫にシュウマイをストックしておくだけで、昼食や夕食にぴったりな一品があっという間に完成します。改めてシュウマイの魅力を再発見してみませんか?

●著者プロフィール

今西絢美
「おいしいものナビゲーター」として、調理家電や食に関する記事を執筆。フードツーリズムマイスター、利酒師の資格も持つ。ウェブサービスやアプリのトレンドも絶賛追跡中。コンテンツ制作会社「TEKIKAKU」取締役。