11月11日は「ポッキーの日」だけじゃない! 「配線器具の日」広めようとした男性の夢が、6年かけて叶った話
11月11日。
1が並んでおり何だか特別な感じがするその見た目からか、この日は様々なものの「記念日」となっている。
記念日の認定や登録を行う日本記念日協会(長野県佐久市)のウェブサイトに載っているだけでも、「ポッキー&プリッツの日」や「チンアナゴの日」など、49もの記念日が並ぶ。他にも、日本靴下協会が制定した「靴下の日」も11月11日だ。
そして、地味で目立たないけれど私たちの生活に欠かせない「とあるもの」の日でもあることを、皆さんはご存知だろうか。
そのことを広めようと2014年から6年、11月11日になると毎年欠かさず投稿してきたツイッターユーザーがいる。その名は、けんたろう(@ken_ta_rou)さん。
広めようとしてきたのは、「配線器具の日」。こちらが、記念すべき1年目のツイートだ。
2014年から盛り上げていた(画像はけんたろう@ken_ta_rouさん提供)
「配線器具の日」を制定したのは、配線システム及び配線器具に関わる企業や個人で構成される日本配線システム工業会(東京都中央区)。
同社の公式サイトを見ると、「配線器具の日」について
「平成11年11月11日に制定しました。
これは、最も使用されている配線器具のひとつであるダブル(2口)コンセントのプラグ差込口の形状を、11月11日の2つの『11』でイメージするためです。制定年は11が3つ揃い、トリプル(3口)コンセントがイメージできました」
と紹介されている。確かに、けんたろうさんがアップした2口コンセントの写真でも、「11」が縦に2つ並んでいるように見える......。とても分かりやすい。
そんな「配線器具の日」をけんたろうさんは6年間、外出していようとも毎年欠かさずお祝いしてきた。
外出先でも...(画像はけんたろう@ken_ta_rouさん提供)
そして今年、2020年11月11日。けんたろうさんはこんな投稿をした。
毎年呟いているが全然広まらない。 pic.twitter.com/841SHhwDtz
— けんたろう (@ken_ta_rou) November 11, 2020
11月11日、あまりにも○○の日が多すぎて「配線器具の日」は全然広まっていないようだ。
6年間欠かさず投稿しているけんたろうさんのツイートからはどことなく切なさが滲み出ているようにすら感じる......。
しかし、そんなけんたろうさんの思いが通じたのか、今年はこの投稿が拡散。
12日夕方現在で、4万2000いいねを集めるほど話題になった。
ツイッターでは
「配線器具の日を初めて知りました」
「配線器具の日おめでとうございます」
「生活を豊かにする。コンセントさんありがとうございます」
「日頃から酷使してる配線器具に感謝!」
といったコメントが寄せられている。
これはもう、ついに「配線器具の日」が広まったといってもいいだろう。
Jタウンネットは12日、投稿者のけんたろうさんを取材し、配線器具の日に広めようと思い立った理由などを聞いた。
けんたろうさんは
「あまりにもタイムラインにポッキーの日ばかりが持て囃され、それらから感じた恵方巻きやハロウィーンのような商業的なお祭りムードが居心地悪かったのが理由でしょうか(笑)
でもポッキー以外なら何でも良かったわけではなく、あくまでも配線器具の日という、身近なのに固いネーミング、だけど画像を見れば由来が判る納得感を共有したいと思っていました」
とその理由を語る。
今までの配線器具の日の投稿への反響を聞くと
「いいね一桁くらいかと(笑)」
とのこと。それを踏まえ、けんたろうさんは今回、配線器具の日が広まった反響についての感想を
「やはり靴下の日やチンアナゴの日ではなく、配線器具の日というチョイスだったからこそ、その絶妙なセンスが共感を得たのだと思います。継続は力なり(笑)」
としていた。今年の11月11日は残念ながら終わってしまったので、知らなかったという人はぜひ来年、「配線器具の日」を祝ってほしい。