今年のヒット商品にも選出! 発売から1年経った「AirPods Pro」の最新販売動向

AirPodsシリーズは3モデルをラインアップしており、その中でもAirPods Proは最上位にあたる。アップル公式オンラインストアにおける価格は税別2万7800円。これはスタンダードな「AirPods with Charging Case」(税別1万7800円)より1万円高い。
しかし、実はAirPods ProはAirPods with Charging Caseよりも売れている。発売月(19年10月)から20年10月までの販売台数シェアを月次で分析すると、20年2月以降は常にAirPods Proが上回っている状況だ。20年5月に32.6%を記録し、20年10月も22.2%の高シェアをキープしている。
AirPods Proの最大の特徴はノイズキャンセリング機能を搭載していることだ。この機能を備えた完全ワイヤレスイヤホンはAirPods Pro以前にも存在したが、広く認知され、売れ筋になったのはAirPods Proの功績によるところが大きい。ソニーやボーズも同様の高付加価値の製品に注力しており、販売台数を伸ばしている。
先月と今月の2回に分けて発売される「iPhone 12」シリーズがAirPodsの販売を引っ張っているということは現時点ではないようだが、これから先に起爆剤がないわけではない。iPhone 12シリーズはアップデートでワイヤレスリバースチャージ機能に対応するという噂があるからだ。
ワイヤレスリバースチャージは、ワイヤレスチャージに対応するデバイスに、iPhoneをモバイルバッテリ代わりとして充電することができる機能だ。すでにAndroidスマートフォンでは対応しているものもあり、使ったことがあるという人もいるだろう。
ワイヤレスチャージに対応しているAirPodsは、AirPods with Wireless Charging CaseとAirPods Proの2モデル。スタンダードのAirPods with Charging Caseは対応していない。もし本当にiPhone 12で新機能が使えるようになれば、上位モデルへの買い替えが促され、圧倒的なシェアがさらに盤石なものになるだろう。(BCN・大蔵 大輔)
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